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黄色い梅の花

前回はロープウェー乗って山頂まで彩を探す話でした。

今回はその続きになります。


四人の目の前には黄色い花が一面に咲いていました。

そして、多くの観光客も居ます。


「この黄色い花は何?幽刻寺?」

「この花は梅の花ですよ!」

「梅?!梅の花ってピンクじゃないの?」


彩は目の前に咲き乱れる黄色い梅の花を指を指して言いました。


「これは狼狽だこの時期に黄色い花を咲かせるんだ。」

「それに木の根本を見てくださいっす!」


そう言ったケンタに皆は彼の指さす木の根元を見た。


「福寿草ですね、この狼狽とともに春を告げる花としてこの山では有名ですね。」

「へえ・・所であれ食べれるの?」

「なんで、毎回食べ物に結びつくんですか?彩さんは・・」

「ああ、食べれるぞ!」と二つ返事に、幽刻寺は驚いた顔で春日の顔を見ました。

「・・ちょっと、嘔吐と心臓麻痺と呼吸困難になって、死に至るだけっす。」

ケンタは春日の言葉にニコニコと言葉を返した。

「いじわる・・食べれないじゃん!こっちの地方の人は野草を天ぷらにして食べるって聞いたのに!」

「でも花言葉は幸せを招くというので縁起が良い花でもあるっすよ。」

「彩、因みに言っとくが、山菜天ぷらだし山菜に福寿草が入らないだけだからな・・。」

「そこ、フォローするところかな?」と幽刻寺はボヤキながら四人は山頂にある神社を目指していた。


  ☆    ☆    ☆


「あっ!こんにゃく食べたい!ここ寄って行こう!三人とも!」


山頂付近には売店がありました。


「・・良いっすね!けど、お参りが先っすよ!彩さん!」


「えっ・・やだーやだー!」と彩はわがままを言っていたが、

春日に服の袖を引っ張られながら四人は山頂にある木造の鳥居がある神社に到着した。


「お前らお参りしていくぞ!小銭持っているか?」

「私・・一円と十円玉数枚しか持ってない・・十円って縁が遠くなるなるから投げたくないし一円じゃなんか失礼な気がする・・」

「そういう時は、二十五円投げると良いっすよ!二重にご縁があるみたいにっす!」

「へえ・・なんか納得しますね。」

「賽銭もいいが、二礼二拍手忘れるなよ・・幽刻寺お前また鳥居通るときお辞儀するの忘れたな?!やり直し!彩でも出来てんだぞ!」

「・・・ホント申し訳ない・・。」


  ☆   ☆   ☆


「山頂着いた!私が一番!四百九十七メートル!」

「神社の脇道から山頂まで十分の看板の通りに直ぐに山頂に着いたな!」

と春日が言う中に後から幽刻寺とケンタも後に続いて来ました。


「四百九十七メートルって高いの?」と、彩は春日に聞きました。

「いや・・全然低い方だろ?この辺りだと・・あ?・・どうしたケンタ?」


春日はそこまで言ってケンタと何やら耳打ちで話しを始めました。


「ねえ幽刻寺・・このさきたまで一番高い山ってどこなの?」

「雲取山かな・・。ここから見える武甲山や両神山はそこより低いと思うし・・」

「雲取山か・・行ってみたいね、どこにあるの?」

「三峰の山奥すよ、あともう下山しますっす。」


ケンタにそう言われて彩も唖然とした様子でした。


「えっ!?まだ来たばっかしだよ・・」

「事情が変わったんだんだよ・・大人しく来い。」


春日は彩の腕を掴んで来た道を戻り始めました。


「ああでもしないと、逃げちゃうからな・・」

幽刻寺はそう呟きながらケンタと一緒に降りていきました。

その最中に幽刻寺は疑問に思うことがあるのでした。


「そういえば、観光地とはいえ急に人が増えたよな・・」


四人が去っていく後姿を赤い袴姿を穿いた和装姿のさやか先生と、黒いスーツ姿のサングラスを掛けた男性が見ていました。

「行きましたか、さやか先生もう結構ですよ」と黒いスーツを着たサングラスを掛けた男性が言うと「はい」と応え、彩達の担任であるさやか先生は片手を上げました。すると辺りに居た人々が人型の紙切れになりました。


「・・本当にこの辺りも人が少なくなりましたね・・渋沢会長」


そう、さやか先生が言うと渋沢と呼ばれたスーツ姿の男性はため息を吐きながら応えた。


「そうだな・・彼らこそこの土地を救う救世主になるといいんだが・・このさきたまの預言書に記された通りに必要行動を行えば、最悪の事態を回避出来る・・果たしてホントなのだろうか・・」


そこまで言うと、サングラスを掛けた渋沢と呼ばれた男性は後ろを振り向いて、さやか先生に合図を送った。


「どうやら、此方に向かって来ているみたいだ・・此方の気配を消してくれ・・」

「はい。」さやか先生はお札を懐から出して瞳を閉じると強く念じました。

その最中でした。宝登山の山頂の看板の向こうから何やらおぞましい格好をした人型の化け物が走ってきました。


「大丈夫です渋沢会長。此方の姿は彼女には見えません」

「ああ解っている。しかし、アイツは何しに来たんだ?」

「彼女を探しているんですよ。」

「彼女?彼女って?」

「彩さんです。あの子が血眼になって探すなんて彼女以外目的なんてありませんから・・」


さやか先生はそう話している間に、化け物はその場から消えていき彩達が下山するのに使っている登山道の方に向かっていきました。


「行ったか・・まて、アイツら四人で大丈夫なのか?」

渋沢はそういうと、さやか先生は二つ返事で応えました。

「ええ大丈夫です。ここは宝登山ですよ?その為にタケルを向かわせたんですから。」

「・・ここでまさかあれをするつもりか?タケルに山犬の神様・・!?」


そう渋沢が言うと、さやか先生もにっこりと笑いました。


「幽刻寺はこの状況をどうするんだろうか?」

「彼を試すんですよ、これで・・ね?渋沢七之助さん」

「お前の生徒なのにそんな言い方はないんじゃ・・まあいい」



「血洗島財団の名に懸けてこの計画は必ずや完遂させてみせる。」


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