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BreakTime QuizMan 1 

作者: 神山

皆藤 遊莉 主人公

皆藤 遊姫 遊莉の妹

皆藤拓三 遊莉・遊姫の叔父

透 遊莉の古い友人

 今からそう遠くない未来のお話

その世界では政策として、クイズを流行させることでIQの高い者を増やそうとしている都市・大門市があった。

狙いどおりにその政策により、クイズが流行ることになりクイズ番組・知識試し等が増加。知識の多さがその都市ではステータスになり優劣ができるようになった。

その大都市でその高みへ行かんとする青年がいた。


 大門市では一番のクイズプレイヤーを決める番組が開催されていた。大門市だけではなく全国ネットでその様子が生放送されていた。世界各国から強敵が押し寄せしのぎを削りあっていた。

「さぁーー!!そろそろ勝負も大詰めだ!!参加数は一万人の大規模のクイズ番組クイズキング!最終ラウンドは最後に残った、たった2人によるノンジャンル5本先取早押しクイズのシンプルに明快な勝負だーー!!

東はクイズの革命家 ハウレット!西は流星の如く舞い降りた18歳の若きクイズの天才 皆藤遊莉!勝負は4対4で同点だ!次を取れば未来永劫の称号 NO.1クイズプレイヤーを手に納めることができるぞ!」


ワーワー!

ドームのように広く建設されているクイズ専用の会場があり、約3万人を収容できるほどの大きさに満席の会場。

スポーツ大会を観ているかのような熱狂とその空気に蒸せ返ってしまうよう。

その会場の真ん中には、たった2人のクイズプレイヤーが座っており早押しボタンに手を置いていた。

「お兄ーちゃーん!!頑張れーー!!」「遊莉君!いけ!」

『最終問題 問題  自分の利益にな…』

ピンポンっ!

「押したのは皆藤遊莉ー!!」

「火中の栗を拾う」

「さぁ、この回答が正解ならNO.1クイズプレイヤーだ!!」

『正解』

「正解したーーー!!NO.1クイズプレイヤーは皆藤遊莉に決まったーーーー!!!」

遊莉は無言で握りしめた拳を天に挙げた。

「問題は、自分の利益にならないのに、他人のために危険を冒すことを『何を拾う』という? でした!」

「きゃーー!!お兄ーちゃん!!スゴーい!!」

「頑張った頑張ったぞ!遊莉君!!」

遊莉の妹と叔父の拓三で手を合わせながら喜びをわかち合った。

「いやーおめでとうございます!NO.1クイズプレイヤーになった感想はどうですか皆藤君」

「ありがとうございます。嬉しいですね この名誉は身に余る光栄です」


 「本当にスゴいよお兄ちゃんは!私鳥肌スゴかったもん!」

「僕もこの年齢ではしゃいじゃったよ!」

 遊姫は、年齢15歳で天真爛漫な可愛い女の子で、拓三は、白髪が少し混じってきたメガネをかけた43歳である。

 その日の夕食は遊莉、遊姫、拓三の3人で家で食卓を囲んでいた。遊莉達の家は大門市の高層ビル達が立ち並ぶ都心部から少し離れた一軒家である。少し高い位置にあることで綺麗な夜空と街並みが一望できるばしょであった。

 大門市は改革で街ごと変わり、◯✕などクイズ要素があちこちにあしらわれ、クイズ用品などが立ち並ぶほどクイズに脳を焼かれたようなどこかアバンギャルドな街である。

「それより、お兄ちゃん家でご飯で良かったの?せっかくNO.1クイズプレイヤーになったんだしどこかで美味しいもの食べても良かったじゃん」

「確かに、今日くらいわがまま言ってもいいんだよ?」

「いや、こんなときだからこそだよ。叔父さんのご飯がご褒美だよ」

カランっ!

