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第10話 ドキドキした

スヤスヤスヤ......



腕の力を緩めた途端、赤ちゃんは安心した表情を浮かべ、再び夢の世界へと戻ったみたいだ。

危ない、危ない......赤ちゃん抱いてるのすっかり忘れてた。気を付けないと......まだ生まれたばっかなんだから。



フウ......私は呼吸を整え直すと、今一度興味津々、壁画に目を向けてみた。あらためて見直しても、それはそれは恐ろしい壁画。どうやら壁画は、4ブロックに別れているみたい。



(まず1ブロック目)

そこでは2人の『人間』が、それぞれ背を向けて横向きに立ってる。なぜだかは分からないけど、2人共に裸。キャーッ!


左を向いた『人間』は、比較的体躯は小柄。髪は長くてラインが曲線ぽいから、私達と同じ正真正銘『人間』だと思う。


一方、右を向いてる『人間?』......比較的体躯は大柄ね。髪は短く、ラインは直線的。それで......下半身には、この赤ちゃんと同じ、私達には無いものが飛び出してる。


壁面に描かれた違ったタイプのこの2人。凄い近くに居るのに、なぜだか、互いにそっぽを向いてる。まるで、互いの存在に気付いて無いみたい。



(2ブロック目)

ここにも、1ブロック目の2人が描かれている。裸である事は変わり無いけど、今度はそっぽを向いてた2人が、互いに見詰め合っている。しかもなんと......2人の唇が重なり合っているじゃん! キャーッ! ハレンチ!


(3ブロック目)

そこには大勢の『人間』と『人間?』が、入り浸って描かれてる。小さな子供も居れば、腰の曲がった老人も居る。それで笑顔を浮かべている者も居れば、拳を振り上げている者も居る。


それまでは2人だけだったのに、2人が互いにその存在を認識した途端、大勢になっちゃった。きっと『こうのとり』様も忙しかったんだろうな......こんなに大勢の人を、篭に乗せて運んで来たんだから。


でもこの壁画......ちょっと気になる。あちこちで喧嘩してるみたいだから。みんな仲良くしないといけないわ......


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