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第3話 これって不味い展開?!

そんなこんなで......あたしはローブを羽織り、ギー、バタン......夜な夜な家を抜け出した訳なの。



「あ~......」



「う~......」



マミーとパピーの寝室から変な声が聞こえて来るのは、別に今夜に限った話では無い。あら、今夜も壁に掛けてあった天狗のお面が無くなってる......


隣のヒルダ姉さんから聞いたんだけど、どこの家のマミーとパピーも、寝る前に『レズ・リング』と言うスポーツで汗を流すそうだ。きっと昔から伝わる秘伝のストレス解消法なんだと思う。天狗のお面もきっと『レズ・リング』で必要な道具なんだろう。


因みにあたしは10才の時、家を守る『道』を選んでいる。身体は華奢だし、運動は苦手だからね。うちのパピーみたいに海へ出て漁をする何て絶対無理だから。


あたしも将来いいパピーと巡り会えたら、『レズ・リング』なるスポーツを毎晩やってみたいと思う。汗をかくのって、やっぱ気持ちいいもんね。



と言う訳で、松明に火を灯し、あたしは村を出て行った。道に迷わなければ、行って帰って来るのに1時間も掛からない。まぁ、通い慣れた道だから迷う事も無いでしょう......正直、その時は軽い気持ちだった。



ザッ、ザッ、ザッ......1歩先へ進んで行く度に、村の灯りが遠退いていく。何か心細い......などと思いつつも、引き返すと言う選択肢が存在する訳も無かった。



やがて10分も歩いていると、ポツン、ポツン、ポツン......何かが顔に当たり始める。やだぁ......雨降って来た。濡れちゃうじゃん!



最初はポツン、ポツン、ポツン......で始まったそんな雨も、やがては、ポツ、ポツ、ポツ、ポツ......それがいつの間に、ザーザーザーザー......となり、気付けば土砂降りへと進化を遂げていった。



ちょっと......これ濡れるどころの話じゃないよ。松明が......消えちゃうって! 



その時、あたしの背中に冷たいものが走った事は、今でもよく覚えてる。通い慣れた山道だけど、こんな夜に歩いた事は無い。しかも、松明の火が消えるような事にでもなったら、手探りで前を進まなきゃならなくなる。あたしは松明を雨から守るべく、前屈みの姿勢で急ぎ足を始めた。



やがて......



ガサッ、ガサガサ......



ゴソッ、ゴソゴソ......



「ん? 何の音?」



   ザザッ、ザザザザ......



バタバタ、バタバタ......



     スタスタ、スタスタ......



  ガルルルルッ!



    ガルルルルッ!



  ガルルルルッ!



なんか知らないけど......



これってもしかして......



まずい展開......かも?



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