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<っと…もうこんな時間か。俺そろそろ寝るから落ちるな?>
竜の言葉でバッと時計を見る私。
時刻は深夜の0時を回っていた。
時間を忘れるほど楽しいってこういう事か。
[わっ、ほんとだっ。私も落ちなきゃだ;;じゃあまた明日ね、竜兄♪]
<俺のあだ名それになったのかよwwwん、じゃあな>
―――竜雅さんが退室しました。
―――姫衣さんが退室しました。
パソコンの電源を切り、ベッドに横になった。
「やば…宿題やってないし…」
ぼそっとつぶやいた途端に睡魔に襲われる。
私は宿題をやらないまますやすや寝てしまった。
――――――――――――――
「愛莉ー。朝だから起きなさーい!」
母の大声で目が覚める。
「ん…ふぁぁ…」
大きな欠伸をし、パジャマのまま居間へと向かう。
朝ごはんのいい香りがする。
自分の椅子に座り、少し寝ぼけた声で「いただきます」を言い食べ始めた。
「愛莉おはよう。」
「ん…おはよぉ~…」
いかにも寝起きですという声で挨拶をする。
朝が弱い私は無言でご飯を食べる。
箸でから揚げをつまみ口へ運ぶ。
朝ごはんを食べ終え自分の部屋で制服に着替える。
歯を磨き髪を梳かす。
上着を着て、マフラーをし、かばんを肩に下げ、玄関へ行き「いってきます」と告げドアを開けた。
「寒っ!」
今日、外に出ての第一声。
「お、愛莉ぃー」
「蓮おはよぉ。寒いねっ」
「そうか?」
…あれ?
蓮、鼻と耳が真っ赤…。
もしかして外で待っててくれたの?
「蓮、外で待ってた?」
「ん…まぁな」
「家に入ってよかったのに…」
「だってビックリさせてぇだろ?」
蓮はにかっと笑う。
「もう…風邪ひくでしょーっ」
私は頬を膨らませ拗ねたフリをして先に歩き出す。
「わりぃわりぃ。心配どうもな」
「心配なんかしてないし~」
「そうですか」
蓮はふふっと微笑んで私の頭を撫でる。
普通はここでだいたいの女子が恋に落ちるだろう。
でも私と蓮は幼馴染だから、こんなの日常茶飯事。
昔っから私が拗ねたり怒ったりすると蓮は私の頭を撫でる。
するとなぜか「まぁいっか」という気分になる。
でも正直、他の女子達にどういう目で見られているか不安なんだけど…
蓮と一緒に登校していると美優の後姿が見える。
私は走って美優を追いかける。
「美優~」
「あ、愛莉!おはよう」
微笑む美優。
すごく大人っぽい笑顔…。
「よっ、美優」
「あ、蓮もおはよう」
挨拶を交わし三人で登校する。
ここらへんに来ると通ってる学校の生徒が増えてくる。
友達などに挨拶をし、学校に着く。
今日もまた平凡な一日になりそうだ。
感想やアドバイスなどありましたらよかったら書き込みください。




