6.
第6話です
楽しんでみて行ってください。
以上
目の前には立派な街門が聳え立つ。
「ほぇ〜、デカイな〜」
俺たち一行は街に着いた。
街に着いたはいいが街の中にはいない、ついつい口に出してしまったが街の門の前にいると言うか真下に居る。
今スコットが門兵みたいな人に話を付けに行ってる。
街に着くまでの道のりは正直辛いだけだった、ケツの問題で、何度かエルザから話かけられたがなんお話をしていたか覚えてない。
せっかくのかわい子ちゃんとの楽しい会話を台無しにするほどのケツの痛さだったからな。
今はいい、目の前は息を呑む光景だからだ。
門自体はよくある形の門で、城壁と繋がってる門だ。
門自体は木でできており、所々に鉄が使われてるのが分かる。
特筆すべきなのは大きさだ、俺の想像とは思いつかない程の大きさだったのだ、人が十数人横に並んで一斉に入る事できる大きな門だ。
今は全部開いてる状態で街の中が見えるが、あれが閉じた時は圧迫感を感じるだろうと思う。
「おいレツト、キョロキョロするな」
「はい、すみません」
周囲の形相についついキョロキョロしていた俺にイケメンルベルト君に叱られた。
仕方ない、今俺の周りには沢山の人が街に入るための行列を作っている為騒がしくなっている。
この街がこの国でどれぐらいでかいのとか、領主がどのぐらい偉いのかはわからないが、まぁすごいんだろうとっても。語尾力ないと思うかもしれないが正直これ以外の感想が出てこないのだ。
「あのーお一つ伺ってもいいですか」
俺は馬の上から隣にある馬車へ話しかける。
「話しかけるな」
「なんでしょうレツトさん」
「おい、エルザ」
「いいではありませんかお兄様、レツトさんはずっと森の中で暮らしていたんですよ」
「はぁ〜」
話しかけたはいいがイケメンルベルト君に拒否されたがかわい子エルザちゃんは俺と会話がしたいようだ。
「この街はどんな街なのでしょうか?」
「この街ですか?そうですね・・・、この街は商業都市『チェリー』といいますね」
「商業都市『チェリー』ですか」
俺が呟きながら見上げるように城壁を見ると、エルザが気を使ってくれたのかこの都市に着いて詳しく説明してくれた。
「この街はですね、この国の南側にあり、5本の指に入る大きな街になりますわ。他国と国の南から東、西、北に行く行商は全てこの領地を通り、領主様は南方伯で侯爵の階級をいただいてます。そしてお兄様はその方にお使えする騎士になるんです、その士官パーティーを南伯が開いてくださったんです」
「じゃあここは国の中心部になるんですか?」
「まぁそういう言い方をするもんではないですが、行商や世界各国のものが集まるのは確かですね」
この街がこの国最大の交通要所になってるわけか。
じゃあ、他の北や西、東はどうなってんだ?というか南方伯というならこの国は東西南北でまとめられてるんだろうか?
「他の北や西、東はどんなところなんですが?」
「西や東は強国と隣接してるので小競り合いがたくさん起きていますわ。北には領全体が山間部になっており農耕地になっております」
そうか北はこの国の食料地で東と西は敵国と戦い中なわけか。
「他の北や西、東にはこの街と同じように南伯という存在が?」
「はいそうですね、北には北方伯と呼ばれており爵位は公爵、西には西方伯と呼ばれてこちらは伯爵、東には東方伯と呼ばれこちらは南方伯と同じで侯爵です」
んームズッ!
情報量が多すぎる、でもなんとなくこの国の大まかな領を知れたから良しとするか。
公爵1人に伯爵1人、そんでこの街と同じ侯爵が2人か。
公爵と侯爵はなんの違いがあんだ?
「あのー公爵と侯爵の違いはなんですか?」
「あーそうでしたわね、レツトさんは世の中の事疎かったんですよね」
「すみません、世間知らずで」
「いえいえ、この国の貴族はですね。みなさん爵位を持っているのまずこの国で一番偉いのはですね・・・」
==============================
1.王様
2.太子
3.公爵(王様の兄弟、今は1家で弟が爵位を持っている。王様が変わる時に爵位は返納する)
4.女王、王子・王女(女王→第一王子...etcと生まれ順で微妙な差はある)
5.侯爵(貴族の中では一番偉く、国の中で2家しかいない)
6.伯爵(貴族のまとめ役兼仲介役、騎士団長・軍元帥はこの爵位)
7.子爵(騎士団隊長・軍大将はこの爵位)
8.男爵(この爵位から領地を持てる、商人等一般人がなれる爵位はここまで)
9.準男爵(、広大な領地を持つ領主の代官になる事が多い)
10.士爵(領地は持てない、広大な領地を持つ領主の代官になる事が多い)
===============================
「これがこの国の貴族性になりますね」
またもや情報量が多くなったな。
それに異世界ものあるあるの貴族性はこの世界でも実在するのか。
そんな話をしているとスコットが門兵と話がついたようで戻ってきた。
「ルベルト様門兵と話がつきました、あちらに門より中に入れます」
「あぁわかった」
ドンドンと馬車の天井を叩く音が聞こえる。
「出してくれ」
イケメンルベルト君の言葉を聞いた御者は馬を走らせ始めた。
俺はそれに遅れまいと馬を歩かせる、歩いて行く?
