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魔帝  作者: 松本 力
ソルドの墓
188/192

ソルドの墓 7

「なんだ、これは?」


 創造神トルキスタと冥王ホーツマルグ、そして魔王誕生の経緯についての記述から始まり、伝承程度であった天界と魔界との戦いについて、詳細が記されていた。

それだけにとどまらず、大地の誕生や、その目的についても、詳細な記述がある。


 五つの聖地とその意義についても述べられ、しかも、


「その内の一つは、地上にはなく、我らが見上げる天空にある」


と書かれている。


 読み進めればその度に、ローブは驚き、戦慄した。

一つにはその内容に、もう一つには、これを記述するに至った大賢者ソルドの存在である。


「どうやったらこんな内容にたどり着くんだ。

 大体、創造神トルキスタってなんだよ」


 トルキスタ聖教の伝承には、神、冥王、魔王の存在は記述が残っている。

だが、創造神トルキスタという名は、初めて目にした。

トルキスタ聖教の神はあくまで「神」として伝承されており、その名は伝わっていない。

冥王の名についてもそうだ。

魔王や魔界についても、この古文書ほど具体的な記述は初めてだ。


 そして、魔界門の目的も、明確に記述されている。

さらには、魔界門と対をなすもう一つの門、「天界門」の記載もある。


「これは、いけない」


 ローブは、その書を読めば読むほど怖くなった。


「これは、止めないと。

 マイクラ・シテアを止めないと。

 しかし止めてどうなる?」


 ブサナベンは、戦士ドルアーノが刺し違える形で滅んだ。

だがそれでは、無意味ではないものの、本質的な解決ではない。

同じような存在であるマイクラ・シテアを滅ぼしたところで、再び争乱が繰り返される。

大賢者ソルドは、そう主張していた。


 そして、後半になると、新たな戦士についての記述があった。


「ドルアーノを凌ぐ戦士。

 その名はシ・ルシオン」


 ローブは震えた。

震えが止まらなかった。

なぜ千年前の人が、あの巨人の名を言い当てるのか。

なぜ千年の間隠され続けた書物に、その名が刻まれているのか。


 そして、あの巨人の意義が、目的が、語られていた。

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