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第16話 絶体絶命のピンチ!

あちきは一瞬目を疑った。幻?! かと思ったくらいだ。でも今目の前に現れた救世主は、間違いなく『ゴーレム国』空軍隊長......決して味方では無い筈のモニカだった。


あちきは、真のアダムを殺す為にこの大陸へやって来た。それでこのモニカは、アダムを救う為にやって来た筈......なのに、なんで?!


バサッ!......突然、目の前で何かが光る。それはなんと、月光が反射したモニカの剣だった。気付けば、あちきの手は自由を取り戻している。モニカが、あちきの手に巻かれたロープを一刀両断、見事切り離してくれたのだ。


「何であちきなんかを......」


「お前とあたしは敵同士。でもその前に人間同士、女同士だ。同じ女として見過ごせない事もある。まぁ、話は後だ。まずはこいつらを蹴散らせ!」


「......わかった」


あちきは既に息絶えた兵の剣を拝借すると、


「てやぁ!」


ザクッ。


「うっ......」


手当たり次第に切り捨てていった。いつの間にやら、丘から駆け下りて来たモニカの手勢らしき者達も乱戦に加わって、時を追う毎に立ちはだかる者達の数は減っていった。


やがて目の前の敵ばかりに気を取られていると、突如背後から風を切るようた音が!


しまった! 後ろか?!


慌てて振り返ってみると、剣を振りかざした者が今にもあちきの頭に振り下ろそうとしているじゃないか! まっ、間に合わない!......体を翻す時間も無ければ、剣で剣を遮る暇すら無い。この時ばかりは、さすがのあちきも死を覚悟するしかなかった。


ところが......そんなあちきの前に、突如として黒い影が現れたのである。その影はとても大きく、そして驚く程に逞しかった......


バサッ!


「うっ......」


寸前のところで、そんな影なる者にあちきは命を救われたのである。


「か、かたじけない!」


............


............


............


今思い返せば......


この時あちきは、直感的に何かを感じ取っていたのかも知れない。その者から発せられる神々しきオーラを......


威に圧倒され、あちきは思わずその場に膝まずいてしまう。すると......


「あんた......女である事を誇りに思っていいんだぜ。女には女しか持てない強さってもんがある。俺はその事を一番よく知っている」


こんなあちきにそんな有り難き言葉を掛けてくれたその者の前髪は、いつしか秋風にユラユラ揺れていた。そして、そんな前髪の隙間から姿を現した大きな『アザ』は、あちきの人生を正しき道へと導いてくれる道しるべだったに違い無い。


我、誤てり......この人こそが我が主君!



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