門を抜けるとそこは石畳で舗装された大きな路が真っ直ぐ延び、奥には大きな噴水が見える。
その道にはたくさんの人が行き交い道の両端には沢山の露店が開かれていた。
露店の後ろにはザッ洋風というような建物が隙間なく並んでいて街並みの景観はとても綺麗に見えた。
少し残念なのはここは中世ヨーロッパの建物の様な木製の家が並んでると思ったがそうではなくレンガで作られた建物やモルタル等で作られた建物の方が多く見られた。
それに、一軒家みたいな形ではなくアパートみたいに沢山の窓がついてるような建物が多くみられた。
全ての脇道がどうかは分からないが、チラチラ見える脇道にもきちんと石畳の舗装がされていたからだ。
その道を馬に乗って、馬車と共に進む。
「すげー、たくさんの人だな」
「すごいだろう、ここの領主様の所にエルビン様は仕えるんだ」
隣を進むスコットが言ってくる。
そのまま馬車と共に噴水の広場まで進むと足を止めイケメンルベルト君、かわい子ちゃんのエルザが馬車から降りて来た。
「レツト、ここまでだ。ここから先には連れてけないからな」
「あっはい」
「レツトさん、もう一度お礼を。ありがとうございました」
イケメンルベルト君とかわい子ちゃんのエルザは頭を少し下げ再度お礼を言ってきた。
「こちらこそここまで、ご一緒できてよかったです。ありがとうざいました」
俺は頭を下げた2人に軽く礼を言いながら馬を降りる。
「レツトさん、これからどちらに?」
「あー、実は何も決めてないんですよね。これから宿に行って考えようかと」
「そうですか、では後日機会があればお会いしましょう」
「はい、お願いいたします」
俺はこの時悟った。
うん、もう2度と会う事はないなとこの一言で。
最後の挨拶を交わすとルベルトとエルザは馬車に乗り込み始めた。
そこで聞くことを思い出した俺は2人の背中に向け声をかけた。
「すみません、一つ聞いてもいいですか?」
「んっなんだ?」
ルベルトが後ろを振り返り答えてくれた。
「冒険者とかその辺の斡旋所とないですか?」
「冒険者か?あるぞ、あそこだ」
ルベルトはそう言うと俺の後ろを指差し、背後にあるデカデカと看板を掲げた赤レンガの大きな建物を指差しながら言った。
「あっありがとうございました」
「それじゃあ」
ルベルトはそういうと馬車に乗り込むと御者が馬を走らせその一団は噴水広場の奥の方へ行ってしまった。
「ふう、なんとか街の中にはこれたな」
俺はルベルトに聞いた、背後にあるデカイ看板を掲げた大きな赤レンガで作られた建物に向かって歩き始めた。
冒険者ギルドの外見は赤レンガで作られた3階建ての建物で入り口が真ん中にあるんだがその真上アドベンチャーズギルドとデカデカと書かれた看板がある、入口は西部映画とかによく出てくる酒場のような扉になっており、人が入るたびにギィギィ言ってる。
因みに俺が入る時もギィギィ鳴った、この扉の音がチャイムみたいなのかなと思ったが違う様で中に入った俺を誰も俺を見ていなかった。
正直、ちょっと恥ずかしい。
冒険者ギルドの中は入ってすぐの右手側に市役所みたいなカウンターが5箇所ぐらいあり数人の行列を作っているところもあれば1人もいないところもあり、その後ろにはこちらも同様に市役所みたいにたくさんの人が働いている。
カウンターの前にはカフェの様に沢山の椅子とテーブルが並んでおり沢山の人がそこで談笑している。
偶に怒声が聞こえてきてるけど。
壁にはいろんなポスター?や掲示物、依頼書らしきものが貼ってある。
冒険者ギルドの入った誰のも気づかれない俺、俺ってそんなに影が薄かったかな?
