表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/133

第12話 10人? 20人? いやそれ以上だ!

それはそうと......またしても今モニカさんは意味不明の言葉を口走ったぞ。『主君』の前でって......誰の前だって言うんだ? 因みに今ここに居るのは、俺とジャックとモニカさんだけだ。そんでもって、恥じらいも無くディープキスしてたのはこの2人。それを見てた『主君』って言ったら、もう俺1人しか居ないじゃないか。俺の名はアダム......そしてそんな俺はモニカさんの主君? もしかして、俺って王様?......ハッ、ハッ、ハッ......何をバカな事を......


「さぁ、モタモタしてる場合じゃ有りません! 急がないと!」


「そうですよ、アダム様!」


お前達にだけは言われたく無い!......などと思いつつも、実際、兵がやって来たら面倒臭い事になる。


「よし、行こう!」


「「御意!」」


タッ、タッ、タッ......


 タッ、タッ、タッ......


  タッ、タッ、タッ......


暗闇の中を疾風の如く駆け抜けて行く、3人の若者達だった。


何か知らんけど......時間の経過と共に、俺の部下が増えてくような気がする。今、俺とジャックとモニカさんの後ろには、なんと10人の若者が必死になって付いて来てる。話によると、その連中はモニカさんにすっかり懐いてしまった自警団の精鋭なる者達らしい。


『兄貴! 一生付いて行きやす!』......別に盃を交わした訳では無いが、そんな事を言って来た連中が今後に付いて来ている。


この時点で、『オリバー(アダム)組』の構成員は、村兵を含めて100人近くに膨れ上がっていた。なんかちょっと怖くなって来る気もするけど、仲間が多い事に越した事は無い。少し気が引き締まるわ......


途中、休憩中にモニカさんから色々な話を聞いた。どうやら俺は『ゴーレム国』ってやたらとでかい国の王子なんだとさ。そんでもって、モニカさんはその国の空軍隊長だって話だ。それ以外にも、聞いた話は数多。どれもこれも驚く事ばかりだった。


『ゴーレム国』が人口を増やさない為に、生まれたばかりの子供を親から引き離して、それぞれ違った大陸に男と女を分けた事......


俺が生まれた途端に、別の子供とすり替えられた事......


父のシーザーは、側妻のベーラなる者に殺され、今そのベーラの子供がアダムを名乗り、国王の座に就いている事......


そして俺の母ソニアは、投獄されてる事......


全てが信じられるような話じゃ無かった。でも悲しいかな......それは全て実際に起きている現実だ。


ここに来て俺は漸く分かったような気がする......サメに襲われても、クジラに飲み込まれても、未だ生を長らえてるその理由が......


きっと神は俺に、この腐れ切った世の中を浄化させようとしてるんじゃ無いかと思う。これから先、1,000年も2,000年も人類が末長く生き続けられる世の中を作れ!ってね......


それともう1つ......モニカさんの話を聞いて、それまで抱いていた大きな謎が解けたのである。それは人の誕生に関する話だ。

なんと、驚くなかれ! エッチをすると、子供が生まれるそうだ。ええっ! ちょっとイブさん......大丈夫? って、直ぐにその顔が頭に浮かんだわけ。毎日山の中で......いや、何でも無い。


ああ......イブさん、今頃どうしてるんだろう......


「イブさんっ!」


俺が夜空に向かって、愛するその名前を叫んだその時に、神はまたしても俺の前に、忠実なる僕となる者に巡り合わせてくれたのである。


「みんな火を消せ! 誰か近付いて来るぞ!」


ザッ、ザッ、ザッ......


 ザッ、ザッ、ザッ......


その足音は、決して1人や2人じゃ無かった。10人? 20人? いや、それ以上だ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