タイトル未定2025/10/10 07:45
見渡す限りの汚れ、それは時に赤、時に青、時に緑。この3つの色以外はあの日が来るまで見たことがなかった。
私はそれが段々と人の醜い感情から来ているのだとわかってきた。
赤は憎悪、青は嫉妬、緑は愛されたいという欲求。
一番危険なのは赤、次に青、そして最後に緑。
愛されたいという欲求は一気に憎悪へと変貌する。
いままで見てきた緑の汚れを持っていた人間はそんな人間しかいなかった。
最初に汚れを見たのは生まれた瞬間だった。
母親の緑色の汚れ。
まるで、私を人間ではなく道具としてしか見ていないようなそんな目。
現にあの人にとって私は欲求を満たす道具にしか過ぎなかったのだろう。
最初は父親に愛されるための道具、次に自分が可哀そうという感情に浸るための道具、そして最後に自分が愛されないのはお前のせいだという道具に過ぎなかったのだ。
次に見たのは、父親の汚れだった。
幸いなことにその時には1親等の人間しか汚れは見えなかったから、見える人が全て汚れでいっぱいということはなかった。
父親は母親が妊娠が発覚していなかった一ヶ月とかそのへんから私が3歳頃まで海外へ単身赴任していた。
だから、3歳になるまでは父親に会ったことはなかった。
初めて父を見た時、全身に赤色の汚れが引っ付いていた。
彼は私をただ単に人間としてみていなかったんだと思う。
理由は、私は過期妊娠で生まれたから父親は浮気を疑ったのとアルビノではないのに赤色の瞳と白髪を持っていて気味悪がったからだ。
父は私を見るなり、母に告げた。
「お前とは離婚する。」
一瞬の沈黙が走った。
しかしその沈黙は母の絶望に近い怒りによって破壊された。
「なんでよ。あなたの望み通り子供も産んだ。そしたら愛してくれるって言ったじゃない。しかも私何も悪いことしていないじゃない。」
父はそんなこともお構い無しに無表情で淡々と言う。
「まず第一にお前と結婚したのは仕方なくだ。
両親が孫の顔がみたい早く結婚しろってうるさかったから、たまたまそのタイミングで告白してきたお前と結婚した。子供がほしいと言ったのもその理由だ。まっ、かんじんの両親も亡くなっちまったがな。
そして、第二に俺はお前に子供を産んだら愛していやるなんて言っていないぞ。
ただ、子供が生まれたらゆっくり旅行にでも行こうと言ったんだ。
後、お前は悪いことをしていないと言っているがお前不倫しただろ。だから、離婚するって言っているんだ。」
父はそういうと緑色の紙を置いて玄関の方へ向かった。
「ちょっと、待ってよ。不倫の証拠はどこにあるの?私は不倫なんかしていない。」
母は藁にすがる思いで父の足を掴んだ。
それでも父は冷ややかな目で母を見つめ
「そいつの目と髪の色を見れば分かるだろう。それがお前は海外の人間と不倫しているっていう証拠だ。じゃあな。」
父はパタンとドアを閉めた。




