8.
はい、第8話です。
「ちょっといいかな?」
この一言で俺は今、草原で鶏狩をしている。
バババ
バババ
バババ
1匹狩っては次の鶏を1匹狩る。
なぜかって?
それは最初の一言に繋がる、取り合えずそこから現在までを振り返ってみよう。
「ちょっといいかな?」
俺が後ろを振り向くと4人組の男女がいた。
話しかけてきたのは先ほどからペチェクチャ周囲に聞こえる声で話してた女性で、多分俺より2〜3歳上だと思う。
赤髪で長髪、頭の上で結んでいる、ポニーテールだ。
顔は可愛らしい顔で身長は俺より少し低いぐらい、多分160cmちょっとぐらいだと思う。
格好はザッ冒険やみたいな格好で、胸当てプレートに肘、膝にはアーマーガードみたいな物を付けてるだけだ、武器は見た感じ見当たらないからどこかに置いてきたか預けてるのかもしれない。
俺はよく思うんだが胸当てプレートに膝に肘だけを守って魔獣相手に意味あるのか?と思う。
魔獣の攻撃を受けた時腹に当たったらとか腿に当たったらとか考えたら意味がないと思う。
多分胸当てプレートは心臓を守る為だと思うし、膝と肘は転けた時の為だと思う、それ以外は全然守れないからそれ以外に深い傷を受けた場合は逃げるまでもなく、追撃を喰らうんじゃないのかと思う。
それか、よっぽど逃げ恥早いから攻撃なんて喰らいませ〜ん的な感じかもしれないしな。
「あっはい、なんでしょう?」
「少し聞きたいことあるんだけど、座って良いかな?」
「いいですけど・・・」
俺はなんか面倒ごとになりそうとここで思った。
「君、最近この街に来たんだよね?」
「そうですけど?」
「じゃあ君かな?隣町の代官の子供と一緒にこの街に来たのわ?」
あっやっぱり、面倒臭そうなやつだ。
「あ、うん、いやー、多分違うと思うけど」
「あははは、それはないよー、君珍しい武器持っているじゃない」
「あー、これって珍しいの?」
「珍しいよ、この辺じゃ普通見ない武器だからね。とある国の魔法の武器でしょ?」
「そうなんだねー」
ついつい棒読みになってしまう。
やっぱり珍しいんだと思ったのと、あるある展開でこのままいくと面倒くさいことに巻き込まれそうな気がしたからだ。
どうやって逃げよう?w
「そうなんだよ、それでね。その代官の子供たちの事救ったのは珍しい魔法の武器を持ってるんらしんだ。てことで珍しい魔法の武器を持っている君がそうってわけ」
「はぁ、それでどんな様で?」
「えっ分からない?」
こいつマジでっ?て顔でめっちゃ見てくる。
「わかりませんが」
俺の内心は面倒臭いの一言だけだ、だけど目の前の人は他所に行く気はないようだ、それに目の前の人名前名乗らないし。
じゃあ俺から名乗ればいいじゃなかって?いやだよ、そんなのはそもそも俺は目の前の人と関わるつもりなんてなかったし。
「はぁ〜」
あっこいつため息吐きやがった、初対面の人間に対してため息はきやがった、最低だコイツ。
それになんかチラチラ後ろ見てるし、後ろの男2人はなんかめっちゃ睨んでるし、おぉ怖っ。
「あの、取り合えず名前名乗って下さいませんか?初対面でしょ?」
ちょっと後ろの男どもの顔がどんどん険しくなっていくから怖くなったお。
まぁ俺が言った言葉を聞いて尚更お顔が険しくなってるけど、それに関しては無視だ。
「あ〜、名前ね。名前はチェリルて言うんだ、君は?」
「初めまして、チェリル。私はレツトと言います」
「レツト君ね、単刀直入に言うと、私たちの依頼一緒に行かない?」
はぁぁぁ?何コイツいきなり言ってんだ?怖いんですけど、これ絶対あれだ。
どっかに連れてって俺を絶対殺すきだ、後俺のこの銃を奪うために殺すきだ。
どうしようか?
銃を奪われるかもしれないと言う心配はまずないからな、他人が触れると勝手に消滅してくれるし、でも殺されるのは嫌だ。
殺されたら元の世界に戻れないし、それに痛いのは嫌だからな。
ウサギに追われて転けた時も痛かったんだから絶対に痛いのはご遠慮願いたい。
俺はこんなことを頭の中で考えて口を開こうとした時それを塞ぐように喋られる。
「俺は、、、、、」
「レツト、集合場所は南の門前だ」
後ろにいた男2人の内1人が1歩前に出て来て行ってきた。
めっちゃ睨み付けてプラス背後にスタンドの様に断らないよな?という雰囲気醸し出しながら。
断る権利ないのかよっ!!!