ここはあるあるの貧相な奴が「子供が来るとこじゃないぞ」とか「おい、兄ちゃんちょっとツラかせよ」とか新人冒険者に喧嘩売るって展開を望んだのに何も起きない。
・・・・・
何も起きなかったんで普通にカウンターに向かいました。
誰も並んでないカウンターの前に来ると可愛い受付嬢が・・・じゃなくて普通のおじさんがいました。
残念、可愛い受付嬢ならテンションも上がったものを・・・
そんなことはどうでもいいんだよ、正直さっさとウサギをお金に変えたい。
今日一日いろんな事ありすぎて身体的にも精神的にも相当な疲労があり今すぐにでも休みたいのだ。
てことで、おじさんに話しかけてくる。
「あの、すみません」
「あっはいはい、今日はどう言ったご用件でしょうか?」
「冒険者ギルドに初めてきたんで」
「新人さんですね、わかりました。では少々お待ちくださいね」
「わかりました」
カウンターのおじさんは席を立ち奥の方に行ってしまった。
俺は置いてけぼり状態でどうすればいいんでしょう?普通に待ってればいいよね?
にしてもあのおじさん印象最高ですね、だって隣を見てみれば可愛い子がなんかの手続きをしてるぽいんだけなんかドタバタしてるしw。
そんなドタバタ劇を見ているとどっかに言ったおじさんが戻ってきた。
「お待たせしました、それではとりあえず登録だけさっさと済ませますね」
「はい、お願いします」
どんどん話進んでいくんだな・・・
「では説明は後でまとめてしますので手続きに移ります。手続きはこの紙にまず記入してもらいます」
おじさんは紙を取り出すとペンと一緒に俺に渡してきた。
「わかりました」
俺は渡された紙に記入していく。
思ったんだけど、この紙に書いてあることなんでか普通に理解できるんだよな、それに言葉もなぜか理解できる。
でも、俺の耳がに聞こえてくるのは日本語でも英語でもない感じで聞いたこともない言語が聞こえてくるがなぜか理解できてしまう。
それに俺の発している言葉は日本語である、日本語を発しているはずなの相手は理解できている、まぁロキ様印の世界ってことで理解できないこともない・・・いやできないな、理解するしかないんだろうけど。
因みの日本語を発していると分かるのは俺の耳が日本語を捉えているからだ。
それと同様に文字も見たこともない文字で書かれているが自然と読むことができるし意味も理解できてる、俺が書いてるものは日本語、でも目の前のおじさんは日本語を理解している?それとも違う文字だけど理解できている?どっちかは分からないがまぁざっくりいうと理解できるようで俺が書いている側から横の機械使って何かを入力して行ってる。
多分、このパソコンみたいな感じのはこの世界のパソコンなんだろう多分。
俺はいた世界のパソコンとは少し違う、画面にキーボードていうのは変わらないけど画面が宙に浮いていたり、キーボードが宙に浮いていてめちゃくちゃ機械的すぎる。
そんな疑問を頭の半分で考えながら紙に必要事項を書いていく。
あっ俺て今マルチタスクしてんじゃん、実は俺に隠れたこんなスキルがあるとはと言いたいが実はこれロキ様がマルチタスクできるようにしてくれた。
てか、こうしないと脳みそ爆発しちゃうんだってw、怖すぎっ!
++++++++++++++++++++++++++++++
名前:アオバ レツト
年齢:18
前職:なし
主武器:銃火器 (任意記入)
副武器:ナイフ (任意記入)
スキル:なし (任意記入)
質問等
他にも似たようなギルドてありますか?
