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転生リセマラ100回目でやっとSSR人生引けたので今度こそ失敗しない人生を!

作者: 桜木ひより
掲載日:2025/10/17

俺の名前は山田リョウ。

そして、これで99回目の死を体験した。


「ぐはっ...」


魔物の爪が、俺の胸を貫いているのが暗くなりつつなる視界の中でうっすらと見える。


でも、もうこの痛みも慣れた。

意識が遠のいていく。


「また...ダメだったか...」


今回の人生は、平民からのスタートだった。


魔法の才能もなく、剣の才能もない。

必死に生きて、20歳まで生きた。


そんな人生も魔物に襲われてあっけなく終わり。

今回の人生はハズレだった。


「次こそ...」

俺の意識が途切れた。


そして。

気がつくと、真っ白な空間にいた。


ここは転生ガチャの空間。

もう何度もみた景色だ。


目の前には、巨大なガチャ画面が浮かんでいる。


『おかえりなさい。これでここに来るのも通算99回目ですね』


脳内に直接、機械音声のような声が流れた。


「ああ...お前の声ももう聞き飽きたよ」

俺は溜息をついた。


これで99回。

99回も転生とそのたびに死を繰り返してきた。


最初の人生は、奴隷スタートだった。

なにも変えられることができず、人間扱いもされなくて10歳で過労死。


二回目は、まあまあな貴族の三男。

結構アタリかと思っていたが、魔法の才能ゼロで、家から追放されて野垂れ死に。


三回目は...。

もう多すぎて思い出すのも嫌になってきた。


とにかく、今までの人生は全部結果としてはハズレだった。


『次の転生を行いますか?』


「ああ、頼む」

俺はガチャ画面に手を伸ばした。


『転生ガチャを回します』


画面が回転した。


そして、結果が表示される。


『N: 平民の子』


「またかよ...」


俺は右下に小さく「やり直す」ボタンがあることに気付いた。

今までこんなボタンはなかった。


「なんだこれ?もしかしてリセマラボタンか?」



そのボタンを押してみる。

すると画面がリセットされて、もう一度ガチャが始まった。


『R: 商人の子』


「悪くないが、これもうまく立ち回らないとすぐダメになる、もう一回だ」


また「やり直す」ボタンを押す。


『N: 孤児』


やり直す。


『SR: 騎士の子』


「...悪くないけど、微妙」


やり直す。

何度も、何度も。


50回。


60回。


70回。


全部、今までうまくいかなかったハズレ人生だらけで納得がいかない。


「俺は楽して無双!みたいなSSRの人生が欲しいんだよ...」


俺は諦めなかった。

今まで転生ガチャにやり直すボタンなどなく、99回も転生してきた。


次が転生100回目だ。

区切りがいい。絶対にいい人生を当てたい。


「そろそろSSRが出てくれ、頼む!」


目をつぶりながらガチャを回す。


『N: 農民の子』

まただめだった。もう一度やり直す。


「も、もう一回!」


『R: 貴族の末っ子』

やり直す。


「もう一回!」

何度も、何度も。


そして。


100回目。


「これで最後...頼む...」


俺は祈りながら、ガチャを回した。


画面が回転する。

気のせいか、いつもより光が強い。


「...まさか」


そして。

画面に虹色の光が溢れた。


『SSR確定!おめでとうございます!』


「やった...!」


俺は叫んだ。


ついに。

ついに引けた。


SSRの大当たり人生を。


画面に、次々と情報が表示された。


『SSR: 王国第二王子』


『スキル: 全属性魔法』


『スキル: 成長速度1000倍』


『スキル: 無限MP』


『スキル: 全ステータスMAX』


『スキル: レベル上限なし』


『スキル: 強靭な体』


『特典: 王族の血統』


『特典: 美形確定』


『特典: 幼馴染(美少女)』


『特典: 未来知識』


『特典: 無限アイテムボックス』


『特典: 全言語理解』


「...全部盛りじゃねえか!」


俺は画面を何度も見返した。


間違いない。

これは、完璧なSSR人生だ!


