表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
サクラ咲く。  作者: 好意 椎
第1章 幼少期編
5/26

エルフさんです!

トウコと兵士との会話が終わり、馬車を預けたサクラ達は、城門を越えると、目の前には視界に収まらないほどの大きさの建物があった。


遠くからの景色でしか見た事が無いサクラは、近くで見る城が想像以上に大きく、驚いてしまった。

「これが高天原城....」

「サクラちゃんはお城を見るのは初めてだったよね?ちょうどいいからお勉強しましょうか?真ん中の塔は「日の塔」《ひのとう》と呼ばれてて、この日の塔に人國の五種族は集まり、様々な事を会議で決めたりしています。そして右の手前に見えるのが「水の塔」、ここは人族が受け持ってる塔になります。そして左が「木の塔」ここはエルフ族、ここからは見えないけど左の奥が「火の塔」《かのとう》でオーク族、真ん中の奥が「土の塔」のドワーフ族、最後に右奥が「金の塔」でゴブリン族がいます。サクラちゃんわかった?」

「はい!覚えました!トウコさん!でも気になることがあるんですが、日に火、水、木、金、土と曜日に関係しているみたいなんですが、月の塔というのはないんですか?」

「良いところに目をつけたね!サクラちゃん!.....月の塔はある!と言われています。」

「言われている?」

「ええ。だけど実際にそれを見たという人はいないの。」

「....それはどうしてなんですか?」

「.......わからないわ。」

真顔で答えるトウコに、サクラは最初何を言われたか理解できなかったが、あまりにも勿体ぶった答えが「わからない」なので、サクラは驚きを通り越して、呆れるしかなかった。

「トウコさん......」

「しょっしょうがないじゃない!!一応今の元首様があるって言っているんだから!ただ誰かが見たという話は一度も聞いた事ないのよ。」


元首が言っているんだからしょうがないと言いたげに振る舞うトウコをサクラはジト目で見つつ、もう一つ気になった事を聞いて見ることにした。


「あとトウコさん。この高天原城はなんで城って名前がついてるんですか?どう見ても塔の集合体にしか見えないんです。あとなんで水の塔が人族の塔なんでしょうか?土や木はなんとなくわかるんですが...」


「それはこの国の英雄であるオウカ様がそう呼んだからだよ。」


後ろから声が聞こえ、振り向いて見ると、そこには白銀の鎧を身に纏った金髪の男性が笑顔で立っていた。

その男性はよく見ると耳が尖っているのでエルフ族だと言うことがわかった。


(うわー。初めて見たー!エルフ!!すごい!本当に耳が長いなー!)

「オウカ様はずっとこの高天原城を城と言って聞かなくてね。この塔を作ったドワーフもそれが気に入って、結局この塔は城と名付けられたのさ。」

ニヒルな笑いを浮かべたカミーユは、前髪をゆっくりと払い、視線をサクラに向ける。

サクラもカミーユを、見つめる。

照れ屋で普段ならしないのだが、初めて見るエルフが珍しく、サクラはまじまじと見た。

サラサラとした金髪は、風が吹き太陽の光を浴びると、まるでそのエルフ族の男性の顔の周りが輝いてるような感じになる。

サクラにとって(周りが黒目、黒髪の人しかいなかったため) エルフの容姿は珍しく、まるで買ったばかりの新品の人形をみている気分にさせた。

.... ちなみに彼女はこの時、別に恋心や特別な感情を抱いて、見ていたわけでは無い。

と言うかサクラはそういった感情はまだ子供(あるいは精神年齢が肉体年齢より低い)なのでいまいちわかっていない。


だが同い年で恋する男の子にとって、サクラがまじまじと見てるその光景は、自分の好きな女の子が、自分とは比較できないほどイケメンな人を、「キラキラ」した目で見てる様にしか見えなくて、そうなってくると必然と目の前のエルフは、ジンにとって明確な敵となったのだ。


「......お前は一体誰だ。」

ジンはサクラを自分の後ろに無理やり行かせ、殺意に近い目で、目の前のエルフを睨む。

名乗りを挙げてないので、何者かわからないので警戒している。 ........ と言うことは無く、100%嫉妬心から来るものだった。

「失礼。紹介が遅れたね。私は今回の能力検査の検査員代表を務めさせていただく、エルフ族のカミーユと申します。あなたが保護者の方で、そちらが、能力検査を受ける三人の子供たちでよろしいですか?」

ジンの八つ当たりもどこ吹く風と言わんばかりに笑顔を振りまいているカミーユ。

彼の後ろの方ではこちらを見て、顔が赤くなっている女性(人族、エルフ族問わず)が何人かいた。


「こら!ジン!失礼でしょ!!....うちのジンが申し訳ありません!私はこの子達の孤児院の経営者兼保護者のトウコと申します。この子達は右からサクラにラン、そしてジンと言います。本日はよろしくお願いいたします。」

「ははは!子供は元気な方が良いですからね。私も同じくらいの歳の時はこう見えてやんちゃだったんですよ!さて。サクラちゃんにランちゃんにジン君。今日は大事な能力検査だ。ここではふざけても良いが、能力検査の時には、素直に受けてくれるとお兄さんは非常に助かるからよろしくね!」

そう言って一人一人の頭を撫でていく。

手には温かさが感じられ、本能的にこのエルフはいい人なんだと思えた。一人を除いては。

「ところでおっさんは幾つなんだ?」

「おぉぉぉおっさん!?......うぉっほん!お兄さんは今年で180だ!若いだろう?」

「どこがだ!!俺らからすればじじいすら超えてるよ!!」

「あのう...時間も経ってますしそろそろ...」

放っておくとジンとカミーユはいつまでも戯れてそうなので、トウコは先を促すようにした。

「では、能力検査の会場にご案内しよう!もちろんトウコさんもご一緒にこちらへどうぞ!.....あとサクラちゃん。先ほどの質問だが、答えはなんとなくだ。」

「へっ?」

「....実はこの塔ができる当時、私はここにいて、オウカ様が塔の名前と割り振りをしているのを聞いたんだよ。

当時、人族は五つの種族を取りまとめ、この塔を築いたんだ。城全体の名前は「高天原城」と決まったんだが、塔の名前が気まらず、もめそうになったんだ。それを見ていたオウカ様は、あっという間に塔の名前と割り振りを決めてしまってな。今でも覚えているよ。あの時オウカ様はとてもいい笑顔で『これで喧嘩しなくてもいいでしょ!』って言ってね。」

穏やかな表情を浮かべサクラを見つめるカミーユ。

その視線はまるで、サクラを慈しむような、そんな優しい視線だった。

「さて。お話しをしていたら目的の部屋に着いたな。さあみんな部屋に入ってくれ!」


長いので次に続きます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