この国について
++++++++++++++++++++++++++++++
「出来ました」
俺は書き終わった書類をおじさんに渡す。
記入項目は少なくすぐに書き終わった、正直困難でいいのか?とめっちゃ思った、半分が書かなくて良いところだし。
最後の項目に質問等て書いてあったため、とりあえず頭に浮かんだ気になること書いといた。
答えてくれるかは目の前のおじさん次第だからなんとも言えあい、もしかしたら登録とか出来ないかもしなれいけどw。
おじさんは書き終わった書類を見て、記入漏れ等がないかのチェックをしている。
「はい、これで書類の記入は終わりです。では次に冒険者ギルドと冒険者の規定などのお話していきますね、それとこの国には初めてなのですね?」
「はい」
「では、その辺の説明を込みで話させていただきます」
「お願いします」
おじさんは普通に質問等に書いた事を説明してくれるようで安堵した。
「まずはご質問にあったこの国について説明させて戴きます。この冒険者ギルドがある国はシルヴァニア王国と言って大陸中央部に位置している、この大陸には他にも4つの大国があり」
ここで言葉を区切ると地図を広げ始め、指を差しながら他国の説明をしてくれた。
「この国の西側にはウェストロン帝国、東側にはイース皇国、北東側にはグズフスタン国と言ってここは獣国とも言われている。因みにこの大陸には特に名前はないからね、各国でバラバラの呼ばれ方はあるみたいだけど、あとは今大国の話はしたけど他にも無数の小国があるよ」
なるほど、エルザが言っていた争い中の国とは帝国と皇国か。
獣国は多分山脈が間にあるから違うだろうし、争い中なのは西領と東領だけぽいっしな。
「この大陸以外にも小さいけれど大陸はあって、他の大陸にも国はある。聖国に日ノ国、エルフの国、連合国、魔法国と様々な国が存在している。他にも小さい国はあるけれど主には今言った5国が他大陸の主な国だ。これで大陸については以上だ。」
「あ、ありがとうございます」
「では次にこの国についてですね。国名は先程も言った通りシルヴィニア王国と言って・・・」
話が長かった、とてつもなく長かった。
簡単にまとめると、この国には5個の領があって各領には各々盟主が存在している、その盟主はエルザから説明があった通りだ、最後の5つ目は中央領になっていて盟主は勿論王様。
簡単な話、領地は王様から貸し出されてるものだけど王様が全部の領地、領主の話を聞いて指示を出すことはできないから東西南北で盟主を決めて盟主を中心に動かせるようにしている、よっぽど大きな事案以外では大体が盟主の判断で解決するらしい。
ここで気になった反乱とか起きないのかと聞いたら、実際過去には反乱が幾度かは起きてるらしいが王様の手腕で沈静化してきたらしい。
後はエルザの話とそう違いはなかった。
そんでついでに冒険者とギルドについても話が長かったからまとめてみた。
まず、冒険者というのはそのまんまで未知の領域の探索、魔獣退治、ダンジョン攻略、魔物退治をする者立ちの事を指す。
冒険者ギルドというのはそれらの人達をまとめる機関のことをいい全世界に展開している、その為世界各地に展開しているという。
まぁ簡単に言うと、異世界展開のあるあるの冒険者・冒険者ギルドそのままだった。
冒険者ギルドには他国との過干渉は禁じられているため戦争の参加などはないらしく、そういうのに関わるのは傭兵ギルドと呼ばれるところらしい、他にもギルドはあり、商業ギルドや錬金ギルド、鍛治ギルドとかまぁ定番中の定番のギルドもある。
後は銀行ギルドとかもあるみたいで、他にもいくつかあるそうで街と呼ばれるところには絶対あるみたい。
そんでお待ちかね、最後には冒険者ギルドでのシステムについてだ。
まず冒険者というのは階級制になっていて5等級〜1等級と階級別になっている、後は特別等級と言って特級という階級もあるみたいだ。
最初はみんな5等級から開始で、よくある試験とかはないみたいで誰でも18歳以上ならなれるという。
まぁ簡単にいうと自分の責任という事だろう。
他には依頼を受ける時には必ずギルドを通さないといけないとか、依頼には期限が設けられているものが普通で期限内に達成できない場合は規約違反になり、違約金が発生する。
他にも依頼書に書いてある特記事項を守れない場合も違約金が発生するらしい、他には冊子を渡され冊子の中に書いてあることも破れば違約金又は冒険者の資格も取り消しになることもあるらしい。
冒険者の資格には自分の身分証の代わりにもなるらしく、各地の街に出入りする際見せないといけないらしい。
資格証の形は身分証の代わりにもなるし、すぐに使えるようにと死亡確認をすぐに出来るようにとドックタグと同じ形になっていて5cmぐらいのプレートが2枚ヒモに吊るされている物を渡された。
プレートには名前や年齢と裏にはデカデカと等級数を表すものが数字が書かれていた。
俺がこの街に入る時にはエルザ達と一緒で簡単に入れたらしい、本当だったらこの街に入ることも出来なければ時と場合には拘置されるかもしれないと言われた。
因みに俺のことではなく、例え話としておじさんに聞いた。
危ないところだったよ、あの時助けといて良かったとも心底思った。
そんなこんなで話は終わり、おすすめの宿の場所を聞いてギルドを後にした。
第6話はどうだったでしょうか?
楽しかった、面白かったという方は評価の方よろしくお願いします。
ご一緒に誤字脱字の報告なればよろしくお願いします。
評価の次いでにコメントもして貰えると大変嬉しく思います。
次話をよろしくお願いします。