合法ショタを抱いた結果
「……」
あたしは【桃花】。
178センチの32才。体重? 聞くなよ。
スーパーの精肉売場で肉を切ったりバラしたり詰めたりして生活費を賄っている。
「うぅ……」
このモジモジモジモジしているチビの小学生は【孝太郎】……いや、こう見えて二十越えてるんだが見た目がこんなだから【ショタ朗】ってアダ名で呼ばれてる。
同じスーパー勤務。
この春めでたく正社員になるそうな。
「うぅ……あぅぅ……」
モジモジモジモジ……なんなんだよ?
「なぁ? お前が誘ったんだぞ? 東京タワー。話したいことってなんだよ? なんでわざわざ東京タワーに……」
「もう少し待ってくださぁい……心の準備が……」
「心の準備ってなんだよ……早くしろって」
「うぅ……」
「わかった……わかったから落ち着け」
もう馴れた。私とコイツはほとんど一緒に暮らしている。
つっても付き合ってるわけでなく、どうにも放っておけないコイツの面倒をなんとなく私がみてやってるだけだ。
肉体関係があるか? ……一度だけな。スーパーの連中と私の部屋で飲み会をしたときにコイツがグデングデンに酔っぱらったから泊めてやったんだ。
私も酔っててさ……気がついたら両手で顔を覆って泣くコイツの上にまたがって腰をグラインドさせてたってワケよ……
やらかしたわー。
それ以来ミョーに私になついたコイツは事あるごとに泊まっていくようになった。
まぁセックスはさせなかったけどね。
時々私の下着でコソコソオナってるのには気づいていたが、それぐらいは許してやった。
「お前……この数ヵ月よく私の部屋で飯食うよな? 金……何につかってんだよ?これからは正社員なんだからちゃんとしないとダメだぞ?」
「はい……」
モジモジモジモジ……
「もういい……」
なんだかなー。私は何やってんだ? 32もなってこんな合法ショタと東京タワー……悲しくなってきた。
あ〜あ〜……どっかにシュワちゃんみたいなムキムキのいい男いないかなぁ〜……
「決めた!! と……桃花さん!」
「なんだよ? 気合いはいってんなぁ……」
「これを……うけとってくひゃひゃ!!」
噛みまくりじゃねーか……ってコレは……指輪ぁ!?
「なんだよこれは!?」
「ぼ……僕たちも付き合いはじめて1年……僕もこの春、正社員になるので……お……男のけじめでひゅ!!……結婚してましゃい!!」
「噛むなよ! なにいってんだお前!? 付き合ってないだろ! 私たち……結婚!!!?」
コイツもしかして指輪を買うために食費を切り詰めてた? それで私に食わしてもらってたら意味ないじゃん!!
私は大女、コイツの見た目は小学生。通報されちまうよ……つーか皆見てるよぉ!!
そこの女のひと!『犯罪者……?』って呟いた? 違うよ! コイツ二十歳越えてっからぁ!!
「つ……付き合ってます!だって僕たち……【セックス】したじゃないですかぁぁ!!!! だから僕は……責任をとってぇぇ!!!!」
「ぎぃやぁぁぁ!!!!」
私は孝太郎の口を塞いだ。なにコイツ? 本当に平成生まれ? 確かに1回したけど!! でもそれからしてないじゃん!! 責任って……私別に処女じゃなかったぞ!!
「むぐ……僕だって……僕だって男だぁぁ!!!!」
ズキューン……
……てな音が聴こえたよ……
孝太郎は背伸びをして私の襟をつかみ、キスをしてきた。
「あう……」
力が抜ける……なんだこれ?
孝太郎が全力で目を閉じ、キツツキみたいに何度もキスをするたびに胸の鼓動が……やばいコレ……トキメキってやつか?
チューー……
すっぽん!
「はやぁ……」
「結婚……してくれますね?」
「はい……いや! 今の無し!」
勢いで頷いちまったよ!
ちょっ!! 皆さん! 拍手やめっ!!
「皆さんお騒がせしました! 桃花! いくよ!」
い……いきなり呼び捨てかよ!? 生意気に……このやろ……なんでだよぉ……こんなショタに呼び捨てにされたのに顔がにやけちまう……うわっ熱っ!!私の顔!!
「ど……どこいくの?」
孝太郎は私の腕をグイグイ引っ張る……
「え……エッチなホテル!!」
「ホテル!?」
ラブホテルのこと?
「赤ちゃんつくるの!」
「〜〜!!」
や……やべぇ!!コイツマジだ!! ついていったら孕ませられちまう!! こんなヒョロいやつ……力でねじ伏せて……
「桃花……幸せにするからね?愛してるよ」
「ほあぁぁ!!」
もうだめだ!! 身体中がキュンキュンする!
私、コイツに逆らえねぇ!!
「……」
その後私たちはメチャクチャ……言わせるなよ。