資料19 第1級神霊103-2021-3号、通称『大津悪龍』
南極卿財団神霊管理目録番号103-2021-3号、通称『大津悪龍』、目録から一部抜粋。
概要
2021年1月1日、3時45分、南極卿執務室より『予言』が記録。2040年12月31日までに生する事象の中で確実に発生する事象、およびそれに関連した魔術師、魔術、神霊、秘匿物品の情報が示された。その中で発生が予見された神霊の一体である。
東アジア文化圏における水神信仰、龍神信仰において描写される『龍』の姿を持つ神霊。鱗と角、爪等まで白く染まった白龍であり、その全長は100メートル近い。
その根源となる要素としては日本書紀、懐風藻などで語られる無念の末路を遂げた皇族、『大津皇子』であり、それにまつわる『怨霊伝説』『龍神伝説』『天神伝説』を中核としている。
大津皇子の墓や弔いの伝説残る各地での儀式が施された人工的な魔術による神霊である可能性が高く、また人工神霊とは思えないほどの強度を生む高度な術式効果が付与されていることなど、魔界でも一握りの者しか持たない知識が活用されていることから、何らかの『外神』が影響している可能性が極めて高い。
・能力評価
B評:≪第一級評価≫:魔力の防御能力、巨体に見合わない機動力、爪や牙に付与された魔術的効能による強靭な攻撃性能、詠唱を行う魔術に関しては雷撃のみというシンプルな呪術的制約による基本的な攻撃性能の向上効果など、戦いに特化した凶悪な霊体と言える。
I評:≪第一級評価≫:古代語による魔術は種類こそ少ないが長い歴史による術式情報量の蓄積が魔術の効果を格段に向上しており、その知識はオーパーツと呼ぶべき力を持つ。並の日本語、中国語、漢語魔術は簡単に解呪できてしまうだろう。
M評:≪第一級評価≫:日本の明文化された重要テキストに登場する伝説を中核とした神霊であるためその魔力は高い水準にある。強力な魔術を呪術的制約によって運用しているためにそちらに割かれる魔力も節約されている、故に継戦能力も一線を画し、その堅牢な防御を破ったとしても底知れない持久戦が待ち受けている。
S評:≪第一級評価≫:半径300メートル近い感知範囲と神霊特有の感知能力を持ち、魔術式の把握、隠匿された術の看破に関して厄介な強敵と言える。
P評:≪第一級評価≫:第一級の予知能力により格下の攻撃はその機動力も相まってほとんど効果が無い。圧倒的な人数差さえ武器にさせないほどに予知能力の鋭敏さは強大。第一級以上の予知能力の無いものは搦手が必要不可欠である。
T評:≪第一級評価≫:特に霊体の来歴から攻撃に関する魔力効率は極めて優れている。反面防御に関しては鱗に標準的に備わる防御性能にやや依存しているため魔力効率は二級並である。これは怨霊に近しい霊体にしばしば見られる現象であり、元来の感情が作用していると目されている。
総合:≪特別指定級相当≫:特別指定級魔術師による早急な対処を必要とする強力な神霊。しかしながら出現時期において出撃・出向可能な特別指定級魔術師は周辺に存在しないことが予想される。日本魔界府には最悪の事態を想定し、第一級魔術師複数名を緊急出動させる指令を用意するべき。
・神霊詳細情報
種別:呪型霊体式自律神霊
最大魔力量:103t
強度:10.3Gt
発生時期:2022年10月3日
発生場所:日本、北海道、胆振地域、阿嘉霧市、谷地町
使用魔術:第一級封印術、第一級介入術。第一級天候操作魔術。
召喚魔術消費魔力量:不明
南極卿財団による対処の必要性:不能
秘匿保障委員会への指令:現状不能
特筆事項:2022年4月以降、日本魔界府の機能が一時的混乱による不全に陥る可能性が高く対処は不可能。また南極卿財団による影響を受けない外神による魔術での生成物の可能性が高く事前介入はほぼ不可能。




