警察編②
「(ヤバい、冷や汗出てるのがばれたか!?・・・)」
大塚さんが口を開く
「アハッ!、そうですよね~!、もう、九月も終わるって言うのに未だに気温は高い!、いやはや、私の様なデブにはキツイですな~」
大塚は笑いながら汗をハンカチで拭きながら僕にそう言った
「(あ、そうか、゛魔法゛使ってたら気温高いとか分からなかったな・・・これはラッキーだ・・・・・)」
僕は危機を回避した気がしたが何か腑に落ちない所があるような、ないような・・・・
僕がモヤモヤしていた時、大塚さんが自分のメモ帳をガラッと見て「うん、うん」と言いながらうなずいている
「うん、うん!・・・ハイ、田中さ~ん、ありがとうございました~。このぐらいで調書はいいです、・・・あと、」
ゴソゴソゴソゴソ
大塚さんはズボンのポケットの中からクシャクシャになった紙を渡してきた
「・・・これは?」
まぁ予想はついてるが聞いてみる事にした
「あ、私の個人的な電話番号です、田中さん~、なにか分かった事、思い出したことがあったら電話して下さい~」
「・・・(ですよね~、ひぐらし見てましたから分かりますよ、)」
僕は何気にアニメの世界の人物と喋ってるみたいで少し楽しかった
「では、私らはここで」
大塚さんがそう言うとスーツを着た若い警官は「え!?」という表情をしていた
大塚さんが立ち去ろうとして僕も玄関のドアを閉めようとした時、大塚さんが僕に喋りかけた
「あ、そうそう!、田中さん~、一つ、言い忘れてました~、」
大塚さんが振り返り僕を見た
「最近、いや、本当に最近なんですがね、人がね、「行方不明」になることが多くなってるんですよ、ネットで有名なんですよねぇ~、この地域ってけっこう都会でしょ?、なのに「神隠し」やら「宇宙人に連れ去られた」とかでマニアの間では話題なんですよ、警官の私も恥ずかしながら本当にオカルト系の事がおこってるんじゃないか?と思っていたんですけどね・・・確信しました、」
僕を見て二ヤりと高角を上にあげ、顎も上にあげ、まるで僕を見下しているようにしてこう言った
「アパート前で痕跡を残して「失踪」した、いや、アパート前で「殺害」された今回の「殺人事件」と「連続誘拐事件」、もしくは「連続殺人事件」の犯人は同一人物だと、私は、今日、確信しました・・・」
ニコッ
「まぁ何が言いたいかというと、最近、物騒になってるから気を付けてくださいという事です、それじゃあ、私らは本当に帰りますんで、」
大塚さんとスーツを着た若い警官が僕に軽く会釈をして帰っていった
そんな時、僕は・・・
「ちゃ、ちゃ、ちゃ、あ、ちゃ、ちゃ!」
米津〇師の死神の「あちゃ、ちゃ、ちゃ。」の歌詞みたいなことを口に出してめちゃくちゃ取り乱していた
「ちゃ、ちゃ、ちゃ!『聴く聞く』!!」
ーーーーーーーーーーーーーーーー
スタ・・スタ・・スタ・・スタ・・
大塚さん達は階段を降りながら話している
「高木、なにか気づいた事は?」
僕と話していた時と違って厳格そうな喋り方だ
「はい!、高校生がこの時間に家にいるのがおかしいという事に気づきました」
スーツ姿の若い警官の高木は元気にそう言った。
大塚さんは「え~~」と言う顔をしている
「・・・・・まぁ、間違ってはないが、浅いな~、それとは他に俺が気づいた事は「4つ」あるが、一つ、一つ、話していこう」
スタ・・スタ・・・スタ・・スタ・・・
「高木の気づいた事、「高校生がこの時間にいるのはおかしい」、確かにそうだ、なぜ、この時間帯に学校に行ってないのか、理由は「夜遅くまでナニカをしていた」、ゲームかもしれないし、夜更かしかもしれない・・もしかしたら・・・・ってことだ」
「」ゴクッ
高木さんが唾を呑んだ
「そして、俺が気づいたこと「1つ目」は、何かは分からないが「嘘」をついている、それも巧妙にだ」
「ええ!!、大塚さんが見破れないってそんな事あります!?」
高木さんが驚いた顔でそういうと大塚さんは困った顔をした
「あのなぁ~、俺は別に漫画に出てくる様な探偵じゃないんだ、分からい事の方が多い、そういう妄信はやめろ、警官は人を信じたらダメだ、漬け込まれるぞ」
「はい!!!」
高木さんがものすごいデカい声でそう言うと、大塚さんは耳をキーンとさせて眉をピクピクさせている
「〈まぁ・・元気は良い事だ・・今回は見逃してやる)」
「ふーー、じゃあ、次だ、俺が気づいたこと「2つ目」は、あの部屋、クーラーついてないぞ」
「・・・・・・」
高木さんが階段を降りる足を止め真顔で大塚さんを見る
それにつられて足を止める大塚さん
「はぁ~~~、高木、今日の気温は?」
「え?確か、29度だったと思いますが・・・」
「高木~お前、本当にちゃんとしろよ、今日は29度で湿気もまぁまぁある、そんな部屋でクーラーもつけないでいたらどーなる?」
「汗がでます・・・」
大塚さんが「まじか、コイツ」という顔をしている・・・僕が言うのも何なんだが、大丈夫か?高木さんは・・・
「それなのに、田中太郎は汗を一滴もかいていなかった。搔いていたのは「冷や汗」ぐらいだった」
「!!なるほど・・・じゃあ、なぜ、田中さんは汗をかいてなかったんですか?」
「・・・・それは分からん・・・があの田中太郎いや田中容疑者は「何かがおかしい」」
その時、高木さんはキョトン顔・・・本当に大丈夫か、この人・・・・
そして、大塚さんはボソッと何かを言った
「・・・・田中容疑者はそもそも人間なのか・・・」




