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魔帝  作者: 松本 力
北の竜
158/192

北の竜 12

「生憎お前さんは死なないのだよぅふふへへ。

 死ぬんだったら、こやつやバルザムと同様に魂を採取するのだがねぇぃひひゃひゃ」


 ガイルは闇をひたすら睨みつけていたが、ふと闇が言った言葉が気になった。


「バルザムだと?」


「そぉうさ、ホルツザムの老いぼれ将軍バルザム閣下様さぁひゃひゃひゃ。

 今はわしが作った失敗作の鎧人形になって、随分ご満悦だがねぇへへひひ」


 ガイルは目を見開いた。

一つの理性は「そんな馬鹿な」と叫ぶ。

しかし別な理性が「あり得る」と納得する。

噂に聞く強引な攻め、そして優れた統率力。

基本はおさえているものの、特に戦術が際立って優れているわけではない。

しかし、当初バラバラだった魔物どもを短時間でまとめ上げる手腕は、明らかに非凡だった。

この特徴は、確かに先日死去したホルツザムのバルザム将軍と一致する。


「ガイル殿、今回の攻撃は世界に対する警告なのです」


 穏やかな声で、杖が言う。


 それ以上は、杖は何も言わない。


 闇の化け物はその言葉を特に気にした様子もない。


「さて、お前さんはあの城を守れるのかのぅひひひゃは」


 すると、闇の後ろに紫にぎらぎら光る裂け目が現れた。


 闇はおぞましい笑い声を残し、その中に吸い込まれた。


 跡には相変わらずの吹雪だけが残った。

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