魔術資料2 魔術と呪術についての解説資料
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魔術
言語によって構成される情報体。魔術的結合を指す。
術者の思考した言語と発生した言語、記述した言語などが魔力によって紡がれたものが『魔術的結合』と呼ばれる現象として現れる。『結合』が結びつくもしくは充満する空間内において記述した術者の内容が顕現する。ただし実現には記述した際に使用された魔力が消費されるとともに記述した言語、思考した言語、発声した言語、身体的動作等を含む儀式に伴う魔力も消費される。
魔力の本質は情報量であり、他者によって何度も反復された文字や行動、儀式ほど強力なものとなる他、強い感情や意思が伴う行動や言葉、文字ほど強力な魔力を発し、儀式や効果顕現に伴う術者本人の魔力の消費は抑えられ、効果はより強力なものとなる。
魔術の行使は術者本人の魔力が重要であり、続いて術に組み込まれる言語や行動が引き出す本人や過去の他者の意思が重要である。
魔術結合にはいくつかの種類があり、呼び分けられている。種類は基本的に魔術結合の内容で決定する。魔術結合は文章で構成されている。(魔術結合の長さが長大であったり、空間内を満たす場合文章全てを反復して示される)
・古典的魔術
中世以降、複数の魔術を意味的に結合させる技術が確立される以前の多くの魔術が該当する。また、民俗学で魔術とされる宗教儀式などはここに該当する。自然発生の魔術も多くここに該当する。主に文章自体が魔術の全てであり、少しでも寸断・書き換えなどが行われれば魔術が変質し動作しなくなるほどに解呪が容易。その代わり呪文も一言で終わるものも多く、儀式の省略も比較的簡単にできるため無詠唱を操る者の多くはこの古典魔術を納めるという。
・呪術
人間の複雑な感情や意思が儀式や呪文、魔力によって力を得たもの。多くの場合死者の怨念が霊魂として残るものがこれに該当する。その他にも祈祷など術者本人の意思が関係する魔術はここに該当する。魔術結合の文章の特徴としては一つの詩集のような文章となっており術者の心象風景などを表す部分が追加される場合もある。近代魔術の参照元となった術でもあるためある程度複雑な術構成を持ち、術式効果を示す箇所を的確に無力化するか術式の一部を意味するところが変わるように変質させない限り解呪・封印ができない。多くの場合一つの言語で構成される。
・近代魔術
中世以降に確立された複数の魔術を統合する近代的な魔術理論に基づく術式。近代においては呪術理論の解析も進み呪術も近代魔術の統合対象とされた。現代においても基礎は近代魔術にあるため現在最も利用されている魔術形式とも言える。この近代魔術によって、魔術術式は複雑を極め、一人一人が特殊な魔術を用いる様な現代の様相へと時代は変化していくこととなった。
・単言語魔術
近代魔術形式の中で一つの言語で構成された魔術。母語であれば扱いやすく、また、同一の言語で複数の魔術を統合しても威力は減衰しない、僅かな魔力でも強力な魔術を発動可能。単一言語であるため知識さえあれば容易に解呪可能である他、文章からの内容推察も容易である。
・複数言語魔術
近代魔術形式の中で、二つ以上の言語で構成された魔術。術者がそれぞれの言語が示す意味内容を把握している必要がある他、通例言語を追加するほどに効率が低下し必要消費魔力が増大する。記述の複雑化なども発生するため基本的に避けられるが、一部の魔術専用言語や古代語、儀式用言語などはその特殊性から消費魔力量を減少させる場合がある。
・呪術型統合魔術
記述形式が心象風景など情緒的な呪術の形式を基本とした魔術。自身の魔力を通常の魔術記述形式以上に効率良く利用できるため、現代においては三級術師以上の技量を持つ術師は基本的にこの形式を利用する。
・並列型統合魔術
複数の魔術を統合する際、それぞれを並列的に結合する魔術。一方の術が解呪されても他方の術は持続する。直列型を複数、並列統合した場合もこの型に該当する。直列型と比較して複雑な術の運用を可能にし、解呪に対しても強い耐性を持つが、記述量が長大となる傾向がある(詠唱・術式完了までの時間が長い)ほか、直列型以上に複数の魔術の統合が弱く比較的効率が悪く多くの魔力量を必要とする。
・直列型統合魔術
複数の魔術を統合する際、それぞれを直列的に統合する魔術。複数魔術の効果を統合することで術者の求める効能を持つ魔術を成立させる近代魔術であるが複数の魔術のうち一つでも封じられれば連鎖的に解呪される。その代わり魔術の統合は強固であり比較的効率が良く消費魔力量は少ない。記述量も並列型統合と比較して少ない。
・構造化統合魔術
主要となる意味内容を中心としてダミーの文章を入れる事や魔術効能を担う文章を広く分散するなどの記述の構造化が行われる魔術。内部に並列・直列型統合魔術を組み込んでいる。並列型統合魔術以上の解呪耐性と消費魔力量であり、記述も膨大になる傾向がある。魔導機械や物品への魔術付与、領域術や護符など長時間の準備を要する術式や複雑な効能を必要とする魔術において利用される。単なる並列型統合では一定の魔術複雑性を越えると記述量が膨大となるが、構造化した場合かなり複雑な術であっても単なる並列統合より効率的に記述できるという利点もある。発動条件の調整や機能の多様化によって加速度的に記述量が増大する近代の魔界であったがこの構造化統合によって魔術の汎用性はさらに広がった。
・総合型統合魔術
呪術型統合と各魔術統合方式を複合的に利用した魔術を指す。殆んどの場合呪術型統合の形式を構造化統合を併用する。より高度な記述となるため文章構成や構造について注意が必要。解呪の難度は最上級であり、様々な術式を統合し複雑な魔術用件を確立することが可能であるが非常に複雑な文章構成となり、その場で組むことはほとんど不可能に近しい。身体や脳にしっかりと文章内容を叩き込まない限り長大な魔術の本文は不完全な形で結合になり不発となる。こうした複雑を極める術式は基本的に物品などに付与される。
だが、一部の天才は脳内で構造を把握し、あるいは自然に構造を理解し、その場でこの総合型統合魔術をくみ上げる神業をやってのける。基本的のそのような神業を持つ技能は特異指定存在として認可される。
魔術の条件操作
現代において魔術の発動条件や効能は様々な古典魔術を統合し呪術的な記述形式を盛り込むことでほとんど術者の自在に操作できる。だが、条件付けを厳しいものにすることで呪術的効能によって魔術の消費魔力量が軽減され、強度が向上する。また、条件・効能の変更は記述の増大により言語や論理構造での整合性を保つこと、介入を防止すること、記憶することが困難になっていくため術者自身の知識と技量が試される点でもある。一部の魔術師はその点を幾つかのテクニックを駆使して負担軽減を進めている。




