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劇中群像 Dramatis Personæ  作者: Robert Browning (翻訳:萩原 學)
ジェイムズ・リーの妻 James Lee’s Wife
3/15

III.—出入口で In the Doorway

I.

燕はその子6羽を厳しく躾けた、

 そして海の方を見遣る

水面の縞模様はヘビのよう、オリーブ色の

 風下に向かって、…

天候の方は、黒く、風が白く斑点に見える。

「幸運は去り、災害は迫り」…

聞け風の音、その欲望と無限の嘆きを!

THE SWALLOW has set her six young on the rail,

And looks sea-ward:

The water’s in stripes like a snake, olive-pale

To the leeward,—

On the weather-side, black, spotted white with the wind.

“Good fortune departs, and disaster’s behind,”—

Hark, the wind with its wants and its infinite wail!

II.

塩気に歪んだイチジクの木が畳みこんでいた

 5本の指、その葉

一枚一枚が掌のよう、世界に向けて開かれた

 そこを去り難く

黄金の煌めきなど無いけれど、このひと夏はこの木に注がれ

ブドウの木が列をなして悶えること、めいめい支柱に突き刺され!

私の心も萎む、精気も丸まり縮こまり。

Our fig-tree, that leaned for the saltness, has furled

Her five fingers,

Each leaf like a hand opened wide to the world

Where there lingers

No glint of the gold, Summer sent for her sake

How the vines writhe in rows, each impaled on its stake!

My heart shrivels up and my spirit shrinks curled.

III.

しかし、ここには私たち2人。愛があり、家もある、

 庭まで付いた、

4部屋のこの家、庭は赤くて荒いけど

 そこが餌場の

ウサギあり、雑草やら何やらの葉っぱを毟る

かささぎそこに舞い降りたなら、ちょっとした出来事になるが

何れ11月の拒絶に遭って居なくなる。

Yet here are we two; we have love, house enough,

With the field there,

This house of four rooms, that field red and rough,

Though it yield there,

For the rabbit that robs, scarce a blade or a bent;

If a magpie alight now, it seems an event;

And they both will be gone at November’s rebuff.

IV.

でも、なぜ寒さは広がるものかしら?でも、それゆえ変化が、ようよう

 精気に齎されるは、

神は精気を無限の範囲と交わらせようと、

 ここに受け継ぐは

暗闇と寒さに命を与える神の力をという?

いざ、よく生き、よく愛し。我慢強くも大胆で在ろう!

夏を友達にした人よ、冬を遠ざけよう!

But why must cold spread? but wherefore bring change

To the spirit,

God meant should mate his with an infinite range,

And inherit

His power to put life in the darkness and cold?

Oh, live and love worthily, bear and be bold!

Whom Summer made friends of, let Winter estrange!

THE SWALLOW:ブローニングの手紙によると「秋が来たのを、籠の中の燕のように感じてしまった」との事(Woolfoad & Karlin)。燕である理由は不明。

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