『転生を開始しますか?』


「ああ、頼む!」

俺は即答した。


『それでは、転生を開始します。幸運を』


光に包まれた。


そして。

気がつくと、柔らかいベッドの上にいた。


「...ここは」


部屋を見回す。

豪華な装飾。

大きな窓。


明らかに、金持ちの部屋だ。


「成功した...」


俺は立ち上がった。


鏡を見る。

そこには、7歳くらいの男の子が映っていた。


金髪、青い瞳、整った顔立ち。


「美形確定...マジだった」


俺は自分の体を確認した。

小さい。


でも、力が漲ってる。


「ステータス」


呟くと、目の前に半透明の画面が現れた。



名前: ノア・アルトリア

年齢: 7歳

職業: 王国第二王子

レベル: 1


HP:999999/999999

MP:無限


力:999999

魔力:999999

体力:999999

素早さ:999999

運:999999


スキル

全属性魔法 Lv.MAX

成長速度1000倍

無限MP

不死身の体

未来知識

無限アイテムボックス

全言語理解


「...やばい」


これは、チートすぎる。


でも。

「慎重にいかないと」


俺は99回の失敗から学んだ。

最初に調子に乗ったら、終わりだ。


この力を、見せびらかしてはいけない。


「普通の子供のフリをしよう」


その時、ドアがノックされた。


「ノア様、お目覚めですか?」

女性の声。


「ああ、はい」


ドアが開いて、メイドが入ってきた。


「おはようございます。今日は、公爵家のお嬢様が遊びに来られます」


「公爵家の...」


「はい。幼馴染のエリア様です」


幼馴染!

確かSSRの特典だ。


「分かった。準備する」


「お着替えをお手伝いします」


メイドに服を着せてもらって、俺は居間に向かった。


そこには、一人の少女が待っていた。

金髪のツインテール、大きな青い瞳。


そして、めちゃくちゃ可愛い。


「ノア様!」

少女が駆け寄ってきた。


「お久しぶりです!」


「あ、ああ...久しぶり、エリア」


「今日は一緒に遊びましょう!」


エリアが笑顔で手を取ってきた。


俺は内心、驚いていた。

これが、SSR人生か。


幼馴染が、こんなに可愛いなんて。

前の99回の人生では、考えられなかった。


「今度こそ...この人生を、大切にする」



エリアに誘われて、城の庭で遊んだ。


「ノア様、鬼ごっこしましょう!」


「いいよ」


俺は普通の子供のように走るフリをした。

本当は全速力なんて出してない。


ステータスMAXだから、本気出したら音速を超えてしまう。

そんなことをしてしまったら神童として注目を集めてしまうとかの次元ではない。


「待ってー!」

エリアが笑いながら追いかけてくる。


俺は慎重に力を抑えながら普通の子供のように走っていた。


「捕まえた!」

エリアが俺に抱きついた。


「ノア様、すっごく走るのが早いです!」


「そうかな」


俺は苦笑した。

これでも全然本気は出してないんだけどな。


遊び終わって、二人で木陰で休むことにした。


「ノア様って、魔法は使えますか?」

エリアが聞いてきた。


「魔法...?」


「はい。私、最近火の魔法が使えるようになったんです」

エリアが手のひらに小さな炎を出した。


「頑張ったんです!すごくないですか?」


「すごいね」


俺は素直にエリアを褒めた。

確かに、7歳で魔法が使えるのはなかなか天才だ。


「ノア様は?」


「俺は...まだ魔法は使えないかな」


嘘だ。

全属性魔法がMAXレベルでそこら辺の魔法使いより強い。


でも、エリアにも見せるわけにはいかない。


「そうなんですか...残念」

エリアが少し寂しそうにしていた。


「でも、いつか使えるようになりますよ!」


「ああ、頑張る」

俺は笑顔で答えた。


エリアが帰った後、俺は一人で部屋で考え事をしていた。


「未来知識」

スキルを発動すると、頭の中に情報が流れ込んできた。


この世界の未来が見える…


3年後、魔物の大襲撃が起こる。

この王都が危機に陥る。

そして…多くの人が死ぬ。


「...止めないと」


でも、どうやって?

