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リカ、グッジョブ!!


「ワイワイ」

「がやがや」

「ワイワイ」

「がやがや」

「ザワザワ」

「ザワザワ」



 別に手抜きをしてるワケじゃない。

 俺には確かに、そう聞こえたんだ。不思議なこともあるもんだ。

 ハッキリさせるとマズイことが、長い人生にはある。





 「今度しくじったら×××ぞッ、コノ×××が!」





 ――しまった。

 対応が遅れた今回は、なんとか伏せ字にさせてもらった。

 先ほどから俺の周囲は放送禁止用語がヤバイくらいに飛び交っている。


 チン、と到着を知らせるランプが点灯してエレベータの扉が開くたび、

 コワモテの兵隊たちがゾロゾロ降りてきては

 外の世界へ向かって元気に飛び出していく。


 まるで蜂の巣を突いたような騒ぎだった。

 倫理的に大きな問題があるので、

 このシーンに限っては大人の対応で脳内処理する。


「兄貴がお待ちです」 


 後悔は、いつだって後から押し寄せるもんだ。

 手遅れになってからね。

 この混迷した状況下で、

 ひとりだけ冷静に俺を案内しようとする男が怖い。

 このソルジャーに比べたら、ひっきりなしに放送禁止用語を連発する

 コワモテの兵隊たちが、ほほ笑ましく見える。



「兄貴、お連れしました」

「入れ」



 来るんじゃなかった……さっきから俺は、そればかり思ってる。

 分かりやすく例えるなら、

 長期の休暇明けに仕事場へ行くサラリーマンの心境だ。


 間違いない。

 だって実際そうなんだから。

 ああ、電車が動かなかったらよかったのに……。



「なにしてる? サッサと座れリカオン、お前に頼みたいことがある」



 前戯は必要ないらしい。


 ありがたいことに。




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