45、感染
おねえさんへ
私が西九州交通で働き始めてもうすぐ一年になります。ママやパパの代わりに私を育ててくれたおねえさんには遠く及ばないけど、それなりに一生懸命がんばっています。バスガイドのお仕事は大変だけど、先輩たちは面白い人ばっかりで毎日飽きません。
この前とっても素敵なことがありました。おねえさんはサンキスト女学園を知ってますか。関東のほうにあるちょっと有名なお嬢様校だから聴いた事あるかも知れませんね。それがこの前修学旅行で長崎に来て、私はその2年E2組のバスを担当しました。
こんな事を書くと誤解されるかも知れないけど、あの学校の生徒たちは本当に本当に可愛くて、綺麗でした。とても礼儀正しかったからこっちが緊張しちゃったけど、おねえさんがカステラを枕にして寝てた話をしたら笑ってくれました。笑顔はとっても無邪気でしたよ。
グラバー園へご案内した後、私がバスの中でお弁当を食べてたらE2組の生徒さんが一人バスに戻ってきました。その子はハーフの女の子で背は高く髪は金色でつやつや、目はお人形みたいに青かったんです。「自由行動のお時間じゃないんですか」って私が言うと、「お姉様をお誘いに参りましたの」ってその子が答えたんです。今時「参りましたの」なんて言う女子高生見かけないからドキドキしちゃって「嬉しいですワ」って思わず答えちゃったよ。すごく恥ずかしかったです。
私はその子に手を引かれて近所のスイーツのお店に入りました。和風ロールケーキとミルクのプリンが美味しいあのお店です。そこで私たちは個室に案内されました。温かい日だったから電気はオンになってなかったけど掘りごたつのある綺麗で可愛らしいお部屋でしたよ。「私はアンナと申します。お姉様のお名前はなんておっしゃるのかしら」なんて言いながらその子は私の隣りに座りました。向かい側ではなく私にくっつくように座ったので私、急にドキドキしてきちゃったんです。「涼子ですノヨ」って答えるとアンナさんは私の名前を呼びながら指を触ってきました。そして私の手を彼女の顔へ持って行って頬擦りしたり優しく口づけしたりしたんです。アンナさんは「指、キレイですわね」なんて言ったけどアンナさんのほっぺの方がすべすべで温かくて気持ちよかったです。アンナさんの大人っぽい目に見つめられて私、自分が彼女より年上だってことも、それから自分が仕事中だってこともすっかり忘れてロマンチックな気分になっちゃったんです。私はアンナさんの言われるがままに彼女の首や頬にキスをしました。これが・・・とってもおいしかったので、もっと、もっと欲しくなって私はアンナさんの制服のリボンをほどきました。アンナさんの白くてふわっふわであったかいのお胸に顔をうずめてちゅうをしていると、彼女は「とってもお上手。それじゃあ、涼子さんにご褒美を差し上げますわ」なんて言って私の体をそっと横に倒して覆いかぶさりました。女の子の感触と香りと温もりが、私の全身に注がれて、包まれて・・・そのあとのことは恥ずかしくて書けないけどとにかく夢のようで、頭が真っ白になりました。アンナさんにすっかり夢中になってしまったんです。心も、そして体も。本当に・・・天国みたいでした。
今はもう一度アンナさんに会いたいっていう思いで毎日頭がいっぱいで、夜ベッドに潜ってから眠りにつくまでの時間も長くなってしまいましたが、私はとても元気でけっこう幸せです。アンナさんのお陰で今までとは全く違った見方で世界が見られるようになったからです。
おねえさんも毎日がんばって下さい。私も一生懸命がんばります。
P.S. 今度家に帰って来た時、二人で一緒にお風呂に入りませんか。小さい頃してたように体の洗いっこしましょう♪




