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2話 スキル覚醒!

どのタイミングで覚醒させるか悩みました。この方がしっくりくると思ったのでこの展開にしました。もし読んでくれましたら感想等お願いします!



「これからどうしよ……」


 僕は代々勇者パーティーに入っていたホープ家を追放された。今だに現実を受け入れられないまま途方に暮れている。


「とりあえずこの町から出るか……」


 僕がいる町、ペリドットはホープ家の事を知っている人が多いため滞在するのは得策じゃないだろうからとりあえずペリドットから出ることにする。しかし町の外はモンスターが出現するから危険なんだよな~定期的に隣町までのルートを馬車で乗せてくれるシステムがこの町にあるが、なにせ今はお金を全く持ってないから乗ることは出来ない。


「今後は隣町に着いてから考えよう」


 隣町まで歩いていき、もし何かあった時はそこで覚悟を決めようと思う、どうせ死んでも誰も心配する人いないしね。そうと決まれば早速出発だ!


「おや? レイ君じゃないか」


「おっ……おじさん、どうも……」


 町の出口に向かおうとした時、知り合いの()()()()が声を掛けてきた。髪は白く、杖をついていてかなりの年配の方だ。正直、今は知り合いに会いたくなかったが会ってしまった以上仕方ない。


「明日いよいよ勇者パーティーが結成されるようじゃな!」


「ご存じなんですね……」


「わしはレイ君の晴れ姿、楽しみにしとるんじゃよ」


「そうなんですね……」


 勇者パーティーの話をするのはやめてほしかった。おじさんの発言は今、僕の心を蝕んでいくのでとてもつらい。このおじさんは昔から世話になっているので言わずに行くのはなんか申し訳ない気持ちになるので言ってみることにする。


「おじさん、申し訳ないけど……僕は勇者パーティーにはなれませんでした……」


「何言っとるんじゃ、必ず立派な勇者パーティーになれると信じておるぞぃ」


 ダメだ、この人話を聞いてないみたいだ。そういえばこのおじさんは話を聞かずに自分の話を進める人だったことをすっかり忘れていた。


「僕はもうこの町を出ますので、これで失礼します」


「おっ、今から鍛錬に行くんじゃな? 真面目やのぉ~。頑張るんじゃぞ~!」


 おじさんがこちらに無理をして手を振っている。僕も振り返したいが感情が込み上げてきて涙が出そうなので拳を握って耐えている。そのためおじさんの方を向かず、黙々と歩いていく。


「早くここを出た方がいいな……」


 また知り合いに会って思い返されるのは嫌だしね……。あのおじさんは人の話聞かないから言えたけど他の知り合いになると言うと変な噂が流れそうだら言いたくない。


 知り合いに会わないようにと願いながら歩いているとあっという間に町の出入り口に到着する。ペリドットはモンスターに襲われないように壁で覆われているため、壁が馬車が余裕で通れるぐらいの大きさでアーチ状にくり抜かれている感じになっている。


「そこの少年、まさか歩いてここを出ようとは思ってないだろうな?」


 すぐにペリドットを出ようと思ったが出入口を門番している人に止められてしまった。生まれてからずっとペリドットの外に出たことないのでまさか止められるとは思わなかった。


「ダメですか?」


「この付近までならいいがその荷物だと隣町まで行くつもりだろ? 隣町に行くためには森を抜けなければならないが、なにせ森にはモンスターがいるから歩いていくのは非常に危険だ、やめとけ」


 門番の人は恐らく僕の事を思って言ってくれているのだろう。しかしお金がないので歩いていくしかないのだ。でもどうやって説得しようか……。


「大丈夫ですよ、僕はこう見えて鍛えてますから!」


 咄嗟に腰に掛けていた剣を取りだし、門番の人に見せつけた。剣を見せれば少しは戦える人と思わせられると思って出してみたが……。どうだ、これで通らせてくれ!


