はじめてのもみじ。 その4
そんで、こいつが。
話しているのを聞いてみたところ。
どうやら、この男、逃げているらしい。
親から。
大学?とかいう教育機関でたんい?とやらを落としたんだと。
そんで、そのたんい?とかやらを取るためにがんばろうと思ってたらしいんだけど。
なんかよく分からん何かしらが邪魔をしたとか。
ぱちんこ?とかなんとかって言ってた。
親から借りたお金をそれで全部なくしてしまったんだとさ。
ほんで、激怒した親がこの男を捕まえるために部下に命じて男を追いかけさせたと。
車に乗って逃げてる時に謝って操縦をミスって車から飛び降りてしまって。
あの状況らしい。
「麓、ちょっと」
「ん?」
とりあえず全部聞いたところで男を置いておいて麓だけ呼び出した。
「これ助ける価値あんの?
すげぇ聞いている限り自業自得な気がしてならないんだけど」
「まー……。
私もそう思うけども。
今更どうしようもないような気がするよね」
「え、助けなきゃいいだけじゃなくて?」
「とりあえず助けるだけ助けようかなって思うよねぇ。
いや、助けるっていうか、なんていうかさー……」
「あのさー……だよなぁ」
どうすればいいんですかね、こういう場合って。
え、助けたところであいつがいい感じになるってことじゃなくて?
ん?
「助けるだけ助けようかな……って」
「お前バカだろ」
「あ?」
「すいません」
どうやら助けるらしい。
麓曰く。
何をどう助けるのかは分からないけどもさ。
「あーそういえばー。
俺っち、すげー寿司食いたい!
頼んでよ」
俺と麓が話しているっていうのに、男は大きな声でそういってきた。
すしぃ?
なんじゃそら。
「あーお茶。
ねー狐さん、お茶欲しいなー」
「………………」
麓は指をぱちんと鳴らすと呪術でお茶を入れてあげていた。
俺にもしたことないようなことしてるぞこいつ。
どうしたの大丈夫なのか。
「あー狐さん。
ついでになんか甘いものとか欲しいんだけど」
甘いものぉ?
我儘が過ぎやしませんかね。
「……ん」
麓はまた指を鳴らすと、すごい甘そうなお菓子を一つ出した。
「へー狐さん、すごいね。
あの狼さんと比べて全然違う。
あ、そうだ。
俺の家すごいお金もちなんだよ。
なんだったら、俺の家に来ない?
メイドとしてさ」
男は甘いお菓子をかじりながら麓のほっぺたを触った。
麓は少し微笑むと
「ほかに用事は?」
と男に言う。
男はじゃあ、遠慮せずにという感じで
「じゃあ布団出してくれねぇ?
あの狼さんの布団は獣臭くてしかたねーや。
人間様に合うような綺麗な布団頼むぜ」
「はいはい。
じゃあいま出すけんね」
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あざまし。
どうですかこの態度。
……むかつく。(直球




