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第2話 どうしたって言うの?!

遥か沖合いの向こうには、まるで蜃気楼のように陸地が見え隠れしている。それがあたし達の『オリーブ大陸』と同じで、別の『大陸』である事は間違い無い。



とにかく今日もいつもと変わらず、海は荒れていた。初めて海に出る者は、その殆どが『船酔い』に祟られるらしい。でもあたしは全然平気よ。きっと海があたしを受け入れてくれたんじゃないかしら......なんて勝手な解釈をしているその時だった。



「おっと、雨雲が近付いて来た。そろそろ引き上げるぞ。未来の漁師姫よ!」



「うん......」



漁師姫か......なんか違和感を感じる。姫ね......ブツブツ、ブツブツ......



ブツブツ姫を乗せたパピーの漁船は、瞬く間に、岸へと戻って行く。毎日海に出て、毎日無事に帰って来れる所以は、こう言った危機意識の賜物なのであろう。



今日も珍しい魚がいっぱい釣れた! いつの間にかあたしの頭の中は、夕食の献立の事でいっぱい。そんなざっくばらんな性格だからこそ、雄大な海に似合うのかも知れないな......ブツブツブツ......いつの間にか水平線に沈み掛けた太陽が、そんな雄大な海を真っ赤に染め始めている。



そして今宵、あたしに取って決定的な事実を知らされる重大な事件が巻き起こってしまった。それはいつものように、夕食後、マミーと一緒に風呂へ入っていた時の事......



 ※  ※  ※



「い~い湯だな、ハハハ~ん!」 BY オリビア



「い~い湯だな、ハハハ~ん!」 BY リラ



気持ちいい......やっぱパピーが造ってくれた露天風呂は最高! 地中を深く掘って温泉引き上げたんだって。つまりこの露天風呂は源泉掛け流しって事ね。全く贅沢な話だわ......



あたしとマミーはいつものように、足を伸ばし2人並んで顎まで湯に浸かっていた。いつもは夕食が美味しかったとか、隣のマミーが意地悪だとか、そんな取りとめの無い話に花が咲くんだけど、今日に限っては、何だかマミーが緊張気味。するとマミーが突然変な話を切り出して来た。



「オリビア......最近、身体の調子はどう?」



別に普通の話なんだけど、あらためて聞いて来るような話じゃ無い。やっぱ様子が変だ。



「身体の調子って......例えば?」



「う~ん......何て言うか、その......体型って言うか、変って言うか......なんか薬が効いて無いって言うか、その......」



モジモジ言ってるけど、要約すると『薬が効いて無くて、体型が変になっていないか?』と言いたいらしい。



正直、その事はあたしも気になってた。でも現実的には、顔から毛が少し生え始めてる事くらい。それも朝剃ってしまえば、他人に気付かれるレベルじゃ無い。



「自分の目で確かめてみたら?」



それが一番早いと思った。あたしは、湯から立ち上がり、エイッ! マミーの目の前で惜し気も無く、全裸をさらけ出して見せた。論より証拠、た~んと見て下さ~い! ほれっ!



ザバッ。



するとマミーは、



「おお、バーバ様......この罰当たりなリラをお許し下さい!」



突然、マミーは顔の前で手を合わせ、オーマイガーッ! を演出しているではないか!



な、な、な、な、なに?! あ、あ、あ、あ、あたしの身体がどうしたって言うの?!



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