マーシャの休日
2話投稿したのにどちらとも茶番。
これは…、まぁ大目に見ていただけると幸いです。
はぁ、…暇ね。
フィリアの休日読んだ人は分かると思うんだけど一時的とはいえ部屋替えしたのよ。
なんでも、今フィリアと部屋が同じ人が「自分とこの人合わない」とか言って、同じ部屋の人と喧嘩したらしくて。
それで、その人なぜかフィリアを指定したのよね。
何の接点もなかったからフィリアも驚いていたけど、替えられちゃったのよ。
で、私の部屋にはその喧嘩した人が来るかと思ったらその人「一回家に帰る!」とか言って帰っちゃったのよ。
つまり、私の部屋は今一人なの。
ったく、あいつ本当に何なのよ?
人の部屋に上がり込んでくると思ったら「帰る」だ?
自分勝手もほどほどにしなさいよ。
で、最初は一人も悪くないって思ったけど、つまらないわね。
何かおもしろいことは…
〈ピンポーン〉←インターホンの音
誰かしら?
『マーシャ、いる?』
リリアじゃない。
ちょうど暇だったし、悪くないわね。
「どうかしたの?」
『とりあえずあげてもらえない?』
「いいわよ」
~5分後~
「お邪魔しまーす」
「で、なんなの?そんな大きな荷物?」
「よくぞ聞いてくれました!の前に、この前のフィリア覚えてる?」
「ずいぶんときれいになったわよね(値段がすごかったけど)」
「そ。んでフィリアは服一つでものすごい変わったじゃない?で、私たちも何かいい方向に変われないかなぁと思ってね」
「嫌な予感がするんだけど」
「で、さっき何かないかと思って部室を探したら…あったのよ!」
「何が?」
「これよ!」
取り出してきたのは髪を染める道具一式だった。
色とりどりそろってる。
「…私は嫌よ」
「なんでよ?きれいになりたいと思わないの?それにこの髪染める道具は髪を傷めないわよ?」
「…失敗した場合どのくらいで落ちるの?」
「この道具を使えば5分かからないわ!」
「…」
「迷ってるならすぐやる!私もやるから!じゃあまずは黄土色」
「なんでそんな暗い色なのよ、大体私は金髪よ?黄土色だってほとんど黄色じゃない!?」
「私は明るい茶色なのよ。黄土色、試してみたかったけど。じゃあピンクは?」
「それなら、まぁ」
「じゃ、決まりね。じゃあ、まず私から」
~10分後~
…遅いわね。
これには、「7分でできる!」ってでかでかと書いてあるけど。
やり方が分からないのかしら。
〈ガチャ〉←扉が開く音
あっ、きたわね。
「どうだった…って、やってないじゃない!」
「いや、その、予想以上に似合わなくて」
相当へこんでるわね。
「じゃ、私もやってくるわ」
「似合うといいわね」
ふう、リリアがあれほどへこむなんてどうなったのかしら。
まぁ、私もやってみれば分かる話ね。
えっと、まずはこれを…。
~10分後~
「マーシャ~、どうなった?」
「もうちょっと待って!」
やばい。これは超やばい!
まさかこれほどにまで似合わないとは!
リリアがへこむ理由がわかるわ。
早く落とさないと!
~3分後~
「はぁ~…」
「ちょっと、なんで見せる前に落としてるのよ!」
「あんたも見せなかったでしょ。それにカメラで撮られると思ったからよ」
「そりゃ、そうでしょ。じゃあ、次これね」
「アンタも懲りないわね…」
~2時間後~
部屋中に沈んだオーラが立ち込めている。
「まさか6種類試してもここまでとは…」
「まったくね…。やっぱり変わりたいなら服にするべきじゃないかしら?」
「いや、私はあきらめないわ!それにまだ数十種類残ってるのよ」
…だめね。
このままじゃ時間をかけて全部試すことになってしまうわ。
ちょうどお昼時だし少し頭を冷やしてもらわないと。
「リリア、お腹も減ったし少し休憩にしない?何事にも休息は重要よ?」
「…それもそうね。じゃあ、食堂に行きましょう」
これで少しは頭冷やしてくれるといいんだけど…。
~12:30~
「私は、味噌ラーメンで。リリアは?」
「私はサンドイッチ定食にするわ」
それぞれ会計を済ませ席を探す。
「どこにしようか…、あれリョウたちじゃない?」
「クロもいる?あの子いじりがいがあって楽しいんだけど」
「いるわよ。自分の目で見なさいよ」
「私が目悪いの知ってるでしょ?」
「なんで治療だったりメガネをかけたりしないのよ?」
「素のほうが可愛いかと」
「メガネっ子にも需要はあるわよ」
話しながらリョウたちに近づく。
「リョウ、ここ座っていいかしら?」
「どうぞ。なんか久しぶりな気がするな」
「医務室以来だもの。大体1週間くらいかしら?」
「恋人が一週間も会わないなて辛いわね…」
「恋人!?」
「違うぞ、クロ。誤解だ」
「で、恋人のリョウとその友達のクロ君に質問なんだけど」
「何度でもいうぞ?違うからな?」
「今私たち髪をいじってるんだけど」
「「髪を?」」
「ええ、でね、さっき6種類ぐらいやってみたんだけどどれもしっくりこなくて」
「何か似合うような色ないかなっていうわけ」
「似合う色…ねぇ。」
「ん~…」
2人とも悩んでるわね。
まぁ、私たちでもわからないことを訊くの事態が間違ってるような気がするけど。
客観的視線は大事だしね。
