-機械戦争-
生きてて辛いことなんて無かった。幼い頃の記憶は無いからなのかもしれないが、博士達といれたのは楽しかった。
風の吹き荒れる路地裏を今1人で進む。頬には凍てつくような風が打ちつけ、フードも意味を成さない。
博士は死に、別の機械天使達、いや、私を元に造られた天使達は皆散り散りとなりこの世界に広がっていき、溶け込んでいった。
辺り周辺を見回すと私の世界の通信魔法のようなものとよく似たすまーとふぉんと言う電子機器が室外機の上に置かれている。それを手に取ると、明るい水色の髪、翡翠色をした瞳の少年が現れる。
「やあ、君がこの世界の天使(生き残り)かな?」
「私は違う。天界東京支店政府の元補佐官、シズ=アルカロイド。又の名をアルカだ。」
そういうと少年は目を細めてきつい顔をこちらに向け「じゃあ話が早いね。アルカ」
「暴走機械天使を止めないか?」何を言っているのかサッパリ分からない。機械天使は博士の造った我々の事を指しているのだろうが、"暴走"とは何なのだろう。
「暴走機械天使とは」
「暴走機械天使とは名もなき総統を中心とした組の事、名を
Runaway machine angel、まあそのままの意味、暴走機械天使だね」
「...君はそこまでいって私と何をしたい。」
「簡単だよ、Runaway machine angelを止める事。」
姿を消した機械天使達に関係があるかもしれない。恐らく。
「...まずは何をすれば良い。」
悩んだようなポーズをしながら液晶の向こうでニヤニヤしている少年は何を考えているかまるで分からない。
「自己紹介かな!」
「私はもうしたぞ、君の名を何というか。」
少しの間のあと、少年は口を開く。
「なまえ、無いんだよね。」
「無いなら作れば良い。」思わず言葉が口走る。
「そうだなあ.....首に1の番号があるから.....」
「ワン?」いやそれは無いと返される。
私は笑った。
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今晩は。玲です。初めての投稿なのでまだまだ新米で文章力も無いですが読んでくれて有り難う御座います。
次回も宜しくお願いします。