来るよなって顔してくるし、行きたくないんだけどっ!!!
絶対に嫌だ!!!!
俺は再度断る覚悟を決め、口を開く。
「いやっ、あの私はご、、、、、」
「来るよな?」
俺が再度断りの言葉を言おうとしていると、違う男が1歩前に出て威圧感たっぷりの言葉を発してくる。
えっまじ?
俺に断る権利ないの?
俺に人権は?
こんな人達元の世界にもいなかったよ、脅迫だよ。
こんなあからさまに脅迫する人なんていなかったよ。
「いやっ私は・・・行きます。はい、ご一緒します」
「うんうん、行こう、行こう」
俺は負けてしまった。
あまりの圧力に負けてしまった・・・だって怖いんだもん。
3人にめっちゃ圧力かけられるとか怖いんだもん、元の世界でも漫画の中でしかない展開だよ。
ありえないよ、あんな展開、怖すぎるよ。
俺は若干体を震わせながら席を立った。
「じゃあ、南門に1時間後ぐらいに集合でいいかな?」
「あの、南門が分からないんですけど」
「えっ南門分からない?」
「はい、すいません。最近この街に来たので・・・」
「南門はあっちの方だよ」
南門は俺が最初この街に入ってきてた門だった。
俺と4人組は宿の外に出て、チェリルが指差して教えてくれた。
「わかりました」
「じゃあ、準備したら門の前で」
そう言って4人組は人混みの中に消えてった。
「はぁ・・・疲れた。朝から疲れた、怖い、あの人達怖い」
俺はそう言いながら、準備する物が特にないためケレンに弁当も貰って南門の方に歩き出した。
弁当はケレンに言えば作ってもらえる、中はわからないように葉で包んである。
代金は一律700Gで結構お手軽だと思う、この異世界での賃金がわからないためハッキリとは言えないが冒険者の報酬にしては結構お手軽だと思う。
門の前に着いた後は4人組にが準備を終え来るのを待っていると、さっきまでと違った身なりで現れた。
「ヤッホー」
チェリルが右手を上げながらこちらへ歩いてくる。
合流した後は取り合えず依頼の詳細を聞き、各々自己紹介をしてもらった。
チェリルの装備・服装は変わっておらず、宿で話しかけてきた時には身に付けてなかった鞄に武器を身につけていた。
鞄は普通に今から依頼に出かけるためだろう、どこから持ってきたかわ不思議だが、宿を出るときのは持っていなかったから。
因みに武器は双剣だと思う、後ろの腰に2対の剣が見える。
2対の剣は別々の刀身をしている、一方は長いが一方は短い剣だ。
意匠は普通の剣のようだが多分2対の剣用として製作されたものだろうと思う、だって剣の尻の方に鎖が付いており2対をつなげているからだ。
柄、刀身と特に目立つ装飾や柄はなく2対じゃなかったらただの剣だろうと思った。
多分軽戦士という分類になるのだろう。
次は最初に俺に圧力をかけてきた男だ。
名は、カイルというらしく、名と外見が一致していないと思った。
髪は茶色で短髪、目は髪色と同じく茶色で細めだが目尻が吊り上がっている、身体はガタイがとても良く筋肉隆々している感じだ。
身長は俺より高く180cmは余裕であるかと思われる。
顔は正直怖い、スト4のガイルみたいな顔をしている。
あんな顔とガタイで圧力出されたら無理だよ、耐えられないよ、屈するしかないよ。
身なりは頭以外は全身金属に覆われており、重戦士みたいな格好をしている。
武器はハルバードで斬る、突く、鎌のような所で引っかけるといった戦い方をする。
槍のように柄が長く先端は刺突ができるようになっており、斧のように刃が大きな物が付いており、斧の反対側には鎌のようになっている意匠だ。
装飾や、柄など目立つものはなく多分量産型とかそういんだろう。
良くあんなもの振り回したりできるもんだなと思う、正直俺には向いてない、だって重そうだし。
次は後から圧をかけてきた男だ。
名はコズといい。
髪は赤髪短髪で、目は髪と同様に黒く平均的な顔をしている、学校のクラスで言うならモブ中のモブだろう。
だが体はそこそこガタイが良く見える、多分冒険者をする以上ある程度の体は必要だからだろう。
身長は俺とあまり変わらない。
身なりは軽装。