5歳の子供が「未来が見える、3年後に魔物の大襲撃が起こる!」

なんて言っても、信じてもらえない。


「俺一人で準備するしかない」


俺は決めた。

こっそりこの世界を一人で守れる力をつけ、3年後に備える。


翌日から、俺は毎日森に向かった。


他の人には「魔法の練習をする」と言って、一人で。

森の奥に進んだところで、人目のないところを見つける。


「よし」

俺は手を伸ばした。


「ファイアボール!」


巨大な火の玉が現れた。

そして、目の前の大木を一瞬で焼き尽くした。


「これはやばいな...」


子供でも使える下級魔法でこの威力。

全属性魔法レベルMAX、恐ろしすぎる。


「氷の槍」

氷の槍が無数に現れて、地面に突き刺さった。

地面には無数の大きな穴が開いた。


「風刃」

風の刃が木を瞬時に切り裂いた。


全部、一瞬で発動できる。


「これが、SSRの力か...」


でも、俺は慎重に行動することを決めていた。

「この力、絶対に誰にも見せちゃダメだ」


99回の失敗から学んだ。

力を見せびらかしたら、沢山の注目を浴び、妬まれ、狙われる。


そして…殺される。


だから、隠す。

完璧に。



それから毎日、森で魔法の練習を続けた。


俺は全属性の魔法が使える。


火、水、氷、雷、風、土、光、闇。


この世界では様々な属性の魔法を習得するだけでも人生を捧げないと難しいらしい。

だけど俺は最初から全部、MAXレベル。これがSSR人生の力か…


「アイテムボックス」

呪文を唱えると、無限の収納空間が空中に開いた。


試しに、落ちていた石を入れてみる。


石は異空間の中に消えた。


そして、その空間に手を入れ、取り出す。


さっき入れた石が出てきた。


「これは便利すぎる...」


俺はこの中に、色々なものを溜め込み始めた。

食料、沢山の武器、防具、魔法の本、回復ポーションなど、ありとあらゆる物を。


「3年後のために、準備しないと」


未来知識によると、魔物の大襲撃は規模が大きすぎる。

今の王国の軍隊だけでは、到底防げない。


「でも、俺が目立ってしまうわけにはいかない」


悩んだ。


どうやって、人々を救う?

どうやって、目立たずに?


