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第3話 のぼせてる?

「こ、こ、これ......」



「これって......何よ?」



「これ......」



「だから、これって?」



「それよ......」



見れば、マミーは目の前を指差している。マミーは座ってて、あたしは立ってる訳だから、マミーの目の高さに有るものと言えばそれしか無い。何か嫌な予感が......と言う訳で、あたしは恐る恐る股関を見下ろしてみた。



何だか湯気がいっぱいで、よく見えない......すると、フーッ。なんとマミーは湯気をおちょこ口で吹き飛ばしたではないか。



............


............


............



「これって......まさかこれのこと?」



「そうね」



「これって......なに?」



............


............


............



「......」



「ちょっと......ここまで来てなんで黙るのよ?」



「......」



「なっ、なんなの?! この、と、と、と、突起物は?!!」



正直、あたしはショックだった。今まで引っ込んでいた所が突起している。そんなの今まで見た事も無いし、聞いた事も無い。そう言えば......ここのところ、マミーの様子がちょっとおかしかった。しかも今、あたしのこんな身体の変化をまるで知っていたかのような質問をして来たばかりだ。間違い無い......マミーは何かを知っている!



と言う訳で、



「全部話して。マミーの知ってる事を......あらら?!」



見ればマミーの鼻から血がタラリ。そう言えば、さっきからずっと48度の熱湯に浸かりっぱなしだ。きっと話の流れからして、湯から出るタイミングを逸していたのだろう。



「なんか頭がクラクラして来たわ。あたし、先に出るわね。それじゃお先に......よっこらしょっと」



「大丈夫? ほら、あたしに掴まって」



途端にこの場から逃げ出そうとするマミー。でものぼせてる事は間違いない。なおも鼻血が勢いよく吹き出している。まぁ、これ以上の事を聞くのは、また今度にしよう。風呂で倒れられても困るから......やっぱ48度は熱過ぎだ。しかも夏だし。



あたしはマミーの身体を支えながら、露天風呂を後にした。なんかブラブラしてるのが気になったが、これはもう慣れるしか無い。



その後、部屋に戻っていつものように薬を煎じて飲んでみると......



また驚いてしまった。あら、いきなり引っ込んじゃった! さっきまで露となっていた『突起物』が、跡形も無く消えてるじゃないの!



どうやら顔から伸び始めた毛といい、股関の突起物といい、12才の誕生日を境に現れ始めたあたしの身体の変化は、この毎日飲んでる『薬』と関係が有るらしい。



んんん! なんと無く分かって来たわ......この薬はそんなあたしの身体の変化を抑える薬で、あたしの身体が大人になって来たから、効き目が悪くなって来た......そう言う事なんじゃ無いかしら?



よ~し......ものは試しだわ。明日は薬を飲まないでいてみよう。一体どう言う事になるのかしら? 何だか今からワクワクして来たわ。飲まないで死んだら、それはそれで運命だと諦めるしか無い。でも多分......死なないと思う。



それは正に......



禁断の扉が開かれた瞬間だったと言えよう。12年前、村長のバーバが予期していた最悪のシナリオが遂に始まってしまうのか否か? その答えを知る者が居るとしたら......それは洞窟の中で未だ静かに眠るマリア様くらいなのだろう。クワバラ、クワバラ......



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