ナミ先生です!
サクラ達3人は、壱年弐組と書かれたプレートが掛かっている教室に着く。
先頭にいるジンは教室の引き戸を開ける。
中には生徒達が使う机が並べてあり、机の上には名前が書かれた紙が置いてある。
サクラの席は一番右の最前列で左隣にラン、後ろにジンとなっている。
「やった!ランちゃん!席がとなりだよ!」
「本当に良かったですわ!...まあある程度は予想していましたけど。」
ランは頭の中にニヒルな笑いをしているナギを思い浮かべる。
ナギの過保護に苦笑いを浮かべるが、サクラの隣は単純に嬉しかったので結果としてはナギに感謝する事にした。
「サクラ様。私も後ろの席で嬉しく思います!これで心置きなく、サクラ様を観察し、守る事に集中できます!」
「ジン君。出来れば勉強をしてね....」
「そう言えば、私たちの担任は一体どんな人なのかしら?」
「対人スキルがないって言ってて、しかも研究職出身。確か研究職は本当に頭がよくなきゃなれないらしいから、その分頭のネジがぶっ飛んでるのかもな?」
「それはそれで怖いね...」
3人は頭の中で思い思いに想像をする。
「....あああ!ダメですわ!!どう考えても良い担任とは思えませんわ!!」
「むしろ俺らは研究対象にされそうで怖いな...」
「じっジン君!!怖いこと言わないで!」
サクラは自分が捕まり、手術台に乗せられる想像をしてしまい、震えてしまう。
「こら!!バカジン!サクラちゃんを怖がらせるなですわ!」
「はっはははは!」
ランがいつもの通りにジンにお灸を据えようとした時入口のドアが開き、笑い声が聞こえてくる。
3人はびっくりしてドアの方を確認すると、先程入学式にいたナミが笑って立っていた。
「ナミ先生!?すすすいません!決して悪口を言っていたわけじゃないんです!」
「いや。気にするな。今日来なかったあいつが悪い。変な噂をたてられても仕方がないさ。さて、改めて自己紹介しよう。ナミだ。よろしく。」
「イシイランです。よろしくお願いしますわ。」
「イシイサクラです!よろしくお願いします!」
「ジンです。よろしくお願いします。」
お互いに自己紹介をして、サクラは改めてナミを見る。
先程の入学式の時は顔をあまり見なかったが、よく見るとナミは、綺麗というよりかっこいいと思える顔立ちだ。
ナミはパッチリとした目ではなく、切れ長の目で黒のアイシャドウでより鋭さを増した目つきは、恐さと格好良さが入り混じっている。
サクラはナミの顔を見つめていると、視線に気づいたナミと目が合う。
サクラはどことなく、先程の少年の様と目が合った時の様な感覚を覚える。
「私の顔に何か着いているかな?」
「えっ!?すすいません!!じろじろ見てしまってすいませんでした!!」
「いや。別に減るもんでもないから謝って貰わなくても大丈夫だ。...まあ良い気分でもないから今後は控えてくれると助かるかな。」
「はい!!すいませんでした!」
サクラは顔を紅くさせながら、ナミに謝罪をする。
「まあいい。実は後ろの二人に少し話をしたいんだがいいかな?」
「俺たちですか?」
「なんでしょうか?」
「うむ。先程の入学式で話したがこのクラスの担任は今日は来ない。で私も見るとは言ったがさすがに同時には見れない。だから二人に組長になってもらう事にした。選考理由は実力だ。」
「.....決定っすか?」
「ああ。」
「...........」
「...........」
「わぁー!ランちゃんとジン君凄いです!かっこいいです!」
ジンとランは無言でナミを見つめる。
対するナミも無言で二人を見つめる。
サクラは嬉しそうに二人を見ている。
「はぁー。わかりましたですわ。それで何をすればいいですの?」
観念したランは、自分達が何をすればいいのかナミに聞く。
ジンも文句を言っても無駄という事を悟って無言で話を聞く。
サクラは目をキラキラさせ二人を見ている。
「このプリントに書いてある事を決めてほしい。もしかしたらバカエルフもくるかもしれんが、あいつも新入りで分かってないから無視してくれても構わない。」
「それは大丈夫です。ジン君以外は基本的に相手をしていませんわ。」
「賢明だ。」
ランは渡されたプリントに何が書いてあるか確認をする。
プリントには色々な係の名前が書いてあり、その横は空欄となっている。
「係り決めですか。」
「ああ。全ての係が決まったら今日は解散で大丈夫だ。用紙に記入後、私のところに持ってきてくれ。あとこれが名簿の写しだ。本物の名簿は担任のみしか見ることができない。だが、初めて見る顔ばかりだと名前も知らないから不便だと思い、用意した。活用してくれ。」
「わかりましたですわ。」
「うむ。では頼む。最後に何かあった場合のために、私に連絡が出来る護符を渡しておく。」
ナミは懐から、長さ15センチほどの紙を一枚、ランに渡す。
紙には真ん中に「連」と書いてあり、周りには見たことのない模様が描かれている。
「その護符に術力を込めれば、私と離れていても会話をする事が出来る。何かあれば使ってくれ。さて、私は行くがよろしく頼むぞ。二人とも。」
「はい。かしこまりましたですわ。」
ナミは最初入ってきた入口に向かう。
その時一瞬だけサクラを見る。
サクラはまだ二人をキラキラした目で見つめている。
ナミは教室のドアを閉める。
その目は先程とは全く違い無機質となり、ドアの横を見る。
そこには先程サクラと目が合った少年がドア横の壁に寄っかかってナミを見ている。
「...後は頼んだぞ。計画通り最初は有効的で構わない。後は頃合いを伺い、行動に移せ。いいな?スク」
「かしこまりました。母様。」
「ここでは母様とは呼ぶな。2度は言わないから気をつけろ。」
「.....すいませんでした。」
スクと呼ばれた少年は頭を下げる。
その姿を一瞥し、ナミは隣の組に向かい、歩いて行く。
スクはその後ろすがたを見つめ、ナミが教室に入るのを確認し、静かにため息を吐く。
「....やれやれ。めんどくさいですが、しっかりやらないと。」
スクは中に気づかれない様にドアに付いてるガラスから、中にいる3人に気づかれない様に覗く。
そこにはサクラとランとジンが楽しそうに話している。
「あれが、イシイサクラ。オウカ様の生まれ変わり。」
スクはナミから聞かされた計画の内容を、間違えない様に頭の中で、確認し、ドアをゆっくり開け、中に入る。
サクラが驚いている顔を浮かべ、こちらを見ている。
(母様は生まれ変わりと言ってたが、話に聞くオウカ様とは全然違うな。本当に生まれ変わりなのか?)
スクは頭の中で疑問に思いながら、三人に近づいて行く。
(まあどちらにしても、本物なら問題ないか。)
スクはイマイチ納得できないが、ナミの計画を遂行するため、頭の中にある疑問を隅にやり、三人に近づくため行動するのだった。
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