李 勇翔の過去③
あれから20年後、俺は33歳になった
そして、艾青と俺は結婚した
・・・・幸せだった、俺はこの人と守る為に生まれてきたんだとこの時確信した
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5年後
俺が38歳の時、
艾青が事故に遭った・・・
大型トラックに轢かれた、トラックに乗っていたのは若い男だった・・
最初は居眠り運転だと言われたが、裁判が進行していく内にこの男は運転前に゛酒゛と゛薬物゛をしていた事が分かった
動機は「運転が退屈だったからした」だった
懲役は゛7年゛・・人一人を゛動かない体゛にして短い刑期・・絶対に出てきてもまた再犯するという事が容易に想像ができる・・・
だが、俺はこの時、何も考えられなかった
艾青が゛動かない体゛になってしまったという事実が頭を埋め尽くしていた
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半年後
艾青が正式に「脳死」と判断された
艾青はドナー登録をしていたのですぐにでも解剖される所だったが俺は「引き取った」
病院から艾青を家に持ってきた
これは犯罪でこの行動を艾青は喜ばないと分かっていたが艾青が「いなくなる」という現実がどうしても受け入れられなかった
俺はすぐに行動に出た
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1か月後
俺は「人工冬眠装置」を作った、いわゆる「コールドスリープ」が出来る機械だ
だが作る為に俺は4,885,284.00元・・・日本円で10億円の借金をした
俺はその金を返す為に政府の「犬」になった
罪もない人を効率よく殺せるガスを作ったり、核爆弾の10倍の力を持っている爆弾を開発したりした
借金などすぐに返せたが゛自分゛が死んでいく感覚を感じた
俺が言っていた「ヒーロー」や「正義」はなんだったんだろうと・・・
昔、艾青が言っていた「行ってはいけない所に行く気がした」と言っていた意味が25年越しに分かった
俺は闇に
落ちてしまった、そして、そこからは這い上がる事は出来ない・・・
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それから7年後
俺が45歳の時
艾青を轢いた゛悪゛を殺した・・・残虐に殺した・・・「もうやらない」と言っていたがそれは「もう遅い」
悪人はいつもそうだ・・いつだって、自分視点、相手の気持ちが分からない悪人・・・
だが悪人にも使い道がある
それは気楽に殺せる所だ、問答無用で殺せる・・クズだから心を゛痛まない゛からだ
「家庭環境が~」とか「周りに流されて~」とかほざいている奴が一定数゛いつも゛いるがそう言っているヤツは大体、昔悪いことをしていた当事者で悪人だ
結局は「自分は悪くない」と言いたいだけの甘えん坊で「人の気持ちが分からない人の形をした゛悪
゛だ」
゛悪い事゛をしたという事実は消えないしそもそも゛その悪い事゛をしたのはお前の体だ、お前の体はお前でしか動かせないしお前にしか思考判断できない
その事実がある以上「悪は悪だ」
・・・・俺はそれが分かっていたはずだった
俺は殺しを終えた後に艾青と子供の頃いつも遊んでいた森林に行った
俺は一日ほどそこにいたずっと目を開け起きていたのに何も考えられなかった
俺は街に帰った
その時、こんなニュースがラジオで流れてきた
「今日は日中戦争の日です!!国民の皆さん!!立ち上がりましょう!!゛悪゛の日本を立ち向かいましょう!!」
「・・・・悪・・・・悪かぁ!!」
俺はその時、窓に反射した自分の顔を見た、その顔は飢えた獣の笑みの様だった
俺は落ちていたと思っていたがこと時だ・・この時俺は゛悪゛に
堕ちたのだ
゛敵゛を゛悪゛を自ら作り出した・・・
自分の国にいる゛悪゛の方が゛近い゛のにだ
パンチが届かない、国境を越えた人達、目では目視出来ない゛遠い゛国の者たちを勝手に悪と判断した
自分の国にいる゛悪人゛の方が自分から゛近い゛のにだ
悪を倒すのがジャンキーになっていたのだ
゛悪とは自分の生活圏を脅かす存在である゛と俺は心の中で分かっていたはずなのに・・・
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「あれから17年、俺は国が悪という者を殺した・・俺はあの時から゛悪゛だったんだ・・・」
僕はリーさんにどう言葉をかけたら言いか分からなかった
この人が゛根゛が良いのは痛いほど分かる、だが、゛悪゛であるという事も分かる
どうすれば・・・
「・・・」ポロッポロッ
「どうしたんだ?大丈夫か?」
「あれ?」
僕は無意識に涙を流してしまった
リーさんは良い人だった、良い人生を送るべき人だったのにのに周りにいた悪のせいで人生を壊されてしまったと考えると可哀そうすぎて僕は涙を流してしまった
「・・・すいません、大丈夫です・・・でもリーさんはもう・・・ダメです・・・」
「分かっている・・・話しを聞いてくれ有難う・・殺してくれ」
僕は周りを見渡した
そして、ある事に気づいた
「(リーさん・・・あなたは良い人だ・・)」
「リーさん!!ちょっと待って下さい!!」
僕はトイレに行ったがある゛モノ゛が戦闘で壊れていたので空港にある従業員が必ず使う゛モノ゛を取りに行った
~5分後~
「遅い・・一体何をしているんだ・・(俺は今からあの子に殺されるのに遅いと言っているのか・・・)」
「すいませーん!!お待たせしました!!」
「ん?・・・!!?・・何を持ってきてんだ・・・」
僕はそれを大広場で壊れていない床に置いた
「リーさん!!来てください!!」
僕はリーさんを呼んだ
「・・・なんで、ドア持ってきてんだ?」
「これから、分かりますよ」
僕はリーさんの肩に手を置いた
「リーさん、艾青の事を思ってドアを開けてください」
「開ける~?、何を言っているんだ?このドアを開けても意味ないだろ?」
「リーさん、ここは僕に従ってください」
僕はリーさんにそう促した
「・・・分かったよ・・(開けても大広場が続いてるだけだろ)」
「リーさん艾青さんの事をちゃんと想って開けてくださいね」
「分かってるよ・・・(艾青の事をねぇ~)」
ガチャ
「・・・・!!!?」
「そのカプセルに入ってるのが艾青さん・・・」
「どーなってるんだッッッ!?」
「・・・・まぁとりあえず入ってください」
僕はリーさんを後ろから押した
ガチャ
僕もリーさんと一緒に入りドアを閉めた
「さてと、やりますか」
その時、リーさんが僕に喋りかけた
「・・・君はッ・・・何者なんだッ・・・」
僕はこう答えた
「僕はただの・・・異世界帰りのチート魔法使いですよっ・・・・(決まったぜぇ~!)」
「・・・フッ」
鼻で笑われた
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