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30.〈帰還〉

「クロイ、起きたまえ」




 目を覚ますと、蒼い洞窟の入り口前だった。辺り一面蒼く、カミュの精神世界から出れたことに気づいた僕は、勢いよく体を起こし、隣を向くと心配そうに見つめるルキアと、シエルの姿があった。




「シエル。それに、ルキアまで……」




「突然倒れたらと思ったら、シエル殿が無言でクロイの手を握りしめて、眠ってしまったから、驚いたぞ」




「ルキアは、ずっと俺と一緒に居たのか?」




(この洞窟を見つけてから、ルキアの姿はどこにもなかったはず)




 疑問に思っていると、シエルが口を開いた。




「カミュの権能さ。あいつの権能は、〈幻影〉。自分だけに意識を向かせるために、ルキア君の姿を見えなくさせただけのことさ。実際は、ルキア君も同じ場所にいた」




「それじゃあ、シエルは何故、ここが分かったんだ?」




「あたしは、君のことなら何でもお見通しだからね! まぁそれもあるけど、事実として君の魔力を監視している。魔力探知というものだね。これは、君にしか使用していないから、例えルキア君に何があっても、クロイがいなかったらあたしは何もできない」




 魔力探知もできるのかと、感心しているとルキアが驚いた表情を見せた後、何か考えるような仕草をし始めた。




「魔力探知。これは、教えて貰わないといけない気がするな。うん。だな。シエル殿、あとで魔力探知について教えてくれ」




「……まぁ、良いけど」




 シエルは、ルキアの何かを感じ取ったのか、すぐに魔力探知について教えると約束をした。




(なんだか、この二人。雰囲気が似ているような気がする。愛が異常に重いタイプみたいな?)




「ところで、クロイ」




 突然、シエルは僕の名前を呼んだ。精神世界で、約束をしたあのことだろうと思った僕は、ルキアに精神世界での出来事を軽く話、すぐに宿屋に戻ったのであった。

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