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4話 インドラ、仲間になる

このままいくと勇者側の話が10話以降になるかもしれません……。書いている途中であれも入れたい、これも入れたいと考えが出てきて気づいたら長くなってしまいました。

 早めに勇者側出した方が面白くなると思ったら是非コメントで教えてくれると嬉しいです!



(お見事だ!)


「す、すごい……」


 僕が今出せる全力の1撃をみてインドラさんは称賛し、護衛の人達は見惚れていた。僕自身思っていたよりも威力は高くて驚いている。


(攻撃が当たってよかったですよ)


(何を言う、余裕な顔をしておったぞ)


(余裕じゃないですよ……)


 かなり緊張したし、不安だった。インドラさんは妙に僕を買い被っている気がするな。僕はインドラさんの会話後、護衛の人元へ駆け寄る。


「怪我の方は大丈夫ですか?」


「王女様のハイポーションのおかげで皆、完治しました、我々を助けて頂きありがとうございます。失礼ですがお名前を聞かせてもらってもよろしいですか?」


 護衛のリーダーがお礼を言いながらフードを取って顔が露わになり、他の護衛の方々もそれに倣った。驚くことに何と皆、王女様と同じで耳が長かった。そう、この人たちはエルフだった。


「レイと言います、エルフって本当に存在してたんですね……」


 エルフはあくまで幻の存在とされていたので本当にいるかは定かではなかった。家で見た書物によると昔は人間と共存していた。エルフは人間と比べ物にならないほどスキルが強かったので人間はその力に助けられていた。


 ある日、人間はエルフの強靭な力を恐れ、1人残らず根絶やしにした、と書かれていた。おとぎ話の存在と思っていたら目の前にエルフがいて驚きだよ。


「レイさん、モンスターを1撃で全滅させるなんてすごすぎますよ!」


「あの姿はまるで勇者みたいでした」


「あの古代竜インドラにダメージを与えるのはほぼ不可能ですよ、俺らが攻撃してもびくともしなかったんですから……」


 エルフの護衛達は僕を称賛しまくる。勇者みたいか……父に追い出された事を頭の中で思い返されるが言われると純粋に嬉しいな。


「私からもお礼を言わせてください、私はマナと申します。我々を助けていただきありがとうございます」


「いやいや、窮地に立たされている人を助けるのは当たり前の事ですから……」


「ご謙遜しなくてもよろしいのに……。レイさん、何かお礼したいのですが、希望はありますか?」


「そうですねぇ……。なら、お願いがあります! ここにいるインドラさんを攻撃するのはやめてもらって、余っていたらインドラさんにハイポーションを分けて貰えませんか?」


(レイ、お主という奴は……)


 エルフの皆さんはインドラさんの事を異常に警戒していたからな……。インドラさんは悪いドラゴンじゃないから回復させられたら有難いな。 


「安心してください、我々はもうインドラを攻撃するつもりはありませんよ。レイさんがオパールと名乗る男と戦うときに言うことを聞いていたし、助けられた身ですので信じることにしました」


「その通りです。あと1つ余っていますのでどうぞ、お使いください」


「ありがとうございます!」


 頭を深く下げて礼を言った後、すぐにインドラさんにハイポーションを与えた。


(我、ふっか~~つ!!)


 インドラさんは全回復したことにより、嬉しいのか上に向かって咆哮する。その咆哮は先程と同じくらいの爆音であり、耳を塞がないと鼓膜が破れそうなぐらいだ。今、両手で必死に耳を抑えている。


(インドラさん、うるさいですよ!)


(おっと、すまん。つい嬉しくて……。)


 インドラさんは申し訳なさそうに頭を掻いていたので少し可愛らしく見えた。インドラさんにそうゆう一面があるなんて意外だな。その後インドラさんはエルフ達と会話が出来ないので頭を上下に動かして感謝の気持ちを伝えようとしている。エルフ達はその気持ちを受け取り、1礼する。


「レイさんはこの後予定とかありますか?」


「特に決めていませんよ」


 元々追放されて途方に迷っているだけだからな、特に予定とかはない。インドラさんのこの後何するか気になるので念のため聞いてみる。


(俺は巣に戻ろうと思っていたぞ……)


 どこか暗い表情をしていたのは気になるが、インドラさんは元の場所に戻るらしい。するとマナ王女は申し訳なさそうな顔で頼み事をしてきた。


「あの、図々しいのは承知していますが……お願いがあります。私たちとしばらく行動してくれませんか?」


「構いませんよ、出来る限り手伝います。一度乗っかった船ですからね、このまま無視できませんよ」


「ありがとうございます! このお礼は必ずしますのでお願いします!」


「では早速向かいましょう、ペリドットへ!」


 ……えっ! ちょ、ペリドットって僕が来たところじゃないか! まさか戻ることになるとは……。まぁマナ王女が喜んでいることだし、我慢するか。

 僕が肩をガクッと落としていることに気付かず、護衛のリーダーが馬車に乗り、出発の準備をしている。そうなるとここでインドラさんとはお別れになるな。本当に短い間だったがここで別れるのは名残惜しいな。


(インドラさん、また会えるといいですね)


(レイ、頼みがあるがよいか?)


(はい、頼みとはなんですか?)


(我も一緒についていってよいか?)


 まさかインドラさんがそのようなお願いするとは予想外だった。また元の場所に戻ると思ったのに、向こうで何かあったのだろうか?