拓三はその衝撃的な発言に箸を思わず落として、口元を隠した。

「泣かせること言うようになったじゃないか遊莉君…」

「あー!叔父さん泣かせた~」

「ごめん!叔父さん!大丈夫?」

「こんな歳だからね 涙腺が緩いんだよね 風に当たってくるよ」

ガタン

拓三は食卓を離れ、鼻をすすり勝手口から外へでた。少し泣き声が聞こえてるくのがクスッと笑えてくる。

「叔父さんには本当にお世話になったからな」

「そうだよね、お父さん達が急に行方不明になってからは私たちを引き取ってくれて、本当の家族みたいに育ててくれたもんね…」

「今回の賞金も叔父さんに全部渡すつもりだよ…これで少しは親孝行できたかな」

「あ!いいなー私はまだ親孝行できてないな」

「そんな無理してするもんじゃないだろ?」

「うんん、私もNO.1クイズプレイヤーになりたい!」

「そうか、それならお兄ちゃんを倒さないといけないな!」

「そうだよ!!叔父さん帰ってきたら勝負だ!」

「受けて立つ」

2人は急いで食事を口の中に流し込み、皿を洗い部屋をクイズ用に準備した。


 「はーい!次の問題いくよ!」

拓三が問題用紙を片手に、もう片手は手を上げた。

「よし来い!」

「問題! 1994年にアンドリュー・ワイ…」

ピンポン

「遊莉君!」

「フェルマーの最終定理」

「正解!!」

「…全然勝てない」

机に倒れぐったりする遊姫であった。

「まだまだだね遊姫ちゃん!」

2人よりも楽しそうに問題を出す拓三と不適な笑みを浮かべる遊莉にふてくされてしまった遊姫

「遊姫にはクイズの心技体が全然足らないんだよ」

「クイズの心技体?なにそれ?」

「心は負けてても折れないメンタル、技は早押しや問題形式が変わっても対応できる力、体は長期戦を想定した身体作りだ」

誇らしげに語る遊莉に遊姫は

「クイズに答える知識とかは?」

疑問に思い問うと

「…?それは標準装備だろ?」

「標準装備高っ!コストオーバーするよ!?」

「心技体を鍛えればレベルが上がりコストオーバーしないんだよ」

遊莉は遊姫の額に軽くデコピンをした。

「いたっ」

「それより叔父さん、これ使いやすいね」

「お!お目が高い!さすがNO.1クイズプレイヤーだね!」

 叔父の拓三は、自営業でクイズ用品を独自の技術で作り販売している。昔ながらの簡素な物からハイテクな近未来感のある物まで幅広く器用に作る。

「この早押しボタンはね、押し心地を追求したんだよね!手を置いたときの抵抗感をマイルドにして、こう…ヌルッとした感じをイメージしてさ!」

「叔父さん変態みたい」

「え!?ひどいよ遊姫ちゃん!」


 大門市の都心部の一角のビル

「最近の収穫は?」

「先月は、子どもが6人 成人済みが10人です」

「売値を上げたい 子どもの数を増やしていけ」

「わかりました バイト達にも通達しておきます」

グラフが記載された紙を何枚も捲り気だるそうな口調で部下に指示する人物がいた。

「俺達の事を嗅ぎ付けるやつは問答無用で殺せ いいな?」

「了解しました」

大門市はクイズが盛んと言っても犯罪は当然の如く起こる。近年増加しているのは人攫い

クイズプレイヤーとして生計を立てるものも多いが、全員が全員そういうわけではない。大門市ではそれができない人はエンジニアや運営に回る以外には、犯罪に手を染めなければいけない状況である。

その犯罪を裏で手引きしているのが、犯罪コーディネーター フラウド その全貌は警察も掴めずに足踏みするしかなかった。


 「遊莉君!新しいクイズ用品作ったよ!」

嬉々として遊莉を工場へ呼ぶ拓三であった。

「なに?」

「これだよ」

そこにあったのは、人の形をしたものであった。遊莉は見た瞬間眉間にしわが寄り、訝しんだ表情になった。

「叔父さん…なにこれ?」

「名付けてQuizMan!携帯クイズお楽しみ器 インスタントクイズだよ~」

「ん?どれが名前が沢山でてきてわからないよ」

困惑する遊莉に慌てて訂正する拓三

「あ!ごめんね QuizManだよ これでわざわざ会場を作らなくても問題を出すことができる!ちゃんと罰ゲームも搭載してあって電気が流れるようになってるんだよ~」

「見た目が…時代を置いてけぼりにしたね」

「え?」

そのQuizManとやらの見た目は、2頭身のくらいの寸胴で上半身と下半身で色がツートンに別れている。上半身は肩に?マークと赤色で◯があり、下半身は青色で✕があしらわれている。