「鍛えていると言われてもな……んっ? これはホープ家のマーク……まさか君はホープ家の人間なのか!?」


「まぁ……そうなりますね……」


 僕が持っている剣は持ち手と刀身の間にホープ家の勲章が埋め込まれていた。ホープ家は代々勇者パーティーに入っているため、ペリドットの国王から勲章をもらっている。その勲章を見た門番の人は目が飛び出るぐらいに驚いている。今はホープ家の人間じゃないからただ持っているだけなんだけどね……。


「あれ? でも明日勇者パーティーが結成されると聞いたのに何でこんなところに……?」


 やべっ! そこを探られるとは思わなかった。そもそも勲章見ただけでホープ家と分かるとは思ってなかったし……。ホープ家って僕が思っているより有名なんだな。……って今はそんなことはどうでもいい、探られる前にここから逃げないと!

 僕は門番の人が考え込んでいる内に全力疾走でペリドットを出る。


「……あっ! 少年、待つんだ!」


 追放されたことだけは知られるわけにはいかない。門番の人は止まるように忠告するがそれを無視して走り続ける。





 ☆☆☆

 




「ここまでくれば大丈夫かな……」


 しばらくの間、ペリドットの外にある平原を走り続け、後ろを見ると追ってくる気配がないので足を止める。よし、ここからのんびり歩くとするか~。

 

「この先は森になっているのか~」


 走るのに夢中で気づかなかったが目の前には多くの木が広がっていた。門番の人が言っていた森に間違いない、確かモンスターが出ると言っていたな……。恐らくここを通らないと隣町に行けないので入ることにする。


「少し薄暗いな……」


 木が多い茂っているため日差しが当たらなくなっている、そのためか不気味に感じ、心細かった。モンスターとかが出そうでつい周りを警戒してしまう。


 慎重になりながら進んでいると唐突に爆撃音が聞こえてきた。気になったので音がする方に進んでみるとモンスターの群れに襲われている人達がいた。モンスターにも様々な種類がおり、大きく分けると鳥類や狼、虫などがいた。襲われている人は緑色のフードを被っていて顔を見ることが出来ない。


 しかも最悪なことに本来なら現れるはずがないドラゴンがいた。黄色い角に赤い鶏冠、白色の鱗で四足歩行、周囲にか稲妻が走っていてどこか伝説感を漂わせている。ドラゴンは今にも口に雷を溜めて、緑フードを被っている人々にブレスを吐こうとしていた。


 ただのドラゴンならまだよかったがこのドラゴンはSランクに相当し、幻の存在と言われていた古代竜の1体、雷竜インドラの特徴と一致していた。


「ちっ……肉体が滅びようとも()()()を守り抜くぞ!」


 人々は雷竜インドラらしきドラゴンに対抗しようとしているが力の差は歴然、ドラゴンの方が上なのは見るだけでも分かる。このまま知らないふりをしても僕には何も影響はないが考えるよりも先に足が動き、フードを被っている人々の所へと無意識に走っていた。


「やめろー!」


 少しでも間に合うようにと右手を伸ばすが間に合いそうにない。僕には無関係なのはわかっているが目の前に困っている人や窮地に立たされている人のために少しでも力になりたい! 勇者パーティーには入れなかったがそれでも出来る限り救いたいんだ、でも間に合いそうにない。


 間に合ったところで何が出来る……?巻き沿いを喰らって共にやられるだけだ……。力が欲しい……目の前の人々を救える力が……。お願いだ、神でも悪魔でも何でもいい。僕に力をくれ!



【スキル、能力強奪(スティール)の隠し能力、サーペントスティールを発動します。】



 えっ……?


