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クエスチョニング  作者: 運河
第一章 1年B組
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序章 不思議な夢と高校生活の始まり

川のせせらぎ、お腹が空いたと鳴いている雛、風で波く、ススキやかるかやが目に浮かぶ、、、

耳をすませば、遠くで油蝉が鳴いているのが聴こえてくる。

僕は、ゆっくりと目を開いた。

僕は、座っていた。ベンチだろうか?

目の前は霞んで見えない。オレンジ色にぼやけている。


(今は夕方だろうか?)


と僕は考えた。

頭が重くて、とにかく眠くて、身体に力が入らない。


(駄目だ。身体がだるい、、、)


僕は眠かったので、目を瞑ることにした。

その時!


「ねえ、どうしたの?」


と誰かに声をかけられた。

もう一度目を開けると目の前に誰かが立っていた。

ぼやけてよく見えない。

オレンジ色の中に黒く、人影がぼやけて見える。

誰だろう、、、

僕は、目にゴミが入ったせいで見えないのかと思い、目を擦った。

少しすると目の前にいるのは少女であることがわかった。

制服を着て、髪の長い少女である。

片手には、水玉模様の赤い傘を持っている。

顔はまだぼやけて見えない。


「ねえねえ、天使は卵から生まれると思う?」


と少女が僕に訊いてきた。


(誰だろうか?、、、)


どこか楽しそうで、少し甘えたような声をしていなと僕は思った。


「君は、誰かな?」


と僕は訊いてみることにした。


「ねぇ、寝ぼけてるの?」


「もー!ねぇ、卵だと思う?」


と少女はいってきた。

少し怒らせてしまった気がする。

誰なのか訊くのを諦め、


「君は、天使が好きなのかな?」

    

と僕は訊いてみた。

   

「うん!大好き!!」


と少女はいった。

声だけでも好きな気持ちが伝わってくる。


「なんで好きかというとね、わたし、、、、、、、、」


 



 

「ねえ、、、起きてる~?、、、遅刻するわよ!」


誰かの呼ぶ声で、僕は目を覚ました。


「今日から高校生でしょ!早く起きなさい!」


と母は大きな声でうながしてきた。

呼んでいたのは母だったようだ。

声の響きからして一階にいるみたいだ。


「今から、起きる!」


と寝起きであるが、なるべく大きな声で僕は返事をした。

あの少女は誰なんだろか、、、また会えるかな、、、

ベットの上で上半身を起こして、机にある目覚まし時計を確認した。

4月4日。

時刻は、午前7時30分。


「アラームするの忘れてた。最悪。」


とため息をして僕は呟いた。


「もう時間でしょ!早く降りてきなさい!」


「はいはい、今から行くって!」


と僕は適当に答えた。

イライラしながら僕は布団から出ることにした。

自分の部屋から出て、一階のリビングに向かうため、階段を降りた。

リビングでは、家族が朝食を食べている最中だった。

僕は、いつも座っている席に着いた。

机には、すでに僕の分の朝食が置かれていた。

朝食は、いちごジャムを塗ったトーストと目玉焼きのようだ。

牛乳も一緒に置いてある。


「遅刻するなよ」


とぶっきらぼうに父がいった。

父がどんな仕事をしているのか、僕はよく知らない。

いつも朝5時には起きている。


「入学式に遅刻したら笑ってあげるわ」


と3つ上の姉がいった。いつも僕を小馬鹿にしてくる。

僕とは違い友達が多く、今日も遊びに行くのだろう。


「兄ちゃん、早く食べろよ。大事な入学式だろー」


と今年から中学生になる弟がいった。

最近口が悪く、反抗期が来たようだ。


「そうよ!早く食べて支度しなさい!!」


と病弱の母がいった。

母は、よく体調を崩す。

今日は機嫌が悪い。僕が早く起きなかったのが原因だろう。


「遅刻しないって!はいはい、食べるよ」


僕は急いで朝食を食べた。

朝食を食べ終え、フェイスタオルを持って、洗面所に向かった。

水で軽く顔を洗い、洗面台の鏡に映る自分の顔を確認した。

その時、おでこに小さなニキビがあることに僕は気が付いた。


(今日はついてないな。すぐに治ればいいけど、、、)