顔は、真ん中に?で左右に◯✕がある どの世界線のセンスだよと言いたくなるくらいの見た目であった。

「スゴいんだよこれ、クイズ協会が登録している問題を網羅しているし解説付き 電子音で補助もあるんだよ! 初心者が着ても問題ないんだよ!」

「そうなんだね…これは何かのイベント用?」

「いや?僕の趣味だよ」

「…」

誰かに注文されて作ったと思いたかったが予想していた解答に絶句する遊莉であった。

「ところで頼みごとがあるんだけどさ遊莉君」

「嫌だ」

「まだなにも言ってないよ!?」

「予言者になった気分だよ」

「ちょっと着てみて感想を欲しかったんだよね」

「遊姫にでも頼んで」

「遊姫ちゃんにはちょっと可哀想じゃん?」

「俺なら良いのかよ叔父さん!?」

「まあ、遊莉君ならやってくれると思ってだけどね。昔から実の子どものように育てたからね…」

「静かなる圧を感じる…」


 カンカンっ

「おかーさんなにこれー?」

「こらっ!危ないでしょ」

「…っ!」

大門市の広場で2頭身の奇妙なぬいぐるみの様なものが立っており、遊んでいた子どもに木の棒でつつかれている遊莉ことQuizManであった。

「すげー恥ずかしい…これでもNO.1クイズプレイヤーなんだぞ?ったく…誰かークイズしませんかー?」

ザワザワ

通行人に失笑されながら通り過ぎられ、フツフツと怒りが立ち込める。

(叔父さんに帰ったら文句を言おう…ん?)

広場の近くの建物の路地裏に黒ずくめであからさまに怪しい人相の人物が周囲を確認しながら消えていった。

遊莉は無意識のうちにその路地裏のところまで向かった。その経路まで混んでいたが、2頭身の不審物が近くを通るのでスラスラと目的地まで行くことができた。

暗い路地裏を入っていくと声が聞こえてきた。身体がはみ出ないように近くまで行き聞き耳をたてた。

「広場は子どもが多くて苦労しねーな!」

「人だかりがあるからバレにくいしな」

黒ずくめの2人組が、両手足を縛り口をテープで覆った子どもを見ながら話していた。

(なにっ!?人攫いか?)

そこには2人の子どもが横たわり抵抗しようと動いていたが、子どもが大人の力に敵うはずもなく足に踏まれ身動きが取れない状態であった。

(ここ何年か行方不明が多いのはこいつらのせいか…)

カランっ!

もう少し近くで見ようと足を一歩前に出した時、足元の瓶が当たってしまい音が出てしまった。

「誰だ!?」

黒ずくめの男たちが音のする方へ目をやる。

「なんだあの化け物!」

「化け物じゃねーよ!」

つい遊莉はつっこんでしまった。

(しまった…)

「誰か知らないが見られてしまったなら、生きて帰すわけにはいかないな」

男たちは懐からナイフとスタンガンを取り出し近づいてきた。

(俺ケンカしたこと無いぞ…どうする?)

走って襲ってくる男たちに目をつむり咄嗟に右手を前に出した。すると、

ガンっ!

鈍い音と共に男たちの1人が遊莉の前に倒れこんで顔をおさえていた。

「いって~!」

「え?(QuizManってこんなに硬いのか)」

「野郎!やりやがったな!」

もう1人が隙間を抜けてナイフを突き刺してきた。

その一撃はQuizManの装甲を貫き遊莉の肩をかすめた。

「いった!」

(逃げないと…でもあの子達が)

遊莉の目線の先には、怯えて声が出ずに涙を浮かべる子ども達がこちらを見つめていた。

(未来のある子どもを守らないと…!)

「おおーー!」

遊莉は身体を駄々をこねるように大きく動かし、恐怖心と男たちを振り払った。

「あの子達を絶対守る!」

「やっちまうぞ」

「おう!」

再び黒ずくめが襲いかかってきた。

(だが、この状況どう突破する…なにか方法は…考えろ!俺の得意分野だろ…!)

その時、拓三が言っていた言葉を遊莉は思い出した。

「罰ゲームも搭載してあって電気が流れるようになってるんだよ~」

(これだ!)