金属などを表面上には見えないため多分斥候役だと思う、目立たないし、影薄そうだからちょうどいいのかもしれない。
めっちゃ親近感を感じる。
武器は短弓に短剣、武器からもみてわかる通りTHE斥候みたいだ。
それに短弓と言ってもボウガンみたいなもんで腕に機械仕掛けのように付いている。
なんでわかるかって?今さっきからガシャガシャと開いては閉じてはと確認するようにしているためだ。
俺はあんなものまでこの異世界のはあるのかと思った、まさにゲームの世界だと。
短剣は腰のに刀の用意差しており、近接用だと思われる。
正直かっこいいと思ってしまった、使い手はモブだけど使ってる武器はカッコ良すぎる。
内心、俺に使わせてくれないかなと思っていたのは心の中だけに留めていた。
最後に俺に絡んで来てもなく、ずっと後ろにいただけの女冒険者。
名はナナリーといい。
髪は綺麗な碧で背中まで綺麗に伸びた長髪だ、目はうーむなんとも言えない感じだ、目を閉じているから分からない、でも綺麗な顔をしている。
元の世界ならアイドルと言っても過言ではないと思うぐらい綺麗な顔だ。
身体は160cmはないぐらいで結構華奢な体型をしている。
身なりは魔術師風にローブを纏っている。
魔術師風のローブを着ているてことは武器はもちろん魔法だろうただ杖を使うわけでは無く本を魔法の媒介にしているのだと思う。
手にはなんかみた事のない文字や紋様がたくさん描かれた本を持っているからだ。
魔法か・・・正直俺も使ってみたいが俺には魔法は使えに後ロキ様に言われている、ただ一つだけ使う方法はあるみたいで魔道具なら魔法を使えるみたいだとは聞いてる。
以上が4人組の冒険者パーティー、パーティー名は『夜明けの平原』
各々の自己紹介なども終わり、俺たち5人は鶏狩に出かけた。
俺は現在、烏骨鶏を小1時間狩っている。
引き金を引くたびに烏骨鶏が“グウェ”という叫び声をあげ、倒れる。
小1時間ずっと“グウェ”“グウェ”“グウェ”と言う声が草原に響き渡る。
なぜ今烏骨鶏を狩っているかというと依頼に必要なものらしく、チェリル達と烏骨鶏狩をしている。
何に使うのかは良く分かってない、チェリルからは後で説明するとしか言われてない。
今日中に終わらせたいからさっさと烏骨鶏狩って来てと言われたから俺も時間は惜しいと思ってさっさと狩りを始めたというわけだ。
早くこの人達と別れたいとか思って狩を始めたわけではない。
因みにこの“夜明けの平原”のリーダーはチェリルで、他の3人とは街から程近い村の同郷で幼馴染らしく、チェリル以外は同じ歳でチェリルだけが一つ上だと言う。
チェリルが年上と言うことでリーダーになったと言われた、まぁ俺からしたら正直どうでもいいわ!と思っていた。
後、弾薬は南門に行く前にきちんと追加で補充しといた。
盗賊を倒してレベルアップもしていたためポイントは意外と多くゲットできていた為、弾薬の補充とSM5(MP5)のアップグレードもついでにしといた。
後は痛いのが嫌だから装備のアップグレードもしといた、内容は対衝撃性能Mk-1とゴーグルMk-1、予備マガジンも結構追加した為マガジンポケットも追加した。
アップグレード内容はサイレンサーを付けただけだけど、音は鳴らないほうがいいと思ったからだ。
チェリルが言うに銃は珍しいため用心に越したことは無いと思いしといた。
弾薬補充をしたはいいが、烏骨鶏を10体も倒しているからあんまり意味がなかったと思ってる。
烏骨鶏1体に付き3発は使っているから隙を付いて補充しといたほうがいいかもしれない。
対衝撃性能は衝撃を受けてない為性能の事は良く分からないがゴーグルは凄いと思った。
ゴーグルはサイトと連結してあってサイトを覗かなくてもクロスヘアをゴーグルに表示してくれる、まぁクロスヘアの為サイトを覗かないとあんまり実用性がないのは烏骨鶏を狩ってる時に分かった、弾がめっちゃバラバラに散ったのだ。
まるでゲームのように、近距離でしか使い道がない。
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NAME:青葉 烈兎
Lv:9
JOB:PMC
MP:53(???)
