第二話空野優夜
こんにちは!今回は回想が多めに入っています。
私と青年の出会いはまだ私がいじめられていない1年生の頃の話だ。その日は体調が悪かったが、文化祭に参加したいがために学校に来ていた。そんな気持ちを知らないのか、ふらふらしてる私を見つけた青年は「大丈夫?」と声を掛けてきて、嫌がる私を無理やり保健室に連れて行った。熱を測ると39.0もあり、私は早退した。お陰で文化祭に参加する事は叶わなかった。
青年の名前は空野優夜。私と同じ2年生で、お人好しでお節介な私の"元カレ"だった。
優夜視点
俺はいじめが嫌いだった。いじめは、"大切な存在"を苦しめる力を持っているから。この学校の校訓は「自主性」であり、それゆえに教師よりも生徒の方が力が強く、いじめが多くあった。だから、1年生の頃から生徒会に入り、様々な活動をしていた。その甲斐あってかこの学校初となる"1年生生徒会長"になる事が出来た。生徒会長になってから俺は、いじめ撲滅に本腰を入れていた。そのため、俺が2年生に上がる頃には、殆どいじめは聞かなくなった。だが、最近またいじめが起きていると知り、ここ数日間情報収集をしていた。
今日もいつものように情報収集をしようと歩いていると偶然、校舎裏にいる彼らを見つけた。その中には、もう関わることのないと思っていた人も居た。とりあえず様子を見ようと思っていたが、男が声を荒げ手を振り上げた事により、俺の体は考えるよりも先に動いていた。男は視野が狭いのか俺の存在に全く気づいていなかった。俺は彼と彼女達の間に入った。鈍い音とともに痛みが走り、口からは血の味がした。
夕花視点
優夜「いってーな。」
優夜はそう言いながら、口から出た血を指で拭いていた。その姿には貫禄があり、彼の存在感を一層強めた。
学生A「チッ、、、生徒会長かよ。」
彼の額にはうっすらと汗が滲んでおり、緊張感があたりを包む。静寂があたりを支配する。先に動いたのは、、、学生Aだった。
学生A「くそ、覚えておけよ‼︎」
おそらく、優夜の圧に耐えられなかったのだろう。彼は逃げるようにその場を後にした。
優夜「大丈夫か?」
彼が見えなくなった後、優夜は私たちに尋ねた。
叶「はい。大丈夫です!」
叶は笑顔で言っていたが、私は頷いただけだった。
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