表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔帝  作者: 松本 力
ソルドの墓
191/192

ソルドの墓 10

しばらく彼は部屋のなかを調べた。

よく見れば壁には多くの古代文字が刻まれ、恐らくそれがこの部屋の封印を形成しているのだろう。

彼はそれを丹念に調べた。

すると、そこに脱出の方法が記されていた。


 彼は右手をあげ、指を三本立てて、呟いた。


「希望」


 その刹那、彼はもう元いた灯籠のある小さな建物にいた。

あの部屋へ入ったときと同じように突然ここにいた。

どういうからくりかはわからないが、この世の摂理とは違う何かの力だったのだろう。


 明け方だった。

建物から踏み出て見上げた満天の星空は、もう東が少し白み、風が頬を撫でると随分冷たかった。


 薄暗い廃墟の側に、巨馬の姿がある。

その足元には、荷物に腰を掛けているシ・ルシオンの姿もあった。

ローブは彼らの元へ歩いていった。


「お待たせ」


 オデュセウスは少し驚き、また安心したような風だった。

それと比べて戦士は、特に動じた様子もなかった。

ただ一言、


「首尾は?」


とだけ尋ねた。


 ローブは少しためらい、いくつか言葉を探し、


「上々、だろうな。

 ただ少し、重いね」


と返した。


 程なく彼らは、遺跡を発った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