5話 スキルの確認
スキルの名称や書き方に少し苦戦しました。見やすい書き方とかがありましたら教えて頂けると嬉しいです!
インドラと契約を交わした後、馬車に乗ってペリドットを目指していた。ペリドットに到着するまで何もできないので皆で話しているとスキルの話になった。
「レイさんのスキルはどういったものなんですか?」
「実は僕自身、よくわかってないんですよね」
「わかってない?」
僕の応えに首を傾げるマナ王女。人差し指を唇に当て、何やら考え始める。なにせ急に手から黒い靄が出るは、雷が出せるなどで訳が分からなくなっている。恐らく僕のスキル【能力簒奪】によるものと思われるが詳しくは理解していない。
「なら今からスキルを確認してみるか?」
「出来るの?」
「出来るぞ。我々、七大竜は皆、2つスキルを持っててな。1つがそれぞれの属性、我の場合だと雷だな。もう1つはこの【竜眼】だ」
インドラが自身のスキルを説明した後、実際に目を光らせおり、鮮やかな真紅をしていた。その光景を見るとどこか不気味さを感じる。
「……その【竜眼】はどういったスキルなの?」
「このスキルは真実を見通せる力だ。この力を使えば他人の能力、体の状態、隠し事などを見ることが出来るのだ!」
何故か最後は自慢げに言って手を腰に当て、体を前に出している。インドラは自分の凄さをアピールしたかったのかもしれないな。それにしても【竜眼】強すぎだろ……。戦う前から能力見れるのは戦闘においてすぐ対策が出来るから言ってしまえば反則だ。
そう言えばあの時僕の魔素量が少なくなったことを忠告できたのは【竜眼】を使ったってことか、さすが伝説と言われた古代竜インドラだ。
「伝説と言われた雷竜インドラが可愛らしい声で話すのはなんか、違和感がありますね……」
よくわからないが契約後、インドラが人と会話できるようになったのだが、マナ王女はその声にいまだになれないらしい。
「おい、そこの王女。我の声がおかしいとでも言うのか?」
「おかしい訳ではありませんが、でも……」
「インドラ、そこまでにしてな、マナ王女が反応に困っているだろ。それより【竜眼】で僕のスキルを見てくれないか?」
「いいだろう!」
インドラは僕のスキルを見ようと【竜眼】を発動させようしている。見るのが楽しみなのか笑顔になっている。インドラの声は僕でも違和感に思うから話を逸らしたが、インドラはスキルに夢中で笑顔になっているのでよかった。
護衛の人達が注目している中、インドラが【竜眼】を発動し、僕の能力を説明しようとしていた。
【スキルの説明を行います―――】
話に割って入るようにあの謎の声が入ってきて、スキルの説明を言っている。いったいこの声は何なんだ?
「この声は、世界の理!」
「世界の理?」
「声? 何も聞こえませんけど……」
インドラさんはこれを世界の理と言っていた。しかしこの声はマナ王女や護衛の方々には聞こえてないらしい。世界の理は僕達が混乱しているのにも関わらず、説明を続けている。
「世界の理はスキルが開花した時に知らせてくれる声なのだが、ここまで説明するのは普通ではないし、周りには聞こえないはずが何故、我がこの声を聞けるんだ?」
この声は誰もが聞いたことあるが、ここまで説明してくれることはないようだ。自分にしか聞こえない声が何故インドラも聞こえるんだ?
まぁ今考えてもわからないままなので世界の理を聞くことにした。聞いている途中でインドラがどころ難しそうな顔をしていた。
世界の理による説明が終わるとインドラは僕のスキルに驚愕していた。
「レイよ、お主のスキルは恐ろしいな。だから我の雷が使えたのか……」
「奪ってごめんよ、インドラ」
「それは構わんが―――」
「あの、私達にも説明をお願いします!」
マナ王女は聞こえてないので早く説明が欲しいようで、顔を近づけてくる。護衛の方々もうなずいていた。思わず赤面し、視線を逸らしてしまう。
さすがに置いてけぼりにするのは可哀そうと思い、分かっている範囲でぎこちなく説明すると護衛の方々は何故か興奮していた。
「最強じゃないですか!」
「神様みたいですね!」
「いや、古代竜、インドラの能力が使える時点でもうそのレベルに到達している!」
護衛の方々は僕を過剰評価して尊敬の眼差しで見てくる。やめてほしいな、僕はそこまで凄い人間じゃないからそんな目で見られるのは困る。
「本当に凄いスキルですよ。様々な使い方が出来るので幅広く戦えますね」
マナ王女は聞けて満足したのか僕から離れ、内心ほっとする。ずっと顔が近いままだと恥ずかしすぎて心が持たない。マナ王女は僕に顔を近づけても平気なのだろうか?
「ちなみに今はどのようなスキルが使えるのですか?」
「そうですね……確認します」
僕がスキル一覧を見せてほしいなぁと想像すると突如として視界に白文字で表示された。
スキル、【能力簒奪】
一覧……【雷竜】【翻訳】【嗅覚】【斬撃】【毒】【麻痺】【操糸】【身体強化】【飛行】【契約】【竜眼】
隠し能力……サーペントスティール
見知らぬスキルが書いてあったが、恐らくこれはモンスターを多く討伐した時に手に入れたスキルなのだろう。
「今のところは11個あるみたいですね」
「じゅ、11個!?」
皆、目を開いて驚いているがそこまで驚くことなのか? 奪うスキルなのだからこのぐらいあって当然だと思うけどな……。
「聞きますがレイさんは、いつぐらいにスキルが発現しましたか?」
「今日発現しましたよ」
『今日!?』
護衛の質問を正直に答えただけなのに、護衛の1人は倒れ込み、マナ王女は啞然としている。何かおかしいこと言ったか?
