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資料編13 第一級神霊309-2021-12号『餓鬼道群体』

     ……………


 南極卿財団神霊管理目録番号309-2021-12号、通称『餓鬼道群体』、目録から一部抜粋。


概要

 2021年1月1日、3時45分、南極卿執務室より『予言』が記録。2040年12月31日までに生する事象の中で確実に発生する事象、およびそれに関連した魔術師、魔術、神霊、秘匿物品の情報が示された。その中で発生が予見された神霊の一体である。

 複数人の人間の肉体を生贄儀式で強引に統合し一つの肉体として神霊の霊魂を降霊した存在。生物的実体を持つことにより霊体以上の魔力回復能力を獲得。霊魂の特殊性と複数人の肉体を乱雑につなぎ合わせた事から肉体の機能のほとんどは魔術や魔力によって無理に駆動しておりどれだけ身体が破壊されても魂を動かす魔力がある限り死ぬことは無く、再生し続ける。

 仏教における『餓鬼』を信仰の母体としており、様々な種類がある事からそのうちの一種である『神通餓鬼』の遠隔神通力を再現した魔術や、様々な分身体を駆使して攻撃を行う。複数人の脳を処理装置として利用しており複雑な魔術を一瞬で成立させ、戦闘中に成長し続ける特性も持つ。

 また、人間の肉体から構成されている特性上、更なる供物を求めてより強い魔術師や人間の肉体を取り込もうとする性質を持つ。魔力を一定以上操る人間は身体の魔力順応から簡単に魔術によって肉体を神霊の肉体へと取り込むことは難しく、神霊はその取り込もうとしている魔術師の精神に干渉してくる。魔術と魔力は精神、とくに意志の作用が大きいため、魔術師本人の精神が崩壊もしくは懐柔されることでその抵抗力は大きく低下するのだ。

 本来の餓鬼は低級な霊魂であるが、その知名度と召喚儀式において生きたまま魔術によって身体を『統合』された五人の怨念と魔術師複数人が半月近くかけて魔力を注ぎこんだ強力な魔術儀式によって、餓鬼の概念を広範に含んだ強力な神霊が生まれた。

 

・能力評価

B評:≪第一級評価≫:常に魔術と魔力操作によって肉体を統合していることから異常な速度で魔力順応を果している。また、肉体の再生能力や神霊であることから生命活動が不要などの特徴を生かし、血や肉といった自身の肉体の一部を魔術の触媒として効率的に攻撃を行う。


I評:≪特別指定級評価≫:五人分の脳を並列的に結合し処理装置として利用することによって高速で複数の魔術を同時に操ることができる。時間を経るごとに単なる低級霊である餓鬼の知能からどんどん成長していく点も特筆すべき事項である。


M評:≪第一級評価≫:様々な種類の餓鬼と呼ばれる存在への恐怖や悪感情が魔力の源泉となっている。肉体を維持するために魔力を消費する必要があるものの、肉体による魔力の回復能力や霊体の維持が必要ないことなどから通常の霊体を持つ神霊以上に効率的で強力な神霊と言える。


S評:≪第一級評価≫:魔力感知は半径2km圏内を自在に把握することが可能であり、遠隔魔術攻撃に長ける。集中し魔力消費を増幅させることで地下十数メートルの感知さえ可能となっている。並の魔術はすぐに看破され解呪や封印が施されるので近接での間髪を入れない魔術攻撃などが有効と考えられる。


P評:≪第二級評価≫:攻撃の予測や危機察知に関して、成長性を示しており戦闘の最中で向上する可能性を持つ。現状、予知能力は戦闘技術の範囲にとどまっている。


T評:≪第二級評価≫:複雑な魔術を高速で複数操る情報処理能力に見合った魔術・魔力操作技量を示す。身体魔力順応が向上するにつれて魔力の効率自体も上昇していくためこちらも成長の可能性がある。


総合:≪第一級相当≫:肉体を持つ神霊としての成長性や並列処理能力など、注視して対処すべき事項が多い。特別指定級魔術師の監督の下、第一級魔術師3人以上での対処が望ましい。


・神霊詳細情報

種別:信仰実体式自律神霊

最大魔力量:309kg

強度:309Mt

発生時期:2021年6月15日

発生場所:日本、北海道、胆振地域、阿嘉霧市、谷地町

使用魔術:第一級封印術、第一級介入術。衝撃波を操る魔術。肉体を操作する魔術。肉体の一部に触れた対象に魔術的刻印を与え、対象を結界内に押し込める魔術。肉体を利用した結界。結界内の対象に幻覚を見せ、精神支配を行う魔術。

召喚魔術消費魔力量:309kg

南極卿財団による対処の必要性:なし

秘匿保障委員会への指令:現状不能

特筆事項:事前に術者・溝呂木タクヤに対処する根拠が不足。2022年4月以降、日本魔界府の機能が一時的混乱による不全に陥る可能性が高くそちらへの対処が優先されるため対処は不可能。


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