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贖罪は未だ
人生16年。
日数に直すと5840日以上。時間にするとおよそ14万時間。
単位を細かくすればするほど長く思えるが、ふと思い返すと短いような気さえする。そんな年月を生きてきた。
泣き、笑い。悲しみ、喜び。色んな時間を過ごしてきた。
そんな人生に転換点─────すなわちターニングポイントとなった日が2日ある。
1日は、小学6年の時。
矮小で、非力で、何を成すことさえもできない自分の惨めさを思い知った。
惨めさを恨み、ただ強さを願った。
そして中学3年の時。
包丁を握り、
「あんたを殺してやる」
そう叫んで、俺の前に立った母の姿を今でも覚えている。血が出そうになるくらいに唇を噛み締め怒りをあらわにしながら、目元からは涙を流していた母の顔を今でも忘れられないでいる。
あの涙はなんの涙だったのか。それは今でも聞けていないし、分からない。
この2日が今の俺を作った。
そしてあの日以来、
俺は上手く笑えないでいる。