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電波恋愛  作者: 愛夢
第一章
6/6

1-6

今はお昼休み。

5時間目は地獄の数学…。

すごくだるい。

そこで蓮が提案したこと。

「三人でさぼらねぇ?」

「賛成!大賛成!」

「ちょっとまずいんじゃないかな?」

真面目な美優は反対気味に言う。

「たまにはいいよ♪」

「そうそう!」

私と蓮は美優を説得する。

「ん~…まぁいっか」

何か吹っ切れたように美優はOKをする。

上着を着て、かばんを持つ。

蓮がクラスの子に

「俺らさぼるから」

と自信満々に告げる。

皆はポカーンとしながら私たちが教室を出るのを見送っていた。

そして先生に見つからないようにそっと抜け出す。

このスリル、緊張感がまた楽しい。

「こら、そこの三人!」

…見つかった。もう終わりだと思ったその時。

「やばっ、皆走って!」

予想外に美優が指示を出した。

美優の言葉に驚きつつも三人全力で走る。

走ってる途中先生が「待てぇぇぇ~!」と言いながら追いかけてきたのがあまりにも滑稽で思わず笑ってしまった。

学校が見えなくなった時三人は足を止め、大声で笑いあった。

「先生のあの必死の顔見た!?」

「見た見た!あれは面白すぎるっ!」

「もうめっちゃ楽しい!」

息を切らしながらも楽しそうに。

「まさか美優が逃げろって言うとは思わなかったよ~」

「俺もビックリした」

「だって普通に頭下げて謝ったらシラけるでしょ?」

美優…それはものすごく正しい選択だ。

瞬時に判断できる美優はある意味すごいなぁ。ある意味。

「んでこの後どうする?」

「とりあえず座りたーい!公園行こっ」

「んじゃ行くかー」

三人で近くの公園へ行く。

やけに静かな公園は少し切ない。

いつものようにちっちゃい子たちが遊んでないから、うるさくはないのだけど…

でもなんだか切ない…そんな感じ。

「よいしょっと…」

三人でベンチに座る。

このままどうしよっかなぁ…そう考えている。

「とりあえず遊ぶかーっ」

子供のようにはしゃぐ蓮。

「んじゃどっかカラオケでも行きますか!」

私の地元はまぁまぁ都会。

必要なものはだいたい全部揃ってる。

「「賛成~!」」

ということでカラオケに行く事になった。


カラオケ屋に着き何時間歌うかを決めた。

ガチャッ――。

個室の入り口のドアを開けると独特な匂いがする。

この匂いに包まれながらふかふかの椅子に座った。

「歌うぞーっ」

蓮が張り切ってマイクを握る。

ノリ…いいなぁ。

人見知りな私はこういうときは進んで歌えない…。

友達が2、3曲歌った後初めて歌うタイプだ。


その後何曲か歌い、あっと言う間に楽しい時間は過ぎていった。

プルルルルルルル―――。

終わりの音が鳴り響く。

会計を済ませ、外へ出る。

「んじゃ帰っか~」

「そうだね」

「ごめん、私帰り道反対方向だっ。じゃあまた明日ね!」

美優は反対らしい。

「おう。じゃーな」

「またね!」

別れの挨拶をし、蓮と二人で歩き出す。

二人供疲れたのかあまり会話がない。

いつも明るい蓮だからなんだか不安になる…。

「明日先生に怒られちゃうかな?」

私は沈黙に耐え切れず話を振る。

「怒られるだろうなー」

「三人一緒なら怖くないけどね♪」

「そうだな」

蓮はクスッと笑い…また沈黙。

帰り道がやけに長く感じる。

「あ、俺今日親いねぇからコンビニ寄ってくけど一緒に行くか?」

沈黙が続くなんて耐えられる自信がない…。

「ごめん。今日は早く帰んなきゃなんだぁ」

私は軽い嘘をつく。

こんなの無理矢理だって思うけど。

「そっか…じゃあこのまま帰るか?」

「うんっ」

「送ってやれなくてごめんな?んじゃまたな」

「ばいばい!蓮も気を付けてね!」

…なんだか罪悪感。

そんな気持ちを抱えながら家に帰る。

「ただいまぁー」

疲れきった声が家に響き渡った。

感想やアドバイスなどありましたらよかったら書き込みください。

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