その時、後ろから声がした。


「ノア様、ここにいたんですね」


「エリア...」

俺は焦ってアイテムボックスを閉じ、振り向いた。


「毎日ここに来てるって聞いて、無理していないか心配で」


エリアが心配そうに俺を見た。


「大丈夫?」


「ああ、大丈夫。エリアみたいに魔法を使えるようになりたいんだ」


「本当に?」

エリアが近づいてきた。


「ノア様、私に何か隠してませんか?」


「え...」


「最近、なんだか様子がおかしいです」


「いや、俺は何も...」


その時、背後から魔物の咆哮が聞こえた。


「エリア、危ない!」


俺はエリアを抱えて、飛び退いた。


そこには巨大な狼型の魔物が立っていた。


「ノア様...!」


エリアが今にも泣きそうになりながら震えている。


俺は考えた。

ここで、魔物を倒さないと、エリアも俺も危ない。

でも…エリアがいるから全力は出せない。


「仕方ない...少しだけ」


俺は手を伸ばした。


「ファイアボール!」


俺は手から小さな火の玉を放った。

本気なら山を吹き飛ばせるけど、練習したから威力を1%くらいに抑えることができる。


でも、それでも十分だった。

魔物が燃え上がって、倒れた。


「ノア様...魔法、もう使えたんですか?」

エリアが驚いている。


「あ、ああ...実は、エリアを驚かせたくて内緒にしてたんだ」


「すごいです!」

エリアが目を輝かせた。


「でも、これは秘密にしてくれ」


「え?どうして?」


「まだできるようになったばかりで、完璧じゃないんだ。

他の人達にはもっとできるようになってから驚かせたいんだ」


嘘だ。

完璧すぎるくらい完璧だ。

でも、隠さないと。


「分かりました!秘密にします」

エリアが笑顔で頷いた。


「ノア様と私だけの秘密ですね」


「ありがとう」


俺はほっとした。


これで、これからは少しだけ力を見せられる。

でも、本気は出さない。

慎重に、慎重に。


それから2年が経った。


俺は9歳になった。

表向きは、普通の王子として過ごしている。


でも、裏ではこっそり準備を進めていた。


魔法の訓練。

剣の訓練。

アイテムの収集。


全部、人目につかないようにひっそりと。


「ノア、お前には魔法の才能があるそうだな」

父、つまり国王が言った。


「まだ少しだけです」

俺は謙虚に答えた。


「謙遜するな。教師たちが褒めていたぞ」

確かに、俺は魔法学校で優秀な成績を収めている。


でも、もちろん本気は出していない。


クラスで2番目くらいの成績にしている。

1番だと目立つから。


「兄さんには敵いません」


第一王子、アルベルトは天才だ。

12歳で上級魔法が使える。


でも、俺から見れば、まだまだ。


「お前も、いずれアルベルトに追いつくだろう」


「頑張ります」

俺は笑顔で答えた。


内心では、(もう追い越してるけどな…)と思っていた。


ある日、エリアが城に遊びに来た。


「ノア様!」


「エリア、久しぶり」


「最近、全然会えなくて寂しかったです」

エリアがむくれた顔をした。そんな顔も可愛いが。


「ごめん。勉強が忙しくて」


「もう!」


エリアが俺の腕を引っ張った。


「今日は一緒にいてください!」


「分かった分かった」


俺たちは庭で話した。

「ノア様、魔法の方は上手になりましたか?」


「まあ、少しは」


「見せてください!」


エリアがおねだりしてきた。


「ここで?」


「はい!」


仕方ない。

俺は手を伸ばした。


「ウォーターボール」


水の球を作った。

もちろん、威力を0.1%に抑えて。


それでも、綺麗な水の球ができた。


「わあ、綺麗...」

エリアが目を輝かせている。


「ノア様、天才です!」


「そんなことないよ」

俺は謙遜した。

(本気出したら海を作れるけどな)