遊莉は掌を黒ずくめに向け前に出した。

その動きに黒ずくめ達は足を止めた

 「お前達に問題を出す」

「?」

「問題!1549年、スペインで宣教師をしていたのは誰?」

「そんなもん知るか!」

「正解はザビエルだ。無回答は誤答と同じ…己の無知を呪え」

そう言い遊莉の手から電気が流れた。

「うわぁー!!」

黒ずくめ達は電気にしびれ膝をついた。

「なるほどこういう感じか」

QuizManの特性を掴み不敵の笑みを浮かべた。

「さらに問題を出す!」

「くそっ!」

「答えは簡単だ 明日の天気は?」

「明日…」

黒ずくめ達は顔を見合わせ答えた。

「晴れだ!」

「不正解」

再び電撃を浴びた2人はその場で倒れこんだ。

「言っただろ?答えは『簡単』だって」

遊莉は電撃によりピクついて身動きの取れない黒ずくめ達を確認し、子どもの元へむかった。

「大丈夫だったか!?」

子ども達の口元のテープを剥がした。

「恐かったよー!」

「よしよし、よく頑張った」

遊莉は頭を撫でた。

すると、

「この奥から大きな音が聞こえたぞ!」

笛を吹きながら誰かが近づいてきて、警察が来たと理解した遊莉は、

「これから警察が来る あとはその人達に任せるんだいいね?」

そう言い残し、遊莉はその場から立ち去った。

現場に到着した警察は、ピクピクしている黒ずくめ達と縛られている子ども達を発見した。

「なんだ!?子ども達が縛られている!もしや噂の人攫いか!」

黒ずくめ達は現行犯で捕まり、その様子を建物の屋上から見ていた人影があった。

「ちっ!あいつらへましやがって!怒られるのはバイトリーダーのオレだぞ?」


 「おかえり~遊莉君どうだっ…え!?」

帰ってきた遊莉を出迎えた拓三が目にしたのは、ボロボロのQuizManであった。

「何が怒ったの!?いじめられた?」

「ただいま…そんな生易しいものじゃないよ…それより」

「ん?」

「叔父さん…このQuizMan良いね…もっと改良できないかな」

「良い…叔父さんに任せな!」

その言葉に上機嫌になった拓三は喜びながら工場に走っていった。

「ちょっと先に怪我の治療を…」


 数日後、遊莉は喫茶店で人を待っていた。

「よう!遊莉」

「よー!呼び出してすまないな」

「良いってことよ、ガキの頃からの友人だろ?」

遊莉が待っていたのは、小佐野透 警察官をしている。数個年齢が上だが子どもの頃からよく遊んでいた仲である。

担当は主に誘拐などがあり、今回の人攫いの情報を透から聞き出そうと呼んだのだ。

「誘拐のことが気になるのか…NO.1クイズプレイヤーがどうしたってそんなこと」

「立派な社会問題じゃないか!見過ごすことはできない…」

「教えるのは良いが…素人が変な正義感は持つなよ?早死にするだけだ」


「じゃあな遊莉 コーヒーごちそうさま!そーだ!」

「ん?」

「遊姫ちゃんは元気か!?」

「げ、元気だよ?」

「そうかそうか!ならよかった 遊莉!遊姫ちゃんに変な虫がつかないように見張っとけよ!」

歩きながら手を振り透は車に乗り去っていった。

「これで、あいつらの手がかりは掴めた…あとは」


「おかえり遊莉君!できたよ!」

「ついにできたの!?叔父さん」

そこには1つのリュックが置いてあった。

「この大きさまでコンパクトにできたよ~これでダサいなんて言わせないからね」

「スゴいコンパクトになったね…使ってみても良い?」

「もちろん!動作確認はクイズする前に必要なものだからね」

遊莉はリュックを背負った。少し重さはあるが前よりは軽量化されている印象である。

「ここのボタンを押せばQuizManになれるよ」

「ここ?」

リュックのショルダー部分にある白いボタンを押す。すると、遊莉からは見えないがリュックが展開し身体を包み始めた。

「え!え!?なにこれ?」

目を開けてみると、前のQuizManと似たような着心地を感じた。

「こっちおいで 鏡あるよ」

鏡のところまで歩き、全身を見て遊莉は脱力感に見舞われた。

「どうしたの遊莉君!?重いの?」

「改良してくれたならデサインも変えようよ…」

見た目は、前のQuizManをスマートにしただけでデサイン変更はなく余計に変な見た目になってしまった。

「いいじゃん!動けばカッコいいから!それに新しい機能も付けといたし」

「…ありがとう感謝するよ叔父さん」

これはこれで良いかと無理やり納得した遊莉であった。


 数日後、人攫いのバイトリーダー筆頭に何人かの黒ずくめ達が子ども達を拐っていた。

「きゃー!お母さん!助けてー!」

「うるせぇ!黙ってろ!」

海沿いの倉庫が並ぶ隅で、黒ずくめ達は次々と子どもを縛り上げた。

