~主役よ、待っていろ・・・私がすぐに倒しにいきます~
幸せすぎる主人公。
運のよすぎる主役。
大っっっっっ嫌い。
「ふらっと倒れたらそこに王子様がだきとめてくれた」?
「貧しい少女だったけど実は王女だった」?
ほんとに幸運ですねえ!世の中そんなに甘くないんですけど!!
川崎美奈、24歳。今すべての物語の主人公にブチギレ中。普通の会社員、一人暮らし。自称・面食い。
そして、社会の苦悩をヒロインにぶちまけるのが日常のオタクである。。。
※ ※ ※
”まもなく、5番レーンに電車が到着します・・・”
ごちゃごちゃとした人ごみの中、必死に美奈は走った。
今日こそは席に座るのだ!なぜなら楽しみにしていた小説の、電子書籍デビューの日だからね!
くそお・・・。ピシッとしたスーツは足手まといだ・・・。
プシューッという音とともに電車が止まる。
中から多くの通勤・通学者が降りてきた。美奈はここぞとばかりに体をねじりこませ、一番乗りでの乗車を成功させた。
「おっし!」
一席だけ空いていた。
これはまさしく神が私に与えた奇跡だ!神は私に味方している。
いつもはかわいそうなメガネの学生なんかに譲ってしまうのだが、今日は全く容赦はしない!
席めがけて全力で走った。
はた目からしたら今私の顔は恐怖の沙汰だろう。
よし、無事座ることができた。美奈は意気揚々とスマホを取り出した。
”流れ星のキセキ”
そう、これだ!!
美奈は息をのんで読み始めた。




