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第四十二話 ライアの騎士を殺さないわけ

「さて、作戦だが話は簡単だ。エリート騎士たちが去った今、ライアには町人とライアの騎士しかいない」


 俺がそういうとアーシャは頭を抱える。


「うーん。よくわからないですー。意地悪しないで早く教えてください!」


アーシャは随分と気が早いな。まぁ、俺も回りくどいところがある。


俺は本題に入ることにした。


「俺たちの目的は貴族権の剥奪と、もう一つ。民衆が反乱を起こしやすくする土台作りだ」


 ヨセフにはああいったが、間に合うかどうかわからない以上、民衆の協力も必要だ。

 何も戦闘だけが反乱ではない。諜報や謀略なども反乱と言える。


「わかったわ!」


 ティアはハッとした表情をすると、


「ジークがライアの騎士を殺さない理由がこの話にあるのね」

「そういうこと」


流石はティアだ。相変わらず頭の切れもいい。


だが、聞いたばかりのアーシャはまだわからないようで、


「どういうことですかー? リスティア様教えてくださいよー」


 難しいことを考えるのを止めた子供のように、テーブルでバタバタし始めたアーシャにティアは話す。


「いい。もし、憎らしい上司が自らの行いによって退職に追い込まれる方法があるとしたら? 加えて、仲間とともにそれを成し遂げられたら?」


 ティア...... 生々しい例えを......

 だが、アーシャは理解したようで。


「そうですねー。ざまぁって思った後に、自分たちもやれるって思っちゃいます」


アーシャはそういった後、声に出した自分の言葉が答えだと悟ったようで、


「あ! そういうことですか! 要は民衆が自ら行動する原動力にもなると!」


 アーシャは答えられたことが相当嬉しいんだろう。

 体を揺さぶって嬉しさ全開だ。


 そしてアーシャの答えは正解だ。


 俺のクルザ弱体化計画。


 その第一段階は民衆に希望を与え反乱軍として立ち上がらせて、俺たちは裏で行動する。

 そうすれば、何かが起こったとしても俺たちに気づくような奴は早々いない。

 というより、気づいた頃には各地で出来上がった反乱分子は反乱軍となり波のように伝染していく。

 止めたくても止めようがないはずだ。


「そうだ。そしてその代表になってもらう。反乱分子を増やし、反乱を焚き付ける、マーネ反乱軍のリーダーに」


 その言葉に手を挙げてはしゃいでいたアーシャは手を挙げたまま、固まっていた。


「へ?」

「反乱軍のリーダーだ」

「いや、無理ですって!! さすがジーク様、天才だー。なんて思ってあげてたのに!!」


 貶しているのか、褒めているのか、はっきりしてくれ。


「大丈夫だ。俺やティアの言うとおりにしていればいい。言い方が悪くなるかもしれないが、操り人形ということだ」

「うげっ...... それも嫌ですね......」


 お前は本当に修道女なのか? 

 そんなことを疑ってしまいたくなるほどに、嫌な顔をしたアーシャだったが、


「私が、指揮を執るなんてことは絶対にないですよね?」

「ああ、保証する。言われたことをやってくれたらそれで十分だ」


その言葉にアーシャはため息をつく。


「わかりましたよ。さっきも言った通り、私もジーク様たちの計画には賛成なので。でも、どうすればいいですか?」


どうやらやってくれるようだ。ティアがいるとはいえ、断られたら俺にはもう策がなかった。

心底ホッとする。ありがとう、アーシャ。


「作戦という作戦はない。人の心理を利用する」

「人の心理?」

「そう、人の心理だ。一人がやり始めると、それは拡散していく。そんな心理を使う」


俺はティアとアーシャに作戦を説明した。





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