表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/133

第12話 ガルーダ!

「そうか......それがお前の選んだ道ならば、致し方ない......」



カシャッ。


カシャッ。


カシャッ。


カシャッ。



4本の剣が同時に抜かれる。東、西、南、北に1人ずつ。無傷の屈強なる剣の達人らが、四方から今にも自分に襲い掛かろうとしている。



一方、あたしは立っているのもやっとだった。切り裂かれた左腕からは、ダラダラと血が流れ続け、意識は朦朧とし始めている。しかも、正面に立つゾールの姿が二重にも三重にも見えてる始末。もはやこんな自分だったら、屈強な兵士の剣を血で汚す必要も無かろう。それ程までに、今の自分は無力だったと言える。



やがて、その時がやって来た.....



「者共、この謀反者を成敗せよ!」



「「「御意!!!」」」



終わった......


ソニア様、お力になれず......


申し訳ございませんでした......



あたしは最期の力を振り絞り、弱々しい力で剣を握り直した。その時だ......



バサッ、バサッ、バサッ......


バサッ、バサッ、バサッ......



何やら、背後から羽ばたくような大きな音が近付いて来る。あたしはその音に聞き覚えがあった。


まさか、まさか、まさか......


お前......来てくれたのか?!



そして、ゾール達が一斉に剣を振り上げた正にその時だった!



バサッ!


............


............


............



気付けば......あたしの身体は宙に浮いていた。そして、下を見下ろせば、ゾール達4人の途方に暮れた顔が眼下に見下ろせる。



「有り難う......ガルーダ」



バサッ、バサッ、バサッ......



コンドルの背中に乗った空軍隊長モニカは、意思を持った自らの『飛行機』に今回は辛くも救われた。そしてそんな『飛行機』は、両翼3メートルにも及ぶ翼を豪快に羽ばたかせながら、その高度をぐんぐんと上げて行く。



「さぁ、ガルーダ! あたしを連れてっておくれ! アダム様が待ってる『ポパイ大陸』へ!」



運命とは皮肉なもの......モニカが向かった先にアダムは居ない。アダムが女の子と間違えられて『オリーブ大陸』へ連れて行かれた事など、もちろんモニカは知るよしも無かった。


野蛮な男しか居ない『ポパイ大陸』に、傷付いた美戦士がただ1人降り立ったりしたならば、一体どう言う事になってしまうのか......悲観的な事ばかりを考えてしまう。


今はただ祈ろう......忠義の士モニカが苦難を乗り越えて、無事アダムを救い出す事を。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