STR:33
DEF:35
INT:48
DEX:44
AGI:50
LUX:32
SKILL:武器具現化Lv1、武器整備Lv1、外付式魔力タンク試作型
GIFT:遊戯の心得
SKILL POINT:53→25
取得可能SKILL
・なし
具現可能武器
・初期装備
SM5(MP5)
装弾数:20
オプション
・外装パーツMk-2 10P
・サプレッサー 5P 取付済
・ドットサイト 6P
・タクティカルライト 4P
・拡張マガジンLv1 5P
・弾薬Lv1 5P
・予備マガジン 2P
標準服TYPE1
オプション
・マガジンポケット拡張+2Lv2 5P 取付済 →マガジンポケット拡張+2Lv3 10P
・防弾性能Mk-1 5P
・防刃性能Mk-1 5P
・防打性能Mk-1 5P
・対衝撃性能Mk-1 5P 取付済 →対衝撃性能Mk-2 10P
・ゴーグルMk-1 3P 取付済 →ゴーグルMk-2 5P
++++++++++++++++++++
俺はチェリル達から少し離れた所で狩りをしている。
なぜ離れてるかって?銃が珍しいと言う事だからあんまり見せたくないのと、誤射したく無いためだ。
離れる時少し怪しまれたが「君たちの事あんまり知らないから」と言って離れる事に同意してくれた。
そして俺が11体目を倒した時にチェリルから声を掛けられた。
「おーい、レツトはどのぐらい倒した?」
少し離れた所からチェリルはこっちに手を振りながら向かってくる。
ある程度チェリルが近づいた所で俺は質問に答えた。
「俺の方は11体」
「ひゅ〜、結構倒したんだね。私たちの方は全員で6体だよ」
「合わせて17体か、これで足りるのか?」
チェリルは俺が質問すると顎に手を当て、後ろを向き仲間に問いかけた。
「ゴズ、17匹で足りる?」
「まぁ17体あれば足りるだろ、本当は20体欲しい所だけど今日1日で終わらせるならもうそろそろ仕掛けないといけないし」
ゴズは天を仰ぎ時間を確認するように太陽の位置を確認した。
「カイルとナナリーはどう?もういいと思う?」
「俺はどっちでも、たださっさと帰って酒飲みたい」
「酒は依頼が終わって報酬受け取ってからよ、じゃあナナリー」
「・・・」
ナナリーは頭を縦にコクンと振った。
「そか、じゃあ17体でさっさと罠仕掛けに行きましょ」
チェリルがそう言うとゴズ、カイル、ナナリーは首を縦に振り、了承の意を伝えた。
「あなたもそれでいいかしらレツト?」
「俺もそれでいい」
チェリルは俺にも答えを求めた、俺もさっさと終わらせるのに越した事はない為同意した。
「じゃあ、さっさと行こうか」
チェリルがそう言うとみんなで森に向かって歩き始めた。
俺は後ろで着いてってるだけだけど、依頼の内容なんて知らないし、罠を使うと言うのなら討伐依頼なのは間違い無いとは思っている。
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しばらく歩いた後俺たちは森の中で罠の準備をしていた。
罠といっても簡単なもので烏骨鶏の骨を何本かを蔦で束ねて、骨の端を砕くだけの罠だ。
何のための罠だといっても誰も教えてくれない。
「チェリルこれは何に使うんだ?」
「ん〜、後でわかるよ」
チェリルは終始こんな感じでうまく誤魔化される。
少しぐらいは依頼内容教えてくれても良いのにと思う、骨の罠を使って猛獣を捕らえるとかなら嫌だからな、猛獣ハントなら喜んでやる、みんなから100mほど後方の位置からね。
猛獣ハントは危険だからね。
骨の罠を作った後は罠を仕掛けるだけだと言うことで17個の骨の罠を仕掛けに移動を開始した。
罠を仕掛ける場所は地面だったり、低木の上だったり、高木の中間の位置にだったりと色々な所に17箇所に設置した。
「これでよしっ」
罠を全部仕掛けた所でチェリルが声をあげる。
「チェリル、それでこの後どうすんだ?」
俺は罠を設置した後の行動をチェリルに聞いた。
「この後は、夜になるまで待機よ。さっきの罠を作ってた場所まで行くわよ」
「待機?」
「そう、罠に食い付くまでね」
「そりゃ時間かかりそうだ」
俺はそういって“はぁ〜”と大きなため息を吐くと、カイルが何か言ってきた。
「ため息を吐くな、狩とはこう言うもんだ」
「そうか、狩ね。討伐依頼ではなかったの?」
「討伐依頼だ。だが、こうやって罠を仕掛けて狩る方が早いんだよ。ギルドの依頼は大体が討伐というより狩猟という感じになる。本当の討伐になるのは危険な魔獣とかが出た時だけだ」
「そうなんだ、狩猟ね」
俺はそう呟くとみんなの後ろをトボトボと歩いていく。
第8話はどうでしたでしょうか?
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誤字脱字の報告等もよろしくお願いします。
次話もよろしくお願いします。
次話以降二日に一度の更新を目指し執筆したいと思います。