「レイ、もしや天然か?」
「いや、それは無いと思う。一度も言われたことないし」
「本来なら時間をかけてスキルを使いこなすが、ものにするのが早すぎるし、そんなにポンポンと手に入るものでもないだろ」
「いや、ものにはしてないよ」
あの時にいたモンスターを討伐したら、勝手に習得していたから弱いモンスターなら簡単に手に入りそうだけどな……。少し疑問に思っていると突如として世界の理が聞こえてくる。
【先程のインドラがこの声が聞こえる疑問に関しては先程、絆の契約を行ったので聞こえるようになっています】
「絆の契約?」
【はい、絆の契約は2つの個体が1つになる契約ですので、この声も個体名インドラは聞こえますし、奪ったスキルも使えるようになりました】
……んっ? それってつまり僕とインドラは1つの存在になったってことか? もしかしたら僕は取り返しがつかないことをしてしまったかもしれない。インドラの方を一瞥すると俺は大丈夫と言って親指を立てている。
もうこれ以上考えると頭が爆発しそうなので一旦考えるのを放棄して、今後インドラと共有するためにも改めてスキルの詳細を確認する。
「インドラ、ちょっと気になることがあるんだけど、初めて会った時【竜眼】を使えば僕の強さやスキルを把握出来たと思うんだけど何で使わなかったの?」
「いや~人のスキルを勝手に見たらダメだろ。スキルも個人のプライバシーってやつだから勝手に見てはいけないって言われたんだ。だから我は【竜眼】を使わなかったのだ」
「誰に言われたんだよ……」
伝説と呼ばれた竜に誰が言うんだよ。ってか言われてちゃんとプライバシーを守ってるのが不思議なのだが……。インドラが胸を張って威張っているところを僕が苦笑いしているとマナ王女に声を掛けられる。
「あの、レイさんは今日スキルが発現したと仰っていましたので年齢は15歳で間違いないですか?」
「はい、今日15歳になりましたが何故、急に年齢の確認を?」
「実は……お願いです、私とお友達になってくれませんか!」
いきなり年齢を聞いてくるから何だと思っていたがまさかの友達になろうと言われるとは思わず、動揺してしまう。しかしエルフの王女様と友達になっていいのか? いやいや、ダメに決まっているだろ。何せ王女様だし、エルフは人間に迫害を受けているから必然的にダメな奴だと思う。
「えっと、どうしてですか?」
「それはエルフの里に同じ年齢の友達がいなくて、気を遣わずに話せる人と仲良くなりたいとずっと思ってました」
その発言からするとマナ王女って15歳なのか! まさか同じ年とは思わなかった……。てっきりマナ王女が年上かと思ってた。
同じ年だったことに驚いていると護衛の1人が補足で教えてくれる。その人によるとエルフは長寿なため、人口が少ない。そのうえマナ王女は王族のため、教育の日々で遊ぶ時間が無く、友達が少ないようだ。
「理由はわかりましたが、エルフは人間に迫害されたと聞いたことがあります。マナ王女は人間が怖くないのですか?」
「正直、人間は怖いです。しかしレイさんは初めてあったはずなのにどこか安心できるのです。悪い人じゃないって」
「なぁレイよ、友達になってやりな。このままじゃ王女が可哀そうじゃないか」
「そうだけど……」
「レイさん、我々はどんな掟があろうがマナ王女に従います。なので気にしないでください」
エルフの掟に人間と馴れ会うのはいけないとあるが護衛の方々はマナ王女に従うことを優先ようだ。だがそう言われてもいいよとは言いにくいしな……。
「ダメ、ですか?」
くっ、なんてことだ。マナ王女があざとい目で見て来るとは、ずるい……これで断りにくくなった。もうこうなったら勢いで言ってやる。今後の事など知らない、どうにでもなってしまえ!
「いい……ですよ。友達になりましょう」
「やった、ありがとう! 今度からレイって呼ばせてもらうね、だから私の事はマナって呼んでいいよ!」
余程友達になれたのが嬉しいのか、いきなり僕に抱き着いてきた。ダメだ……マナ王女の体が触れていて、胸も体に当たってるし、もう心が持たない……。
「おい、顔が赤くなってるぞ」
インドラが指摘するがいきなり美少女に抱き着かれたら冷静でいられるか! もう頭から湯気が出ている気分だ。
「あっ、ごめんなさい! 嬉しくてつい……」
「うっ、うん。大丈夫だよ……」
マナ王女が自分の行いに気付いたのか、僕から離れてくれたので助かった。あのままだといずれは意識が飛びそうだったよ。だから今後は注意してもらいたい。
「皆さん、ペリドットが見えてきましたよ」
窓をのぞき込むと本当にペリドットが見えた。モンスターの侵入を防ぐための要塞、そしてそれよりも高いお城が見える。僕はずっとこの街に住んでたと思うとどこか感慨深さを感じる。
「よし、取り合えずこちらのフードを着てください。あまり目立たないようにするためです」
護衛の方に先程みた緑色のフードを渡される。確かに1人だけ来てないと目立ちそうだしね。素直に従い、フードを着る。
「では、行きましょう。ペリドットへ!」
僕達は馬車ごとペリドットへと入っていった。だがこの時、壮大な話に巻き込まれるとは全く思わなかった。
~【能力強奪】で入手したスキル一覧~
【雷竜】 【嗅覚】 【斬撃】 【毒】 【麻痺】 【操糸】 【飛行】 【翻訳】 【契約】 【竜眼】
隠し能力……サーペントスティール
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