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2.住んでいるアパートが実はもう使われていない廃墟(幽霊屋敷)だった件

これは巷で話題になっている話のくだりをネタにし、お酒とつまみを飲み食いしながら宴の席ではなした…佐藤君のしょうもない内容の物語である。




2.住んでいるアパートが実はもう使われていない廃墟(幽霊屋敷)だった件


 それは、佐藤君が部署を異動させられて三日後の話である。


 「え!?幽霊屋敷!?こんな都会にあるわけないじゃん」


 「だよね~、でもでも、そこには誰も住んでる人はいないはずなのに、夜中に中からアン…アン…って聞こえてくるらしいよ」


 「こっわ~い」


 部署の片隅でOL2人がひそひそとそんなことを話していた。


 ひそひそ話している割には、部署全体に響き渡っているのが気になるのだが…


 僕の配属された部署は、ネットで自社の評判や意見を確認するというのが主な仕事の所である。


 でも、なぜかここに集められている人たちはみんな愚痴の数が多いOLばかり。


 これを頭がお花畑な人が純粋なこころで読み解くと「ハーレム」と想像しがちなのだが…



 よくかんがえてみてくれ…



 愚痴数が多い人に…美人は少ない!!(佐藤君の勝手な想像)


 故に(でも本当に)、OLみんな…あんまり可愛げがないのだ…


 そんなところになぜ異動させられたのかというと…上司にガチギレされたからだ。


 理由は1.駅で見かけた猫がしゃべった時の反応 にかいてあるので、知りたい方は是非読んでみてほしい。


 そんなことはもとより、話を戻すが、最近巷では幽霊屋敷が話題になっているらしい。


 OLの話から察するに、その幽霊屋敷と思われるところからはアンアンという謎の声が聞こえるそうな。


 アンアンというのは絶対幽霊の声ではない気がするのだが…



 仕事場で話題になっている話について考えながら、佐藤君は自宅へと向かった。


 自宅についた時、事件は起こった。


 自宅のアパートがものすごくぼろくなっているのだ…


 家に帰る前にコンビニで酒を飲んでしまったことにより、酔いが回っているだけなのかもしれないが、アパートの階段を触る限り、ものすごい…古い木の感触が伝わってくるのだ!!

 上るとギシギシいうし…


 そんなことお構いなしに僕は自分の部屋のある二階へと向かった。

 


 ここで妙なことに気が付いた。


 

 部屋の鍵が…かかっていなかったのだ…


 しっかりと施錠して家を出たはずなのに…


 ここで僕の意識は途絶えた。




「ア…アン…ハァ…ハァ…」


 突然聞こえたまたもや妙な声のせいで僕は起きてしまった。

 

 しかも、なぜか隣の部屋から聞こえてくるのだ…


 聞き覚えのある声で!!

 

 眠れない(怒)!!!!!


 僕は注意しに行くことにした。たぶん一人孤独に夜の営みをしているのだろう。


 「すみません、うるさいのでもうちょっと声抑えてくれませんか!?」


 ガタガタガタン…僕が玄関越しに話すと中の住人は慌ててしまったのか、物をものすごい勢いで落としてしまったようだ


 

 ―10分後



 「ごめんよ、気を付けるわ」


 中から男の人が出できていきなり謝ってきた。


 「気を付けてくださいよ~…ってあれ?」


 その時、僕は運命を感じた…

 

 「えっ…さ、佐藤君!?」


 「あ、安喰くんだよね!?」


 そこにいたのは、幼馴染の安喰君だったのだ。


 「ひ、ひさしぶり!!お、おいどん…今、猛烈に感動してるよ!」


 勝手に感動された…。


 僕は運命は感じはしたが、感動するまでには至っていないので反応に困った。


 そう、安喰君は横幅がとても広く、汗っかき、一人称がおいどんで夜の営みごっこが日課の…要するに万年発情期真っ盛りの男子高校生をそのまま大人にしたような…そんなひとなのだ。