 脳内にアナウンス声が聞こえたかと思ったら僕の右手から黒い靄が出てきて、それは次第に3匹の大蛇に変形してドラゴンに襲いかかり、それぞれ頭、片腕、腹部に嚙みつき始めた。ドラゴンは噛みつかれて、もがいて徐々に人々から離れていく。


 何が起きたのかよくわからないがこれはラッキーだ。すぐに緑色のフードを被っている人々に駆け寄った。


「大丈夫ですか?」


「あっ……ありがとう……ございます……。我々は立っているのが精一杯……なので我々のことは見捨てて……後ろにいる王女様を連れて逃げてください……」


 近くで見ると傷だらけになっていた。後ろを見ると、少女の怯える声が聞こえてくる。言われて通りするのも1つの考えだが僕は気に食わない。もし勇者パーティーだったらどんな状況でも全員助けるはずだ。だから僕もここにいる人たちを全員救って見せる!


「いいえ、皆さんをおいて逃げることは出来ません。必ず全員守ります!」


 僕は前に立ち、剣を鞘から抜いた。もう一度、同じことが出来るとは思わないので剣で戦うことにした。すると周りにいるモンスターが一斉に襲い掛かってきた。


【先程の隠し能力、サーペントスティールの攻撃でスキル、【雷竜】を入手しました。イメージすればいつでも雷攻撃が出来ます】


 また声が聞こえてきた? あの技を使えば能力を奪えるのか、……ってかこの声はいったい誰なんだ……? 気になるが今は考えている暇はないか、イメージすれば雷を出せると言っていたな……。


 剣に雷を纏わせるイメージをすると、剣に稲妻が走り出した。これなら戦える! 自信がついた頃に僕の前にDランク相当のトランスバードがいて襲い掛かろうとしていた。


 トランスバード……言語を翻訳してくれる鳥で普段は温厚なのだが凶暴化すると肉体が大幅強化され、人間の骨をたやすく折る力をもつモンスターだ。凶暴化すると行動がワンパターンになるのでDランクになっている。


「喰らえ、ライトニングスラッシュ!」


 稲妻を纏わせた剣を振りかざすと雷の斬撃が飛び、切り裂いた。その後も斬撃は遠くへ飛んでいき射線上にいたモンスターは切り裂かれ、周りのモンスターは雷の効果で感電し、黒焦げになっていた。


「すっ……凄い威力だ、まるで災害があったみたいだ……。」


 雷の威力がまさかここまであるとは思わなかった……。目の前に広がる光景を見て啞然としているとまた謎のアナウンス声がブツブツと聞こえてくる。今は聞いている暇がないので無視をする。しかし、まだまだ多くのモンスターが森の奥から僕達を囲むように現れる。


「まだいるのか……。よくわからないが、この力を試すとするか」


 雷を全身に纏うイメージをすると、全身に稲妻が走ってくる。纏うのが完了したタイミングでモンスター達が一斉に襲い掛かってきた。狙いを定めて、接近しようとしたが体が軽くなった感覚があり、気づけば狙いを通り過ぎて別のモンスターを斬っていた。

 

 どうゆうことだ? いつもより体がスムーズに動くからコントロールが効かない。雷の影響だとは思うが速すぎて戦いにくい。しかし解除したらしたで今度は一方的にやられそうなのでこのままで戦っていく。


 雷に慣れるのに夢中になっているといつの間にかモンスターは全滅していた。その間に最後の1体、ドラゴンが立ち上がり、こちらに向かってくる。


「よし、何とかなった……。後はドラゴンだけだな。通用するかわからないが今出せる全ての力を一気にぶつけるしかない!」


 僕はあえて剣を鞘に納めて、今度は右手に雷を集めて圧縮、力を込めている。次第に球体状になり、バリバリと稲妻が纏っていた。何故、剣をあえて納めた理由は、小さい時に読んだ伝説の書で出てくる勇者がこのやり方で最後、倒していたので同じように、ふとやりたくなったのだ。それをドラゴンに放とうとした時。


(ちょ……攻撃しないでくれ!)


 見知らぬ声が聞こえてきたので手を止めてしまう。先程のアナウンス声とは違って渋く、怯えている声が聞こえてきた。まさかと思いドラゴンを見ると怯えていた。


~~~ 【能力強奪(スティール)】で入手したスキル一覧 ~~~

 

【雷竜】 


 隠し能力……サーペントスティール                                       

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