推しのカレンダー入手作戦決行!
ご無沙汰しております。星原ルナです。久しぶりになろうラジオ大賞に応募してみました。
今年初めての小説投稿になります。今年の四月に母が亡くなり、手続き等でドタバタしていたため、なかなか小説執筆できませんでした。リハビリのつもりで書いてみました。まだ本調子に戻りませんが温かい目で見てもらえると嬉しいです。
今年もあと二ヶ月、来年のカレンダーが出回る頃。
私は行きつけの書店に来ていた。理由は単純。大好きなアイドルグループ『イリオス』のカレンダーが発売された日だからだ。今日の為にお金を貯めていたと言っても過言ではない。書店の中はいつもより人が集まっていた。さすが大人気アイドルグループのカレンダー発売日とあって女性の人だかりが目立つ。
「あれは……千鶴?」
あの後ろ姿は間違いない、同じ高校に通う同級生の千鶴だ。私は駆け寄って「千鶴!」と声をかけると、千鶴が驚いた顔で振り向いた。
「あれ? 由紀じゃない、どうしたの?」
「千鶴こそ。私はイリオスのカレンダー買いに来たの」
「えっ、じゃあ由紀も!?」
「由紀も? ……ってことは千鶴もイリオスのカレンダー狙い?」
つまり、お互いライバルってことか。これは負けられない!
私は彼女に告げる。
「負けないよ」
「私だって」
いざ、決戦の地、カレンダーコーナーへ!
ひえ、さすが大人気アイドルのカレンダー。目的の場所になかなか辿り着けない。満員電車のおしくらまんじゅう状態。こんなのでカレンダー手に入るんかな……。
私は何度も手を伸ばすけど、カレンダーまで届かない。
こんな状態で千鶴は手に入れたんだろうか……。そう考えていた矢先。
見知った声が書店に木霊する。
「由紀、見て見て! カレンダー、ゲットしたよ!」
千鶴の言葉に、私は青ざめた。
嘘でしょ……もうゲットしたの!? 私はまだ手に入れてないのに!
千鶴は勝ち誇った顔で、
「私、先に会計して帰るね」
と踵を返してレジに向かって行った。うぅ、羨ましい。
私だって……そう思って、力一杯手を伸ばした。瞬間。
「やった、カレンダーだ!」
私の手の中にようやくカレンダーが。嬉しさが込み上げてくる。カレンダーの名前はちゃんとイリオスのカレンダーだ。喜び勇んで帰路に着く。
次の日学校に登校すると、千鶴が意気消沈とした表情で姿を見せた。
「あれ? 千鶴どうしたの? そんなに落ち込んで……何かあったの?」
そう尋ねて見たけど無視されてしまった。え、どういうこと?
別の友人がその理由を後日教えてくれた。どうやら、イリオスのコーナーではなく別のカレンダーコーナーで名前見ずに手に取って会計したそうで、イリオスのカレンダーは手に入らなかったらしい。
今週の火曜日に風邪を拗らせ今日ようやくマシになったので投稿できました。まだ完治していませんが、今年の年末は引きこもり年末になりそうです。
ちなみにこのストーリーのきっかけはたまに私が商品を見ずに買ってしまって失敗する出来事を思い出して作品にしてみました。皆さんは私のような失敗をしないように気をつけてください(;'∀')