 はっきり言って、僕はこの人が苦手だ。


 なのに、目が合った瞬間に部屋に引きずり込まれた。


 そして、いきなり昔の話を二人で語り合うハメになった。


 「ねえねえ、昔二人で銭湯の女風呂の覗きとかしたよね」


 「は!?それは安喰が勝手に男湯と女湯の仕切り壁に穴開けてのぞき込んでただけだろ(怒)」


 「ほかにはさ、幼女を追いかけまわしたりとかさ…」


 「しらね~よ、そんな話今初めて聞いたわ(激怒)」


 内容は安喰君が勝手にやった…はたから聞くと犯罪を犯した人のお話…


 当然、安喰君は警察に捕まり、刑期まっとうした。


 周りには遠い親戚の家に行くといいながら…


 え!?ちょっと待てよ…安喰君は今何でここにいるんだ!?


 ふと、疑問が頭から湧き出た。だが、そんなことを考えているうちに僕は寝てしまっていたようだ。


 


 次の日、目を覚めると辺りには複数の警察の人が僕の周りを取り囲んでいた。


 どうしたのかと僕が理由を聞くと、警察の人はこんなことを話していた。

 

 「服役中だった安喰がおとといあたりから脱走していましてね…昨日男性を部屋に引き込んで立てこもったという情報を聞いてこのおんぼろの廃墟に来たのですが…安喰」


 「え!?廃墟!?」


 僕はその時ようやく気が付いた。


ここは自分の住んでいるアパートではなく、最近話題になっている廃墟(幽霊屋敷)だということに!!


なぜ来てしまったのかというと、仕事終わりにその廃墟が気になって携帯でその場所を調べ、知りたいという探求心に身を任せた結果…こうなってしまったのである。


多分、喉が渇いたから水の代わりにお酒を買ったのがいけないのだろう…


「まあ、最近幽霊屋敷と騒がれているアパートでよく無事でいられましたね。詳しいことを聞きたいので警察署の方までご同行お願いできますか!?」


「は、はい」


昨日のことを悔やんでいると、いきなり警察の人から警察署まで連れていかれ、安喰のことについて聞かれた。


僕は、あんな奴には二度と関わりたくないと思っていたので、安喰君がらみの質問は連れ込まれたこと以外は全てNOで答えた。


その後、警察署を後にした時に一本の電話がかかってきた。


「もしもし、佐藤君ですか!?上司のものですが…」


新しく配属された部署の上司からだ。


吉報かと個人的に喜んでいたのだが、思いもよらない一言をこの後耳にすることになる…


「佐藤君、悪いが部署を異動してはくれないかね」


僕はその場で凍りついた。


その後、ジョークのように感じたのでとりあえず明るい雰囲気で返答してみた。


「異動とか冗談ですよね」


「本当の話だ。すまんな。」


即答された…


僕は恐る恐るその理由を尋ねてみた…


それは、同じ部署の先輩OLが、僕が廃墟(幽霊屋敷)から警察の人と一緒に出てくること一部始終を見ていたらしく、逮捕されたのでは!?と同部署OL全員に話したのが発端らしい。


僕は思った…仕事人生終わったな…


次の日に会社に着くと、さっき話してた上司から異動命令の紙を渡された。

 

僕は必死に抗議したのだが、OLみんな僕をまるで怪物を見るような目でさげすんでおり、ゆるしてくれる気はみじんも感じなかった。


余談だが、この出来事が起きてから2日後、安喰君は廃墟近くの公園で変わり果てた姿で発見されたそうだ。

 

死後6日は経っていたそうで、死因は心臓発作だったらしい。



このことを知ったのは家に帰ってきてからの事だった。



あの日廃墟で話した相手は本当に安喰君だったのだろうか…




 不思議な体験をした挙句に部署を異動させられたということは僕以外、まだ誰も知らない…


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