第15話 助太刀するぞ!
何たる不覚! よりによって、『4番』行ってる時に拉致されるとは......しかも完全に人違いじゃないか。臥龍村? なんだそりゃ? それと、何なんだこいつらは?! 巷で流行りの半ぐれ集団か? 見れば見る程に、人相悪いじゃんか......
ああ......もう嫌だ。踏んだり蹴ったりじゃん。大体ベーラ様は何を考えてるんだ?! アダムを殺すだけならまだしも、2大陸の男女を全員殺すだって?!......いくら何でもそりゃやり過ぎだろう。
あたしの後にゾール隊が、大艦隊を引き連れて、この『ポパイ大陸』にやって来る筈......あと3日もすれば、この大陸は火の海と化すに違い無い。
待てよ......もしかしたらベーラ様は、失敗したあたしを、この大陸の人間諸とも殺すつもり何じゃ?......いや、まさかそこまでは......
正直、この時あちきは、完璧疑心暗鬼に囚われていた。頭がモヤモヤしたまま歩いていると、ちょっとした小さな窪みにも足を捕らわれてしまう。ズルッ......
「あや?!」
ドテッ! 無惨にも見事な転倒をやらかしてしまった訳である。すると、
「さぁ、さっさと歩け!」
バシッ! いきなり偉そうにしてた背後の奴が、あちきの身体を棒でなぐったのである。
「い、痛ってぇ~! あちきを殴るな!」
あったま来たから、思いっきり怒鳴り付けてやった。そうしたら何と、そいつは飛んでも無い事を言い放ったじゃないか。それはあちきが一番恐れていた事だった。
「ん? お前の身体......何か変だな? おいお前ら、こいつの服を脱がせてみろ」
「へい」
「了解です、大将」
きっと歩いてる時はバレなかったんだろう。でもコケて仰向けに倒れた姿を見たら、その『違い』に気付いてしまったに違いない。
バサッ、バサッ......
「おい、ちょっと止めろ! な、何するんだ?!」
今あちきは後ろ手に縛られていた。そんな無力な女子は、5人もの男達に囲まれ、ぶっとい10本の手で手当たり次第に服を引きちぎられ始めてる。
バサッ、バサッ......
「止めろ! 止めろ......」
何を言ったところで、こ奴らの手が止まる訳も無かった。あちきの肌が晒されていくにつれ、10人の悪魔の顔がどんどん紅潮し始めていく。こりゃもうダメだ......こ奴らの封印されてた本能を、遂に目覚めさせてしまった。
このマルタ様を嘗めんなよ......こんなダメ女のあたしだけど、ダメ女にはダメ女なりのプライドってもんが有る! お前らなんかにこの身体を蹂躙される位なら、いっそのことこうしてやる!
あちきが死を覚悟し、ピンク色の舌を正に噛み切ろうとしたその時だった。
バサッ、バサッ、バサッ......何やら上空から羽ばたき音が聞こえて来たじゃないか。それで、次の瞬間には!
「マルタ、怯むなかれ! 空軍隊長モニカは助太刀するぞ!』
「えっ? モ、モニカ?!」