フェイスタオルで顔を拭いて、洗面所を出た。

制服を着るために、階段を昇り、自分の部屋に向かった。

部屋に入って、左側にあるスライド式のクローゼットを開けた。

中を物色して、制服を見つけた。


「毎日、これ着るのかよー」


ハンガーにかかった制服を見て、僕は文句を呟いた。

僕は、制服を取り出して、急いで着ることにした。

制服を着替え終わった後、部屋を出て、階段を降りた。

靴を履きに、玄関に僕は向かった。

玄関に着くと、すでに母が待っていた。


「早くしなさい!遅刻するわよ」


「はいはい、わかりましたよ」


めんどくさそうに僕はいい、しゃがんで、ローファーを履いた。

履き終えて、僕が立ち上がろうとした時、母が話しかけてきた。


「ネクタイがおかしいわよ」


「別にいいよ」

    

「ならいいけど、、、」


「てか早く行こうよ!入学式に遅れるし」


「あんたが、起きるの遅いからでしょ!電車に間に合わないじゃない」


と母は怒るようにいった。

僕は、返す言葉が見渡らず、ため息をついた。


「じゃあ、行こ」


と僕はいって、扉に手を掛けた。


「いってきまーす」


とリビングにいる家族に向かって言い、僕達は玄関を出た。

駅は、近いので徒歩で向かった。

歩いても5分くらいだ。

時間通り、駅に着いて、予定通りの電車に乗ることができた。

車内は人が少なく、座ることができた。

外は、寒かったが、車内は、ポカポカして暖かかった。

少しして、母は寝てしまった。

僕は、カバンから読みかけの小説を取り出して、読み始めることにした。

頁を捲っているうちに時間は過ぎていった、、、


半分ほど読み終えた頃、学校の近くの駅に着いた。

電車に乗って、30分くらいたっただろうか、、、

僕は、母を起こし、電車から降りた。

電車から降りて、ホームの時計を僕は確認することにした。

時刻は、午前8時20分。

入学式には間に合いそうだなと僕は思った。


「入学式には間に合いそうね」


と母はいった。


(同じことを考えていたようだ。昔からよくある)


改札を出て、学校の方角へ、歩き出した。

駅から高校までは、徒歩で5分もかからない。

この時間は、ラッシュアワーのため、人が多いようだ。

スーツを着て、急いで、改札に向かっている人もいる。

辺りを見渡して、この町はまあまあ栄えているなと僕は思った。

有名なお城もよく見れる。観光客らしき人もちらほらいるのがわかる。


「着いたら先に体育館に行くんでしょ?」


と歩きながら僕は母に訊いた。


「そうよ、校長先生からお話があるみたいなのよ」

「入学式が終わったら、帰りにデパートで何か買って帰りましょ!」


と母はいった。

「まあいいか」と僕は思った。

少しして、学校に着いた。

校門前では、入学式と書いてある看板があり、写真を撮っている学生がいた。


「写真撮る?」


と母が訊いてきた。


「別にいい」


と僕は適当に答えた。


「まあ、いいわ」

「記念に欲しいんだけど、、、」


と少し寂しそうに母はいった。


「はいはい、撮ればいいんでしょ!」


といって、めんどくさいが撮ることにした。

写真を撮り終え、僕は校舎を見上げた。

少し錆びているが、しっかりとしているなと僕は思った。

校門を潜り、僕達は学校の中に入った。

校内は学生や親御さんで溢れかえっていた。

母は、校長先生から、お話があるからと言って、体育館に向かった。

僕は、「1年生はこちら」と書かれた張り紙をたどって、階段を昇った。

教室は、階段を昇った先にあるようだ。

2階に着いて、張り紙は、廊下につながっていた。

廊下をまっすぐ歩いた。

少しすると、1年B組と書かれた教室が見えてきた。

教室の前まで来て、僕は立ち止った。


(ここかー、、、)

(入っていいのかな?)


と僕は考えた。


(どうしよー)


と天井を見上げた。

前を向く直して、教室の戸に僕は手を掛けた。

3年間過ごす教室へと僕は足を踏み入れた。



 そこで、僕の運命を変える一人の少女と出会うことを僕はまだ知らない。。。

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