(我はずっと誰にも会えず、寝ていたのだ。()()()()我の所に来た者がいたが会話は出来なかった。その時は寝るまで何も思わなかったが、気づいたらここにいてレイと話している内に楽しくなって……このままぼっちになって寂しくなるのは嫌なのだ。)


 疑問に思っているとインドラさんが勝手に理由を話してくれた。インドラさんって意外と寂しがり屋なんだね。でも1人になって寂しくなる気持ちはわかる。僕もホープ家から追放されて誰もいなくなった時、胸が締め付けられるほどに悲しくなり、絶望した。だからこそインドラさんのことが放って置くことが出来ない。


(その気持ちわかりますよ、話す相手がいないと伝説の竜であっても寂しいんですね。僕は皆さんと共に行動するので王女様に頼んでみますよ)


(レイ、ありがとよ)


 僕は急いで馬車に乗ろうとしていたマナ王女を呼び止め、インドラさんを連れてよいかお願いしてみる。


「レイさんの要望は応えたいですが、それだけは良いとは言えません。本当に申し訳ありません」


「どうして、ですか?」


「インドラは伝説の古代竜、それがいきなりペリドットに現れたら国民達はパニックになりかねません。なので要望に応えることは出来ません……」


 確かにあの護衛の人達でさえあんな感じだったからそうなる可能性が高い。マナ王女は本当に申し訳なさそうに表情が暗くなっているのをみるとこのまま説得するのは難しそうだ。どうしよう……正直ここでインドラさんと別れたくはない。インドラさんからもついていきたいと言っていたからこれからもっと仲良くなりたい。


 何かインドラさんが見られても安心できるスキルがあれば……。んっ、まてよ? 確かオパールを倒して時に手に入れたスキルって確か……。


 【スキル【契約(テイム)】……自身より格下のモンスターを従わせることが出来る。

 契約も2種類あり、1つは従魔契約……モンスターに命令できるようになる契約。もう1つは絆の契約……認めた相手にする契約で心と心を繋いで2人で1つの存在となる。スキル所持者の性格により相手の姿が変わる事がある。この契約の場合、魔素は消費しない】


 スキルの事を考えていたらまた謎の声が説明してくれた。もしかしたらこれで安心させれるかもしれないし、運が良ければインドラさんの姿を変えられるかもしれない、一か八かこれに賭けるしかない!


(レイよ、我は共に行動できないのか?)


(インドラさん、お願いがあります。僕と契約を交わしてくれませんか?)


(レイは確か会話できるようになるスキルと言っていたが……まぁ出来るというなら構わんぞ、オパールという男と同じことされるのは気に食わないが、我は細かいことは気にせん。その方法ではないと共に行動できないんだろ?)


 インドラさん、話が早くて助かる。そうなれば早速取り掛かろう。しかし、どうやったらスキル【契約(テイム)】を使うことが出来るのだろうか?

 するとまた謎のアナウンス声が聞こえてきて、スキルの使い方を説明してくれる。それに従って契約の準備を行う。


(インドラさん、改めて確認します。契約していいですか?)


(いつでもいいぞ)


 僕は説明されたようにインドラさんを手で触れて、呪文を唱えながら手に意識を集中させる。その時、僕とインドラさんを囲むように赤く輝いている魔法陣が現れる。


 呪文を唱え終えるとボンッ! と爆発音と共に白い煙が立ち上がった。その時魔法陣は消えていた。まさか、失敗したのか……。心配しながら煙が消えるのを待っているとインドラさんの姿が見える。


「いや~いきなり煙が出てきてびっくりしたな。あれ、レイよ、でかくなってないか?」


「インドラさんが小さくなってる!」


 インドラさんは契約したことにより小さくなり、声も渋く、威勢があったが今は、可愛らしいく、無邪気な子供のような声に変っていた。自分の変わった姿に辺りをきょろきょろと見渡していた。


「まさか、あの雷竜インドラと契約してしまうなんて。信じられません……」


 契約しているところを見ていたマナ王女は固まっており、啞然としていた。


「よし、成功したみたいだな。マナ王女、これならインドラさんも共に行動してよろしいですか?」


「そ、その姿なら問題ありません……。」


 やった! これでインドラさん共に行動できる。承諾を得て心の奥底から嬉しかった。


「ありがとうございます! インドラさん良かったですね、共に行動出来るようになって」


「レイよ、我はお主と対等な関係でいたいのだ。だから話すときそんな畏まらないでくれるか?」


「インドラさん……」


「インドラでいい、今日を持ってレイは我の相棒になるんだからな!」


 あの伝説の古代竜、雷竜インドラさんに認められた感じなのでこれを喜んでいいのかわからない……不思議な感じだ。向こうがただ過剰評価しているだけかもしれないのでこれからも日々鍛錬をして強くなって期待に応えないとね。

 それにしても相棒か……なんか、いい響きだ。


「わかったよ。これからよろしく相棒」


「おうよ!」


 僕とインドラさん……いや、インドラは手を取り、握手を交わした。これをもって伝説の雷竜インドラが僕の仲間になった。

 護衛の人が出発の準備を終えたことを知らされ、馬車に戻る。するとそこでインドラがエルフ達と会話できるようになっていて、インドラ本人含めて皆、驚愕した。


~【能力強奪(スティール)】で入手したスキル一覧~


【雷竜】 【翻訳】 【契約(テイム)


 隠し能力……サーペントスティール

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