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詩*卒業写真*

通過点

作者: a i o

僕たちは澄んだ瞳などしていなかったし

燻りつづけてすでに心は真っ黒だった

簡単に永遠をうたい

そして簡単にそれを手放した

その場限りで

信じられることを信じ

信じたいことを信じ

疑いの目を向けられることを恐れ

こまめに証拠を隠滅していた

浅はかさとずさんな手口

内心の饒舌と

寡黙な外面

誰一人として

自分を分かっちゃくれないと思っていたし

それが当たり前だとは露程も思わず

不満ばかりをこぼす

端末のなか


真っすぐに歪み

憎しみの中で世界に振り向いてほしかった

過ぎ去った無条件の愛情

肯定と承認

視線

会話

沈黙

そして視線

内にあること外にいること

自棄と見栄が交錯する


止まない嵐

凪ぐことのない葛藤

孤独につけ入れられること

孤独につけ入ること

僕たちはそれなりにずるがしこかったし

足りないものが多すぎたのに

それが何なのか知る由もなかった


衝動の中で飛躍する理性

スコールそして突然の夕立

過ぎ去って行くこと

煙る霧の明ける場所

そうして

解決とは程遠い場所で

凪いでいくもの

外れていくことと融合すること

僕が君じゃないことと

君が僕じゃないこと


晴れあがった空に

すがすがしさよりも

寂しさを感じるのは


忘れていく切なさと

思い出す苦い後味

もう戻れないこと

まだ時折感じてしまうこと


僕たちが

僕と君になること

それを受け入れること


そしてようやく


ひとりになること







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