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すくっとベットから起き上がり着替えをする。
てきとーに動きやすい服装を選んで机の前に座る。
目指すはパソコンの起動ボタン。
"ポチッ…ウィーン"
心地よい音が鳴りパソコンの熱が風となって私にあたってくる。
パソコンが立ち上がりインターネットを繋ぐ。
慣れた手つきであのチャットルームを開いた。
1ヶ月も経ってないのによくここまで慣れたなぁと自分でも思う。
あの頃分からなかった『w』の意味は『(笑)』の省略なんだって。
カタカタッ――。
リズミカルに文字を打った。
[来たよー]
<おー、姫。ばんわー^^>
姫とはネット上での私のあだ名。
姫衣という名前に『姫』と入っているからとわがままだからと言われた。
[今日は竜一人だけ?]
<俺だけじゃ気に食わないって?ww>
[そんなことないよwww]
こんな普通な話が私にはすごく楽しかった。
<そうか~?>
[ホントだってばぁ]
<お前妹みたいだなw>
[んー、そう?ってか妹いたんだw]
<いねぇよw俺は一人っ子。なんか妹っぽいからさ>
[ふーん…。じゃあ竜兄だねっ♪]
この頃だったかな。
あなたに少し近づけたのは。
でも、そんな期待もいっきに崩れるなんて。
こんなにも自分の中のあなたの存在が大きかったなんて。
私はこれっぽっちも思ってなかったよ。
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