「俺は赤だと思うな」
「赤ねぇ…。なきにしもあらずね」
「僕は緑色が見てみたいなぁ」
「緑ね…って見てみたいだけかよ」
「いや、意外とありかもしんねぇぞ?」
「意外とって…。まぁ、一応候補にはあげておくわ。全部やってみるけど」
「ならなんで訊いたんだよ」
「通過儀礼?」
「使い方間違ってるよ、それ」
「ていうかなんで髪なんだ?服とかアクセサリとかあるじゃねぇか」
「アクセサリ?なにそれ?」
「あ、いやなんでもない」
「…」
また、よくわからない単語言った。
そういえば最近は忘れてたわね。
リョウが一体何者なのかって。
正直今となってはどうでもいいよう何もするけど考えれば知ってみたいような気がするのよね。
一時期は違う世界から来たのでは?なんていうわけの分からないことも考えたけど結局考えるだけにとどまったもんね。
「マーシャ、何ぼーっとしてるの?」
「えっ?ああ、いや何でもないのよ」
「さっさと戻って髪いじるわよ」
「本当にまだやるのね…」
「いい色が見つかるか、全部試すまであきらめないわ!」
「そこまでやる気になれる理由が分からないわ」
「まぁ、がんばれよ」
「完璧に他人事ね」
「実際、他人事だしな」
はぁ、これなら1人で過ごす方がマシかもしれないわね。
~1:30~
「よし、じゃあこれから始めましょ」
まず取り出したのは緑色だ。
「リョウが真剣に考えた色は使わないのね」
「そういうのは最後のお楽しみにするのよ」
「緑なんてネタにしかならないと思うんだけど」
「何事も実践しなきゃわからないわよ。じゃ、最初はマーシャね」
「私から?」
「朝は私からしたでしょ?だから次はマーシャから」
「…分かったわよ」
~2:30~
「あと何種類ある?」
「…38種類」
「朝数十種類って言ってなかった?」
「ちゃんと数えてなかったのよ」
「もう今日はよくない?」
「あともう少し、もう少しだけ…」
「…」
~3:30~
「リリア…」
「…あともう少し」
「…」
~4:30~
「マーシャ見て!」
何よ?ようやくいい色でも…
「リ、リリア、あんた大丈夫?」
リリアの髪は虹色になっていた。
おそらくパーティ用の道具を使ったのだろう。
「私、超きれいじゃない?」
「リ、リリア?」
やばい、目が光を失ってるわ。
っていうか目から光を失うって案外わかるものなのね。
「リリア、とりあえず、色、落とそう?」
「みんなに見せてくる!」
ちょ、それはまずいわよ!
あっ、転移装置のほうに行こうとしてる!
「やめなさい、リリア!正気に戻って!」
「どけぇぇぇぇぇぇぇ!」
えええ!?
あんたそんなこと言う人だった!?
こうなったら気絶させても止めて見せるわ!
それが友達である私に唯一できることよ!
腹に一発入れておしま―――
「はぁぁぁぁ!」
マーシャのパンチがさく裂!…しなかった。
なんとリリアはそれを避け攻撃したマーシャの腕を掴み背負い投げをしたのだ。
「えええええ!?ごふっ!」
マーシャを投げ飛ばしたリリアはそのまま転移装置へ向かい、外へ出てしまった。
「リリア…」
まさか私が負けるなんて。
火事場の馬鹿力ってやつかしら。
まぁ気の毒だけどこれで私も髪を染めなくて済むわね。
とりあえず片づけを…ってこれを私一人で片づけるの?
足の踏み場もほとんどない部屋を見てマーシャは愕然とした。
~6:30~
「や、やっと終わった」
まさか片づけだけに2時間もかかるなんて。
今日は踏んだり蹴ったりね。
晩飯ぬいて寝てしまおうかしら…。
そう思い、片づけた袋を出口付近に寄せる。
と、袋の口から赤の髪染道具が顔を出しているのに気付く。
思わず手に取った。
…そういえばリョウが言っていた赤、まだ使ってなかったわね。
時間あるしやってみようかしら。
~10分後~
「…」
…。
…。
…結構いけてる?
思ったよりいけてる。
ていうかいい。
鏡の前で後ろからの姿や前からの姿を確認しながら思う。
あいつ、人を見る目あるわね。
なんか使い方違うような気がするけど気にしない。
折角だし、しばらくこれでいってみようかしら。
で、でもそれだと私がリョウの言うことを素直に聞いたみたいでなんかねぇ…。
恋人っていう噂も立ちかねないし。
で、でもそれはそれで…って何言ってるのよ私!!
べ、別にあいつのことなんて…。
…最近おかしいわね。
あの騒動があったあたりからだわ。
やっぱりあいつのことかっこいいと思ったのかしら。
まぁ、男らしかったのは間違いないけど…。
…。
とりあえず髪の毛どうか見てもらってこようかしら。
食堂にいるといいんだけど。
マーシャは食堂に向かった。
彼女自身は気づいていなかったがその時の顔は見た人によると、とても嬉しそうだったという。
結果は…わかりますよね。
食堂行ったらいて、訊いたら高評価でデレるっていう…
マ「いなかったわよ、食堂に」
作「なん…だと!?でも続けるんだな、その髪」
マ「意見聞かないとなんかすっきりしないのよ」
作「そうですか…」
マ「(実は食堂にいなかったから映像繋いで見てもらって「いいじゃん」って言われたなんて、口が裂けても言えないわ//)」