「ノルマの倍の子ども誘拐しないといけないなんてボスは厳しいっすね」

「何いってんだ、殺さないだけ優しいほうだぞ」

バイトリーダーがタバコに火をつけようとライターを近づけようとした時、

「そこまでだ」

何処からか声が聞こえた。

「誰だ!?」

「どうしたんです?リーダー」

「声が聞こえたぞ」

「気のせいじゃないです?」

「…気のせいか」

「気のせいではない…その判断が誤答を招く」

倉庫の裏から声が聞こえてきて、赤・青のヘンテコな見た目の奴がこちらへ歩み寄ってきた。

「なんだあのヘンテコな奴は…この前の2頭身の仲間か!?」


「俺は、お前達のような謎の存在の答えを導きだし、世界に知らしめる者 その名もQuizMan」

「クイズマン?ダッサイ名前だな!クイズ好きが変な正義感に目覚めたか!お前達やれ!」

「おう!」

バイトリーダーの命令で、ナイフや鉄パイプを持った黒ずくめ達はQuizManを取り囲んだ。

QuizManは敵の位置を把握し、

「抗えよ世界、答えよ問題 クイズフィールド展開!」

『クイズフィールド展開』

女性の声の電子音が鳴り、肩の〈?マーク〉が外れQuizManを取り囲んだ黒ずくめ達の外側まで飛び謎の空間を作り出した。

「おい!なんだこれ?」

謎の空間に慌てる黒ずくめ達であった。

「これはクイズを解くための舞台だ 簡単な話だ ここから出たければ俺の出す問題に正解すればいい」

「ふざけやがって!」

「気を付けろ 無断で外へ出ようとしたら電撃が流れるぞ」

「さて、問題!お前達は俺に倒される◯か✕か」

「✕に決まってるだろ!」

「不正解 答えは◯だ」

『不正解 罰ゲーム 電撃ショック』

QuizManの手から電気が放たれ、黒ずくめ達に直撃した。その威力は前よりも上昇し最高は、50000Vである。

その威力の前には黒ずくめ達はなす術もなく、地に伏せた。

「お前ら!やってくれたな貴様!」

仲間がやられ睨むバイトリーダーにQuizManは、

「問題だ 仲間を思いやられる気持ちがあるのに、なぜこんなことをしている?」

その問いに対し、

「博識だけに人権があるような糞みたいな世界が今だ!こうでもしてないと生きていけないんだよ俺達はよ!」

「…おそらく正解だろう」

罰ゲームはなくバイトリーダーは懐から拳銃を取り出し、QuizManに発砲した。

「選択シールド!」

選択問題の画面がQuizManの前に出現し銃弾を弾いた。

「なにっ!?」

「この世は不条理だ…だが、人々を哀しませることをしているお前達も悪い!」

「偽善者ぶりやがって!」

その言葉に激昂したバイトリーダーは、連射してQuizManを撃ち続けた。

選択シールドで防ぎつつ、その場で高くジャンプをした。選択画面も一緒に動き、QuizManは蹴る動作をした。

「Choice Kick!」

選択画面を蹴り、4方向に飛び散りバイトリーダー目掛けて飛んでいき挟み撃ちをした。

「ぐわぁあ!」

悲鳴と共に、その場で気絶し倒れた。

着地し、「罪を償いもう一度やり直せ」

クイズフィールドを解除し、子ども達を助けようと近づくが、その時足元に銃弾が飛んできた。

その方向を見ると、透と警察達が拳銃を構え威嚇射撃をしてきた。

「そこのお前!止まらないと次は当てるぞ!」

(透…)

遊莉はゆっくり後退りしその場から離れた。

「待て!」

警察官は追いかけようとしたが透が、

「そっちより子どもの救出と他の誘拐犯の確保が先だ!」

透が指示し、子どもの救出と誘拐犯の確保をした。

「あのヘンテコな奴はいったい…」

消え去ったQuizManがいた方向を見つめる透


「バイト達が全員捕まっただと?」

「はい、なにやら変な見た目の奴に妨害されたと報告が」

「なるほど、我々の邪魔をする奴が現れるとはな」


 夜の大門市の月の光に照らされたQuizManこと皆藤遊莉は、

「あいつらの裏にはまだ何者かが潜んでいる…平和を乱す悪に俺は、問題を突きつけて問い続ける」


 ガラガラ

「遊莉君なに独り言言ってるの?QuizManの修理するから早く脱いで」

窓を開け拓三が遊莉に声をかけた。

「…」


ありがとうございました。

題名通り、BreakTime(休憩時間)として何となく書きたかったクイズ要素のあるストーリーを投稿してみました。他人のために危険を冒すなんてまさに、『火中の栗を拾う』でしたね。

普段は違う作品を書いてるので、そちらも見てください。

また気が向いたら続編を書きます。

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