表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/34

10.√〈勇者としての道〉

───僕は、〈勇者〉として突き進む。僕にしかできないことを、やり遂げるまで。




「このまま、〈勇者〉として歩き続ける。他の道なんて知りもしない。ユーベルでの出来事もそうだが、最終的には皆、笑顔を取り戻せた。この先も、誰かの笑顔を守れるような存在になりたいんだ。「嘘」で出来ているこの世界だが、そんな世界にも、嘘偽りのない人間が存在していたんだ。だから、シエル。力を貸してくれ」




 僕は、シエルの頭に手を乗せると、驚いた表情を見せ、静かに僕から離れた。




「君という人間は……。本当に面白いね。良いよ。力、貸してあげる」




「感謝する。さて、宿も見つけたことだ。腹が空いているのだろう?」




「そうだとも!! クロイのお金で食べるご飯は、さぞ美味しいんだろうね!」




(マジか……)




 その後僕とシエルは、宿から一旦出て、胃の中に何かを入れるために街の中を歩き、魚介類専門の飯屋に何とか辿り着き、そのままシエルの分まで、奢る形となった。




「いやー美味しかった!! 満足満足!!」




「結構、食べるんだな……。金が飛ぶ、な」




「乙女にそんなこと言うもんじゃないぞ!! クロイは成長しないんだから!!」




(だから、幼女)




「心の中で言うなぁぁぁぁぁ!!」




 僕の心の声が聞こえたシエルは、頬をプクーと膨らませた。店員にデザートの注文をし、何とかシエルの機嫌を直した。




「ところで、クロイ。何故、この〈グローリア帝国〉に来たと思う?」




「あの貴族らと同じモノがいるからか?」




「正解! 貴族の数も人口も圧倒的に多いこの国に、魔物や悪魔との契約を果たしている人物がいるかもしれない。運が良ければ、接触ができ、何かしらの情報を貰えるかもしれかいなからね! というわけで、おにーさん!!」




 シエルは隣の席にいた薄紫色を一つに結んだ男性に、声をかけた。




「おい、シエル。いきなりは……」




「俺の名前は、ルキア。ルキア・マエロンと申す。先に名を……」




 ルキア・マエロンと名乗った男性は、僕たちを鋭い目つきで見つめた。




「あたしはシエル。こっちが……」




「僕は、クロイ」




「クロイか……いい名だな」




「あ、ありがとうございます」




 ルキア、さんは、少しだけ雰囲気を緩めたのを感じた。




「それで、この幼女の話を聞いていたが」




「幼女って言うな!!」




「……すまない。お前たちの話を聞いていたが、詳しく話を聞かせてほしい。俺も、色々と事情がある身でな。話を聞かせてくれたお礼には、それに見合った俺の事情を話そう。約束する」




 僕たちはルキアさんに、今までのことを話したのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