エリアが俺の手を握った。


「ノア様、私、ずっとノア様の側にいたいです」


「え...」


「将来、ノア様のお嫁さんになりたいです」


エリアが顔を赤くした。

俺もつられて顔が熱くなった。


「それは...まだ早いんじゃ...」


「早くないです!」

エリアが強く言った。


「私、もう決めてるんです」


「エリア...」


「ダメ、ですか...?」

エリアが上目遣いで見てきた。

ずるい、そんな顔をされると…断れない。


「ダメじゃない、けどまだ子供だし...」


「じゃあ、大人になったら!」


「...うん、約束だ」


俺は頷いた。


エリアが嬉しそうに笑った。

SSR人生、最高だな。



そして、1年後。運命の日が来た。


俺が10歳になった頃。


未来知識で知っていた、魔物の大襲撃。

その日の朝、突然空が暗くなった。


「これは...」


俺は城の窓から外を見た。

地平線の向こうから、黒い影が迫ってきていた。


全部魔物の大群だ。


「警報!魔物襲撃!」

城中が騒然とした。


兵士たちが配置につく。

魔法使いたちが準備する。


でも、俺は知っている。

この規模の襲撃は、防げない。


多くの人が死ぬ。


「...準備が間に合わなかったか。仕方ない…」


俺は決めた。

この力の本気を出す。

とはいえ、全力じゃない。

7割くらいで。


もう注目を浴びてしまうが、みんなを守るためだ。

仕方ない。


俺は城の外に出た。


「ノア王子、危険です!」

兵士が止めようとした。


「大丈夫。俺だって王家の人間だ。国を守らないと」


「で、でも...」


その時、魔物の第一波が街に到達した。

巨大な獣、飛行する怪鳥、地を這う蛇。


数百匹が一斉に襲いかかってきた。


俺は手を伸ばした。


「全属性魔法、展開」


同時に、8つの魔法陣が現れた。

火、水、氷、雷、風、土、光、闇。

全ての属性の魔法陣の光が合わさって虹色になっていた。


「一斉放射」


魔法陣から、それぞれの属性の攻撃が放たれた。


降り注ぐ火球の嵐。

魔物を凍らせる氷の槍の雨。

怒りの雷の網。

吹き付ける風の刃の群れ。

国を守る土の壁。

光の守りのベール。

闇が渦巻く毒と足止めの煙。


全てが同時に発動した。

そして魔物たちが、一瞬で消滅した。


「な...」

周りの兵士たちが口を開けて呆然としている。


「ノア王子...?」


「まだ、終わりじゃない」

俺は空を見上げた。


第二波が来る。

もっと、比べ物にならない強い魔物たち。


「来い」


俺は戦い続けた。

何百、何千の魔物を倒した。


でも、まだ全力じゃない。

7割の力。

これだけでも、魔物を倒すには十分すぎる力だった。


数時間後、魔物の襲撃は終わった。

全て、俺が倒した。


城や街は無傷。

もちろんけが人や死者はゼロ。


「ノア王子...」

兵士たちが跪いた。


「貴方は...貴方様はこの国の英雄です」


「いや、大したことじゃ...」


「何を言ってるんです!あなたが一人で、全ての魔物を!」


国王が俺の前に来た。


「ノア、お前がこんなに強かったとは...」


「あ、あの...」


「よくやった。お前は王国の英雄だ。この国を守ってくれてありがとう」


周りから称賛の声と拍手が止まらない。


俺は複雑な気持ちだった。

できるだけ目立ちたくなかったのに。

これで、良かったんだろうか。


その時、エリアが駆け寄ってきた。


「ノア様!無事で...」

エリアが泣きながら抱きついてきた。


「心配しました...」


「ごめん、心配かけて」


「でも...すごかったです」

エリアが顔を上げた。


「ノア様、かっこよかったです」


「ありがとう」


あの魔物襲撃から一週間。


俺は、王国の英雄として称えられていた。


でも、俺は相変わらず慎重だった。


「まだ本気は出してない」


あの時、使ったのは7割。

残り3割は、まだ誰にも隠している。


「調子に乗ったら、また失敗する」

99回の経験が、俺に教えている。


謙虚であれ。

慎重であれ。

油断するな。


「ノア」

父が俺を呼んだ。


「お前の功績を称えて、地位と領地を与える」


「ありがとうございます」

俺は頭を下げた。


「だが、油断するな」


「はい」


「まだ若い。これからも精進しろ」


「分かりました」


俺は部屋に戻った。


窓から外を見る。

平和な王都。


「この平和、守らないと」

俺は決意を新たにした。


SSR人生。

でも、それに甘えない。


慎重に。

着実に。

この人生を、大切に生きたい。




それから数年が経ち、俺は18歳になった。

そして魔法学校を首席で卒業した。


でも、まだ本気は出していない。


「ノア様」

エリアが俺の隣を歩いている。

18歳のエリアは、ますます美しくなった。


「何?」


「将来のこと、考えてますか?」


「将来...?」


「はい。私、ずっとノア様の側にいたいです」


エリアが俺の手を取った。


「約束、覚えてますか?」


「ああ」

俺は頷いた。


「大人になったら、お嫁さんにしてくれるって」


「覚えてる」


「じゃあ...」


エリアが顔を赤くした。

「待っててください」


「ああ」

俺は微笑んだ。


SSR人生。

100回目でやっと引けた、完璧な人生。


チートな力。

美しい幼馴染。

王族の地位。

全てが揃っている。


でも、俺は油断しない。

99回の失敗と経験が、俺を慎重にさせている。


「今度こそ、この人生を無駄にしない」

俺は空を見上げた。


いつか、この力の全てを使う日が来るかもしれない。

でも、それは今じゃない。



「慎重に、着実に」


俺は歩き続ける。

SSR人生を、大切に生きていく。


【完】

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