everyday
紡の日常。
学校に到着し、靴を履きかえ教室へ向かった。
教室に入ると、
「おはよう紡。」
一人の少女が挨拶をくれた。
彼女は小学校からの幼馴染で、いままでクラスが離れたことがない。数少ない俺の友達だった。名前は、亜儚光と言う。
「おはよう光。」
挨拶を交わし、俺は席について読書を始めた。ちなみに今読んでいるのは、恋愛小説というやつだ。ベタな展開も意外とおもしろい。
8時30分、チャイムが鳴りホームルームが始まる。まだ聞き慣れない担任の声が連絡事項を言い終わると、次の授業に向かう。
俺の日常は至って普通で、だけど何も不満は無かった。
今日も学校が終わり、帰宅部なので放課後は特に何もなく家に帰る。
家に帰って、普段はテレビを見るのだが、今日は本屋さんに行くことにした。好きなシリーズの新刊が発売されたのだ。発売日に買いたくなるのは俺だけだろうか?
本を買い、店を出て時間を確認すると6時だった。俺は暗くなる前に帰ろうと、やや早歩きで帰った。
家に帰り、食事をとって風呂に入り、もう寝る用意ができたころ。
ピンポーン
家のチャイムが鳴った。モニターを確認すると、スーツに眼鏡姿の若い人が映っていた。雰囲気は、どちらかと言えば玄人で、初々しさのようなものは感じられなかった。
俺は何故か迷わず玄関に向かった。