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魔帝  作者: 松本 力
魔馬車
7/192

魔馬車 7

 派手な兜をかぶった首が跳ね飛んだ。

この将は河岸守備隊の主将であった。

にわかにバルダ陣は崩れた。

そこへホルツザム勢本隊が押し出す。

こうなればもう決着はついたも同然である。


 渡河を終えたホルツザム軍は、砦前に陣を張る。

すぐに破城棍部隊が前進した。

破城棍で城門をしばらく突くと、門は破れた。

ホルツザム軍は砦になだれ込んだ。

守備隊は次々に蹂躙され、辺りは地獄絵図と化した。


 オデュセウスはバルダの守備隊総指揮官ラッセルをさがし、馬を捨てて走った。

中央の塔に指令室があると聞き、すぐそちらに向かう。


 既に指令室には何十名かの兵が詰め掛けていた。


「様子はどうだ、ラッセル将軍はいるのか?」


 オデュセウスが尋ねると、兵の一人が応えた。


「はっ、只今ガゼル殿が手勢五十名を率いて中に」


「いつ頃?」


「左様、十分はたちますか」


 それ程大きな塔ではない。

やや時間がかかっているらしい。


 オデュセウスはやがて集まってきた自分の隊員達とともに、ガゼルが出てくるのを待った。


 しかし、一向に出てくる気配がない。


「妙だ」


 かれこれ四半刻は過ぎている。

だというのに、ガゼルが出てくるどころか、静まり返っている。


「先鋒隊員、全員戦闘構え!

 これよりこの塔に討ち入り、ガゼル殿を救出する!」


 先鋒隊はまだ全員健在である。

ホルツザム最強と言われる小隊全員の顔に緊張が走る。


 オデュセウスには感じられた。

何か異変が起こっている。

意外な抵抗か、罠か、あるいは別な何かか。

ただ、ガゼル率いる部隊が危険にさらされているのは間違いない。

時間が、それを雄弁に語っていた。

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