警察編④
次の日から僕の周りで不可解な事が起こった
僕が住んでるアパートの周辺にいつも黒いクラウン車が止まるようになり、学校に行くときの道にも知らない人が通るようになった。
そして、今、通学路を歩いていると見慣れない会社員姿の男が前にいる
この流れで行くと多分・・・
「(十中八九、覆面警官だよな・・・)」
魔法で攫って頭の中を調べればと思うかもしれないが
ボソッ
「『聴く聞く』」
ー魔法『聴く聞く』ー
ー自分を軸にして周囲約250メートルの間に在るものを無機物、物質を判断することが出来るー
ー魔力の燃費が良いが高度すぎて扱いに疲れるのであまり使うものがいないー
スタ・・スタ・・スタ・・
ブーンーー
ドス・・ドス・・ドス・・
トコ・・トコ・・トコ・・
僕の耳に周囲の足音、車の排気音、風の音、周囲の音全てが入り、周囲が聴えてきた
「・・・・(まず、前にいる会社員姿の男、・・・そして、後ろにいるジーパンをはいているガタイが良い男、・・・お!、女も覆面の仕事するんだー危ないのにすごいなー、これで3人・・・そして、後ろのクラウン車に男2人、合わせて計5名・・・うん?これ、全員攫えるな~)」
僕は魔法で全員攫おうとしたが・・・
「『時間ーーーー」
僕はここで自分の考えが甘いという事を気づく
「(いや待てよ・・・僕は今まで゛何人殺した?゛10か・・・いや、8か?・・・分かんねー、ぶっちゃけ、殺した奴ら人間と思ってないしな・・・、まぁ、8~10殺したとして、その位って、日本では死刑か、無期懲役だよな、いや、殺した方が残虐だったら1でも死刑だったよな・・・で、大塚さん達は確か、僕が殺した人達を「連続行方不明事件」、通称「神隠し事件」として調べてた、そして、コンビニバイトしてる時に、僕が殺した時に痕跡が残って・・・「連続殺人事件」として調べてるんだよなぁ~、うーーん、本当に5名だけで調べるだろうか・・・いや、というより、こんなに速く捜査は始まるものか?、映画とかドラマ見て勉強したから分かる・・・こんなに速い訳がないが・・・現に僕の周りを調べる者たちがいる、大塚さんはもしかして署内ですごい「権限」を持ってる警察なのか?・・・もし、そうだとしたら今、僕を監視してる人数は「5名」だけか?・・・いや、違う『聴く聞く』の射程外にいる可能性が全然ある訳だ、だったら、ここで5名全員攫ったら怪しまれるな・・・)」
と、まぁ~こういう理由で僕は魔法が使えないのだ
だから、普段はテレポートで学校に行っているのにわざわざ歩いている
「(・・まじで、どーしよ、魔法が使えないと僕ってただの学生だしな~・・・ボッチでも学生は学生だから!)」
僕は自分で勝手に悲しくなって下を向いて歩いていた
「トホホ・・」
ドンッ
「うわっ」
僕としたことが目を見ずに歩いていたせいで人とぶつかってしまった
「キャ・・・?」
僕は何故か僕からぶつかったのに吹き飛ばされて尻もちをついてしまった
「・・・・・・・」
「(なんッッだとッ・・・・ぶつかった僕が吹き飛ぶだと・・・僕は・・・筋トレをしているんだぞッッ!・・いったいどんな怪物級の男とぶつかったんだ!!)」
僕はすぐさま尻もちをついたままぶつかった人を見上げた・・・・・女だった・・・女というより女子だった・・・てゆうか、円頓寺あかねだった
「ハッ!」
僕は頭を右左に素早く動かし周りを見渡した
「(ヤバい!、もう今あかねは陽キャ中に陽キャ!そんなお方とぶつかり、しかもなぜかぶつかった方の僕の方が尻もちつくとか笑いものにされて・・最悪・・イジメ・・・・ノーーー!!!)」
僕は心の中で絶望した
「大丈夫?」
あかねがそう言い僕に対して手を伸ばしてた
「あ!・・大丈夫だす・・」
僕は舌を噛みながら思いっきり素早く立ち上がった
「あ、そう・・・」
嫌な沈黙がその場に流れる
「じゃ・・・ありがとうございました」
僕はそう言い・・・歩き・・早歩きになり・・・走ってその場を逃げた
「え?ちょっと・・そんな、逃げなくても・・・」
「(あれ?というより太郎って、最近この道とーってないような・・・まぁ気のせいか)」
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会社員姿の捜査官の男が手首についている通話機器で誰かと話している
「マル対、同じ高校の女にぶつかり、恥ずかしくなりその場を走って逃げました・・・」
ジジジーー
「そうか、一旦引いてまたマル対がここを通るときにまた頼む」
ジジーー
「・・・・あの、お言葉ですが、本当にあの子供が犯人と思ってるんですか?大塚さん・・・いっちゃ悪いですけど、あんな子供に人を殺せるとは思いません、普通にただの静か系の男子って感じですけど・・」
ジジジーー
「・・・そうだな、だけど、今は俺を信じてくれ、あの子供はなにか引っ掛かるんだ」
ジジーー
「分かりました・・・(意味が分からない、こんな1日もたたずに捜査が始まるのも異例中の異例だし、その捜査対象があのチビの子ども、アレは俺たちが守る側だろう、俺も大塚さんの実績、能力は尊敬しているがこんなに権力持っていたか?・・・本当に今回はおかしい)」
その時、大塚は捜査本部にいた
大塚は頭をフル回転させていた、
「後輩たちの不信感をどう解消するか」、「なぜ、自分の一存であのクソな上層部がこんなに速くうごいたのか」、「どうやって捕まえるか」、「この世界で魔法とどう対抗するか」など、色々な事を考え
悩み抜いた時、大塚は口を開いた
「・・・・やっぱ、アレしかねーか、俺がこんなクソな真似するとは・・・いや、今回に関しては仕方ない、田中が危険すぎる・・・」
大塚は少し悪い顔をした
「でっちあげだぁ~」
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この物語はフィクションです、実際のモノとは関係ありません( ^ω^)・・・




